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2026.05.14

満室の窓口

税制改正2026から読み解く、賃貸経営の収益を守り高める実践ポイント

テーマは、税制改正2026をきっかけに、これからの賃貸経営で押さえるべき「収益を守り、高めるための実践ポイント」です。 

今回の改正では、所得税の基礎控除引き上げや設備投資に関する優遇など、オーナー様にとって活用できる内容がある一方で、相続税評価の見直しや青色申告の電子化対応など、早めの準備が求められる内容も含まれています。

また、税制への対応だけでなく、空室対策や設備改善、プロモーション強化を通じて、物件そのものを「収益を生む資産」へアップデートしていく視点も重要です。

本レポートでは、税制改正2026の主なポイントを整理しながら、賃貸経営における節税・相続対策、設備投資、家賃アップ、稼働率改善の考え方を体系的に解説しています。

「税制改正にどう備えるべきか」「空室や家賃下落にどう対応すべきか」「今の物件価値をさらに高められないか」 このような課題をお持ちのオーナー様にとって、明日からの賃貸経営を見直すヒントとなる内容です。 

ぜひ本レポートを、収益改善と長期的な資産形成に向けた一歩としてご活用ください。



【セミナー情報】

対象:不動産投資家・賃貸経営者・管理会社担当者

テーマ:成功事例で読み解く選ばれる物件のつくり方

主催:満室の窓口(株式会社クラスコ)

登壇:満室の窓口 金沢店

※本レポートは、オンライン共有会での発表内容をもとに再構成しています。



<目次>
1.税制改正2026
 ー所得税の負担減!基礎控除が62万円へ引き上げ
 ー【重要】相続税「5年ルール」導入
 ー青色申告控除が75万円へ!紙での申告は注意
 ー変化の時代に収益を最大化させる考え方
2.家賃を下げずに「収益を生む資産」へアップデートする考え方
 ー「貸し手市場」から「借り手市場」へ
 ー失われた収益は、改善によって取り戻せる
 ー家賃だけでなく「稼働率」を見る
 ーこれからの賃貸経営に必要な視点
3.攻めの賃貸経営で実現する、勝ち筋
4.まとめ


1.税制改正2026

2026年度税制改正では、物価上昇への対応や国内投資の促進、相続税評価の見直し、青色申告特別控除の拡充など、賃貸経営にも関係する改正が複数盛り込まれました。 

今回の改正は、単純に「増税」または「減税」と言い切れるものではありません。

所得税の基礎控除引き上げのように税負担の軽減につながるものがある一方で、相続直前の不動産購入を使った節税対策には厳しい見直しが入るなど、オーナー様にとっては注意すべき内容も含まれています。


ー所得税の負担減!基礎控除が62万円へ引き上げ

まず押さえておきたいのが、所得税の基礎控除の見直しです。

合計所得金額が2,350万円以下の個人について、基礎控除は62万円に引き上げられることとされています。

物価上昇により実質的な税負担が増えることへの対応として、基礎控除等を見直す考え方が示されています。

賃貸収入があるオーナー様にとっても、所得税の課税所得を計算するうえで基礎控除は関係します。

所得状況によって影響額は異なりますが、今回の見直しは、一定の税負担軽減につながる可能性があります。 

一方で、設備投資に関する税制については注意が必要です。

2026年度改正では、大胆な設備投資を促進する税制として、一定の設備投資に対して即時償却または税額控除を認める制度が示されています。

対象資産には機械装置、器具備品、建物、建物附属設備、ソフトウェアなどが含まれ、税額控除は原則7%、建物・建物附属設備・構築物は4%とされています。

ただし、この制度は投資下限額が大きく、中小企業者等でも投資計画期間中の総額5億円以上、ROI水準15%以上などの要件があります。

また、財務省資料では「貸付けの用を除く」とされているため、一般的な賃貸アパートのエアコン・給湯器・高断熱窓などの更新に、そのまま適用できる制度とは言い切れません。

省エネ設備投資を検討する場合は、補助金や別制度も含めて、税理士・専門家と確認することが重要です。


ー【重要】相続税「5年ルール」導入

大きな影響があるのが、貸付用不動産の相続税評価の見直しです。

相続開始前5年以内に取得または新築した一定の貸付用不動産については、従来の路線価評価等ではなく、課税時期における通常の取引価額を基準に評価する方向が示されています。

