2026.07.09
満室の窓口
路線価とは?不動産投資家が知るべき相続税リスクと資産価値への影響
毎年7月頃になると、「今年の路線価が発表された」「都市部を中心に地価が上昇した」といったニュースを目にします。
しかし、路線価という言葉を知っていても、
「所有しているアパートの価格と関係があるのか」
「路線価が上がると高く売れるのか」
「将来の相続税はいくら増えるのか」
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
路線価は、主に相続税や贈与税を計算するときに使われる土地の評価基準です。
不動産投資家にとっては、所有するアパートや賃貸マンション、土地の相続税評価額を把握し、将来の相続税リスクや資産戦略を見直すための重要な指標となります。
路線価が上昇すると、土地の相続税評価額も上がる可能性があります。複数の不動産を所有している場合は、物件ごとの評価額上昇が積み重なり、将来の相続税負担に大きく影響することもあります。
一方、路線価の上昇は、その地域の地価動向を把握する材料の一つでもあります。
ただし、路線価が上がったからといって、実際の売却価格や家賃収入が必ず上がるわけではありません。
この記事では、路線価の基本から調べ方、計算方法、投資用不動産の相続税評価、所有物件の見直し方、売却や相続対策を検討するときのポイントまで、わかりやすく解説します。

1.路線価とは
2.路線価と実勢価格・収益価格の違い
3.路線価の調べ方
4.路線価を使った土地評価額の計算方法
5.投資用不動産の相続税評価
6.路線価の上昇が不動産投資家に与える影響
7.路線価発表後に確認・実行したい6つのステップ
8.路線価が高い不動産は売却すべきか
9.不動産投資家が相続に向けて準備したいこと
10.よくある質問
11.まとめ
1.路線価とは?

路線価とは、道路に面している標準的な宅地について定められた、1㎡当たりの評価額です。
主に、相続や贈与によって取得した土地の評価額を計算するときに使われます。
土地は、現金や預貯金のように金額が明確な財産ではありません。
土地ごとに立地や形状、接道状況などが異なるため、相続税や贈与税を公平に計算するには、一定の評価基準が必要です。
その評価基準の一つが路線価です。
簡単にいえば、路線価は「この道路に面している標準的な土地は、税金の計算上、1㎡当たりこの程度の価値として評価します」という基準です。
不動産投資家にとっては、所有物件の土地部分が、相続税上どの程度の財産として評価されるのかを把握するための重要な情報になります。
路線価等は毎年7月に公表される
路線価と評価倍率を合わせた「路線価等」は、国税庁が毎年定めて公開しています。
令和8年分、2026年分の路線価等は、2026年7月1日に国税庁ホームページで公開されました。
路線価等は、その年の1月1日を評価時点として、全国の民有地の宅地、田、畑、山林などを対象に定められています。
不動産投資家の場合、全国平均の上昇率だけを見るのではなく、所有物件がある地域の路線価が前年からどのように変化したのかを確認することが大切です。
2.路線価と実勢価格・収益価格の違い
路線価について特に誤解されやすいのが、「路線価から計算した金額が、そのまま不動産の売却価格になる」という考え方です。
路線価と実際の売却価格は、目的も計算方法も異なります。
不動産投資家が確認したい価格には、主に次の3つがあります。
| 価格の種類 | 内容 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 路線価による評価額 | 相続税・贈与税を計算するための土地評価額 | 相続税リスクの把握 |
| 実勢価格 | 実際の市場で売買が成立すると考えられる価格 | 売却・資産組み換えの判断 |
| 収益価格 | 家賃収入や利回りなどから算出される価格 | 保有継続や投資判断 |
路線価から計算した土地の評価額が4,000万円だったとしても、その土地が必ず4,000万円で売れるわけではありません。
実際の売却価格は、条件によって変わります。
駅からの距離
周辺の土地需要
土地の形状
接道状況
建物の築年数
修繕状況
空室率
家賃収入
投資利回り
買主の需要
金融機関の融資環境
アパートや賃貸マンションなどの投資用不動産では、土地の価値だけでなく、現在の家賃収入や空室率、将来の修繕費などが売却価格に影響します。
路線価は相続税や贈与税を計算するための評価基準です。
売却価格を判断するときは、近隣の取引事例や物件の収益性、不動産会社による査定も確認する必要があります。
3.路線価の調べ方

路線価は、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で確認できます。
路線価図には、道路ごとに「110E」「200D」などの数字とアルファベットが記載されています。
数字は1㎡当たりの路線価

路線価図の数字は、1㎡当たりの評価額を千円単位で示しています。
石川県金沢市の道路を例にします。
道路に「110E」と記載されている場合、数字の「110」は、1㎡当たり11万円を意味します。
土地面積が200㎡で、補正を考慮しない場合は、次のような概算になります。
11万円×200㎡=2,200万円
アルファベットは借地権割合
数字の後ろに記載されているアルファベットは、借地権割合を示しています。
| 記号 | 借地権割合 |
|---|---|
| A | 90% |
| B | 80% |
| C | 70% |
| D | 60% |
| E | 50% |
| F | 40% |
| G | 30% |
自用地としての概算額を確認するだけであれば、まずは数字の部分を確認します。
ただし、賃貸アパートや賃貸マンションの敷地を「貸家建付地」として評価する場合は、アルファベットで示された借地権割合も計算に使用します。
路線価を調べる手順
路線価は、次の手順で確認できます。
1.国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を開く
2.調べたい年を選択する
3.都道府県と市区町村を選択する
4.路線価図から所有地の場所を探す
5.土地が面している道路の数字とアルファベットを確認する
6.前年の路線価と比較する
前年が1㎡当たり20万円、今年が22万円であれば、路線価は10%上昇しています。
毎年の数値を記録しておくと、相続税評価額の変化を把握しやすくなります。
4.路線価を使った土地評価額の計算方法
1本の道路に面した標準的な土地であれば、土地の相続税評価額は、概ね次の式で考えます。
路線価×画地調整率×土地面積=土地の相続税評価額
画地調整率とは、土地の形状や利用しやすさなどを評価額に反映するための補正率です。
計算例|路線価20万円、土地面積200㎡の場合
次の土地を例に計算してみましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 路線価 | 20万円/㎡ |
| 土地面積 | 200㎡ |
| 画地調整率 | 1.0 |
計算式は次のとおりです。
20万円×200㎡×1.0=4,000万円
この場合、土地の相続税評価額の概算は4,000万円です。
土地の形状や接道状況によって補正される
実際の相続税評価では、路線価と土地面積を単純に掛けるだけではありません。
次のような土地は、形状や接道条件に応じて評価額が調整されます。
奥行きが長い、または短い土地
間口が狭い土地
形がいびつな不整形地
がけ地を含む土地
角地
二つ以上の道路に面している土地
道路付けが悪い土地
間口が狭い土地や不整形地などは、利用しにくさを反映して評価額が下がることがあります。
一方、角地や二方道路に面した土地は、利便性を反映して評価額が高くなることがあります。
「路線価×土地面積」は、あくまでも概算です。
相続税申告に使用する正確な評価額については、税理士などの専門家に確認しましょう。
路線価がない地域は倍率方式で評価する
すべての地域に路線価が設定されているわけではありません。
路線価が定められていない地域では、「倍率方式」によって土地を評価します。
計算式は次のとおりです。
固定資産税評価額×評価倍率=土地の相続税評価額
固定資産税評価額が1,500万円、評価倍率が1.1倍であれば、次のように計算します。
1,500万円×1.1=1,650万円
この場合、土地の相続税評価額は1,650万円です。
5