課税上の弊害がない場合には、取得価額を基に地価変動等を考慮した価額の80%相当額で評価できるとされています。 

これまで、賃貸不動産は相続税評価額が市場価格より低くなるケースが多く、相続対策として活用されてきました。

しかし今後は、相続直前に賃貸物件を購入・新築して評価額を圧縮するような対策は、効果が大きく制限される可能性があります。

特に、相続発生前5年以内に取得した物件については、想定していた節税効果が得られないリスクがあります。 

さらに、不動産小口化商品についても注意が必要です。

一定の不動産小口化商品は、取得時期にかかわらず、課税時期における通常の取引価額で評価される方向です。

貸付用不動産のような「5年以内」という条件がない点は、相続対策として保有している方にとって大きな注意点です。 


ー青色申告控除が75万円へ!紙での申告は注意

青色申告特別控除についても、実務面で大きな変更があります。

青色申告特別控除は、従来の65万円控除から、一定要件を満たすことで75万円へ引き上げられる見込みです。

ただし、要件としてe-Taxによる電子申告や、仕訳帳・総勘定元帳の電子保存などが求められます。

これにより、賃貸経営を事業的規模で行っているオーナー様は、会計処理や申告方法のデジタル化がより重要になります。

反対に、紙で申告している場合は控除額が大きく下がる可能性があるため、早めにe-Taxや会計ソフトへの移行を検討する必要があります。


ー変化の時代に収益を最大化させる考え方

今回の税制改正は、賃貸経営にとって「税金だけを見て判断する時代」から、「収益性・資産価値・承継対策を総合的に考える時代」への変化を示しているともいえます。 

所得税の基礎控除引き上げや青色申告特別控除の拡充は、正しく活用すれば税負担の軽減につながります。

一方で、相続税評価の見直しにより、短期的な節税目的の不動産購入や小口化商品への投資は、従来より慎重な判断が求められます。 

これからの賃貸経営では、単に「税金を減らす」ことだけでなく、物件の収益力を高め、長期的に資産を守り、次世代へ引き継げる状態をつくることが重要です。

税制改正をきっかけに、保有物件の収支、設備投資、相続対策、申告体制を一度見直してみることが、今後の安定経営につながります。


▼以下の動画で詳しく解説しています。




2.家賃を下げずに「収益を生む資産」へアップデートする考え方

近年、増税や物価高、修繕費の上昇などにより、賃貸経営を取り巻く環境は大きく変化しています。

これまでのように「所有して貸していれば安定収入が得られる」という時代から、物件そのものを見直し、収益を生み続ける資産へとアップデートしていくことが重要になっています。 

築年数が経過したアパートやマンションでは、建物としての機能は保っていても、収益面では徐々に厳しくなるケースがあります。

築30年を超える頃になると、新築物件との競争や設備・デザイン面での見劣りにより、空室が目立ちやすくなり、家賃を下げざるを得ない状況に陥ることも少なくありません。


ー「貸し手市場」から「借り手市場」へ

賃貸市場は、以前のように物件を出せば決まる時代ではなくなっています。

人口減少が進む一方で、新築住宅は供給され続けており、入居者は多くの選択肢の中から物件を選ぶようになっています。

そのため、既存物件は「空いている部屋を貸す」という発想だけではなく、入居者に選ばれる商品として磨き直すことが求められます。 

新しい物件は、デザイン性が高く、設備も充実しています。

これに対して、築年数が経った物件をそのままにしておくと、競争力が低下し、空室期間の長期化や家賃下落につながります。

結果として、稼働率が落ち、収入が減少するという悪循環に入りやすくなります。


ー失われた収益は、改善によって取り戻せる

築古物件だからといって収益改善をあきらめる必要はありません。

物件価値を高めることで、家賃アップや稼働率改善を実現できる可能性があります。 

重要なのは、やみくもに費用をかけることではなく、投資効果を見極めながら改善を行うことです。

以下のような要素は物件価値に大きく影響します。 

・適正な賃料設定

・募集写真やWeb上での見せ方

・人気設備の導入

・水回りの印象改善

・内装デザインの見直し

・間取りや使い勝手の改善

・入居者ターゲットに合った商品づくり

・投資額に対する回収見込みの確認

単にリフォームするのではなく、「いくら投資すれば、どれだけ家賃や稼働率に反映されるのか」を考えることが大切です。

ファイナンス面や税効果も含めて、プラスになる投資であれば、収益改善のために前向きに検討すべきタイミングといえます。


ー家賃だけでなく「稼働率」を見る

賃貸経営で見落とされがちなのが、家賃と稼働率の関係です。

多くのオーナー様は家賃額に注目しがちですが、実際の収入は「家賃 × 入居率」で決まります。

たとえば、6万円、5万5,000円、4万9,000円の3つの家賃設定で募集した場合、必ずしも一番高い家賃設定が最も収入を生むとは限りません。

家賃が低くても稼働率が高ければ、年間収入では最も高くなる場合があります。 

つまり、賃貸経営では「高く貸すこと」だけでなく、「長く空室にしないこと」も同じくらい重要です。 

仮に家賃が30%下がり、さらに稼働率も30%下がった場合、収入は単純に30%減るのではありません。

家賃が70%、稼働率も70%になるため、収入は0.7×0.7=49%となり、約51%も減少する計算になります。 

このように、家賃と稼働率の両方が下がると、収益へのダメージは非常に大きくなります。

だからこそ、家賃を維持・向上させる取り組みと同時に、稼働率を高める対策も欠かせません。 


ーこれからの賃貸経営に必要な視点

これからの賃貸経営では、物件を「持っている資産」ではなく、「収益を生み続ける事業資産」として捉える視点が必要です。

築年数が経過した物件であっても、入居者ニーズに合った改善を行い、募集方法や賃料設定を見直すことで、収益性を高められる可能性があります。 

大切なのは、感覚だけで判断するのではなく、周辺市場、競合物件、設備状況、家賃相場、入居者ニーズなどを客観的に把握し、コストとリターンを見ながら改善していくことです。 

増税や物価高の時代だからこそ、何もしないまま家賃下落や空室を受け入れるのではなく、物件の価値を高め、安定して収益を生む状態へと整えていくことが、これからの賃貸経営には求められています。


▼以下の動画で詳しく解説しています。



3.攻めの賃貸経営で実現する、勝ち筋


税制改正や物価高、修繕費の上昇などにより、賃貸経営を取り巻く環境は大きく変化しています。

これからの賃貸経営では、ただ物件を所有して貸すだけではなく、入居者に選ばれる物件へと磨き上げ、収益力を高めていくことが重要です。 

そのために欠かせないのが、「プロモーション力」「設備の見直し」「水回り改善」の3つです。

どれも大規模な建て替えをしなくても取り組める内容であり、反響数や稼働率、家賃アップに直結しやすい重要なポイントです。


ー まず重要なのは、物件の魅力を伝える写真

現在のお部屋探しは、インターネット検索が主流です。入居希望者はスマートフォンやパソコンで複数の物件を比較し、写真を見て「詳しく見たいか」「内見したいか」を判断します。

つまり、どれだけ良い部屋にリフォームしていても、写真で魅力が伝わらなければ反響にはつながりません。 

室内写真では、角度が偏っていたり、床と天井のバランスが悪かったり、色味が暗かったりすると、本来よりも部屋の印象が悪く見えてしまいます。

反対に、明るく広く見える構図で撮影し、適切に補正することで、同じ部屋でも印象は大きく変わります。

物件の価値を正しく伝えるためには、募集写真を「ただ撮る」のではなく、「選ばれるために見せる」という視点が必要です。


バーチャルステージングで暮らしのイメージを伝える 

空室の写真だけでは、入居希望者がそこで暮らすイメージを持ちにくい場合があります。そこで有効なのが、バーチャルステージングです。

何もない部屋に、バーチャルで家具やインテリアを配置することで、部屋の使い方や生活イメージが伝わりやすくなります。

特に単身者向けやリノベーション物件では、デザイン性や暮らし方の提案が反響に大きく影響します。 

室内の魅力を高めたうえで、バーチャルステージングを組み合わせれば、インターネット上で目に留まりやすくなり、反響数の増加が期待できます。

物件そのものへの投資と比べても、写真や見せ方への投資は比較的低コストで取り組みやすく、費用対効果の高い施策といえます。


外観写真はクリック率を左右する 

室内写真と同じくらい重要なのが、外観写真です。

ポータルサイトでは、検索結果に複数の物件が並びます。

その中でクリックされるかどうかは、最初に表示される外観写真の印象に大きく左右されます。 

外観写真は、撮影する時間帯や明るさ、空の色、建物の見せ方によって印象が変わります。

特に夕暮れ時の「マジックアワー」のような雰囲気を活用すると、建物がより魅力的に見え、周辺物件との差別化につながります。 

物件そのものを大きく変えなくても、写真の見せ方を工夫するだけで、検索画面での印象は大きく変わります。

反響を増やすためには、室内だけでなく外観写真の改善にも力を入れることが大切です。


ー 人気設備がないと、検索で選ばれにくい

次に重要なのが設備です。

現在の入居者は、ポータルサイトで条件を絞り込んで物件を探します。

そのため、人気設備が付いていない物件は、そもそも検索結果に表示されにくくなる可能性があります。 

たとえば、エアコン、テレビモニター付きインターホン、室内洗濯機置き場などは、単身・ファミリーを問わず、入居希望者が重視しやすい設備です。

これらが不足していると、物件の第一候補から外れてしまうことがあります。



近年特にニーズが高まっているのが、高速インターネット無料設備です。

在宅勤務や動画視聴、オンライン会議などが日常化したことで、インターネット環境は入居者にとって重要な判断材料になっています。

宅配ボックスも重要性が高まっている設備の一つです。

全体の約34%の物件で宅配ボックスが設置されているとされており、この割合は年々増加傾向にあります。

インターネット通販の利用が一般化し、日中に荷物を受け取れない単身者や共働き世帯が増えている中で、宅配ボックスは入居者にとって非常に便利な設備です。

宅配ボックスがあることで、再配達の手間を減らせるだけでなく、防犯面や生活の快適性にもつながります。

今後は、宅配ボックスが「あると便利な設備」から「付いていてほしい設備」へと変わっていく可能性があります。

そのため、周辺物件との差別化を図るうえでも、宅配ボックスの設置は前向きに検討したい設備の一つです。

特に単身者向け物件や、共働き世帯をターゲットにした物件では、入居者に選ばれるための重要なポイントになります。


ー 水回りの印象は稼働率に大きく影響する

そして、もう一つ空室対策において非常に重要なのが、水回りの改善です。

室内の壁紙や床をきれいにしても、浴室やトイレなどの水回りが古いままだと、入居希望者に良い印象を与えることは難しくなります。

実際に内見時にも、水回りは特に細かく見られるポイントです。

清潔感があるか、古さを感じないか、使いやすそうかといった点は、入居判断に大きく影響します。

特に浴室は、稼働率にも大きく関係する重要な部分です。

実際の分析でも、浴室をリノベーションした部屋と、古いままの部屋では、稼働率に大きな差が出ています。

浴室にシートを貼る、鏡を交換する、カウンターや水栓を変えるといった比較的軽微なリノベーションでも、入居者から見た印象は大きく変わります。

ある事例では、浴室を改善した部屋の稼働率が98%まで高まった一方、古い浴室のままにしていた部屋は77%にとどまりました。

浴室の印象が変わるだけで、これほど稼働率に差が出る可能性があるということです。

しかも、浴室の簡易リノベーションは、内容によっては15万円前後から実施できるケースもあります。

家賃アップや空室期間の短縮につながれば、1年半ほどで投資回収できる可能性もあり、費用対効果の高い改善策といえます。


ー 3点ユニットは改善余地が大きい

賃貸経営では、どうしても居室部分の内装に目が向きがちです。しかし、実際に入居者が重視するのは、部屋の広さやデザインだけではありません。

毎日使う水回りがきれいかどうか、快適に使えるかどうかも、非常に重要な判断材料になります。

特に注意したいのが、3点ユニットバスです。

賃貸住宅新聞などでも、入居者に敬遠されやすい設備として、和式トイレ、3点ユニットバス、バランス釜などが上位に挙げられています。

これらに共通しているのは、水回りに関する設備であるという点です。

つまり、入居者は水回りの古さや使いづらさに対して、非常に敏感だということです。

3点ユニットバスが敬遠されやすい理由としては、主に3つあります。

1つ目は、プライバシーの問題です。浴室、トイレ、洗面が一体になっているため、来客時や同居時に使いづらさを感じる方もいます。

2つ目は、快適性の問題です。トイレと浴室が同じ空間にあることで、入浴時の使い勝手や湿気、においなどが気になるという声があります。

3つ目は、清潔感の問題です。浴室内にトイレがあること自体に抵抗を感じる方も多く、特に若い世代や女性入居者からは敬遠されやすい傾向があります。

そのため、いくら居室部分をきれいにリノベーションしても、水回りが3点ユニットのままだと、「部屋は良いけれど、水回りが気になる」と判断され、最終的に選ばれない可能性があります。

この課題を解決する方法の一つが、3点ユニットのセパレート化です。

3点ユニットは、浴室・トイレ・洗面が一体になっている設備ですが、これを浴室とトイレに分けることで、入居者にとって使いやすい水回りに改善できます。

ただし、通常の浴槽付き浴室を新たに設置しようとすると、スペースの問題が発生する場合があります。

そこで有効なのが、浴槽ではなくシャワーブースを設置する方法です。

浴槽をなくし、シャワーブースとトイレを分けることで、限られた空間でもセパレート化が可能になります。

昔ながらの感覚では、「浴槽がないと入居者に敬遠されるのではないか」と思われるかもしれません。

しかし、若い世代を中心に、日常的に浴槽に浸からずシャワーで済ませる方も増えています。

特に20代の入居者層では、時間がない、光熱費を抑えたい、掃除の手間を減らしたいといった理由から、浴槽をあまり使わない方も少なくありません。

ターゲットが単身者や若年層であれば、古い3点ユニットを残すよりも、清潔感のあるシャワーブースと独立トイレに分けた方が、物件の魅力が高まる可能性があります。

実際に、3点ユニットで苦戦していた物件でも、セパレート化によって大きく収益が改善した事例があります。

ある4階建て・エレベーターなしの物件では、もともと3点ユニットが原因で入居付けに苦戦していました。

リノベーションをしなければ稼働率は60%程度で、家賃も2万円を下回ってもなかなか決まらない状況でした。

そこで、室内のリノベーションに加えて、3点ユニットをセパレート化しました。

その結果、1万9,800円だった家賃を3万2,000円まで引き上げることができました。

一方で、3点ユニットを残したまま室内だけをリノベーションした部屋もありました。

室内がきれいになったことで、最初は入居が決まることもありましたが、2回転目、3回転目と運用していく中で、稼働率に差が出てきました。


3点ユニットを残した部屋の稼働率は、63.2%、70.2%、80.5%とばらつきがありました。

一方、セパレート化したリノベーション部屋では、稼働率が94.5%まで高まりました。

この差は、賃貸経営において非常に大きな意味を持ちます。

家賃を上げることができても、空室期間が長くなれば、年間収入は伸びません。

逆に、家賃を上げながら高い稼働率を維持できれば、物件全体の収益性は大きく改善します。

さらに、3点ユニットの解体費用や改修コスト、家賃アップによる収入増、空室期間の短縮、節税効果などを含めて税引後キャッシュフローを分析すると、セパレート化した方が最終的な手残りが大きくなるケースもあります。

つまり、3点ユニットの改善は、単なる見た目のリフォームではありません。

入居者に敬遠される原因を取り除き、家賃アップと稼働率改善の両方を狙うための、収益改善策といえます。

もちろん、すべての3点ユニットを必ずセパレート化すべきというわけではありません。

物件の立地、ターゲット、面積、改修コスト、周辺相場によって判断は変わります。

しかし、長期間空室が続いている物件や、家賃を下げても反響が弱い物件では、水回りが原因になっている可能性があります。


これからの賃貸経営では、表面的な内装だけでなく、入居者が本当に気にする部分に投資することが重要です。

特に、宅配ボックスのような利便性を高める設備、浴室リノベーションのような清潔感を高める改善、3点ユニットのセパレート化のような根本的な弱点解消は、物件の競争力を高めるうえで有効です。

増税や物価高の時代だからこそ、ただ修繕費を抑えるだけではなく、「どこに投資すれば収益が増えるのか」という視点で判断することが大切です。

空室が続く、家賃を下げないと決まらない、リフォームしても反響が弱い。そうした課題がある場合は、まず水回りを見直すことが、収益改善の第一歩になるかもしれません。



▼以下の動画で詳しく解説しています。



4.まとめ

これからの賃貸経営では、物件をただ維持するだけではなく、入居者に選ばれる状態へと改善し続けることが求められます。 

特に、インターネット上での写真の見せ方、人気設備の導入、水回りの印象改善は、反響数や稼働率に直結しやすい重要なポイントです。 

築年数が経過した物件であっても、適切な改善を行えば、家賃アップや稼働率向上につなげられる可能性があります。

物価高や増税の時代だからこそ、守りの賃貸経営ではなく、収益を生み続ける資産へとアップデートする「攻めの賃貸経営」が、今後ますます重要になります。





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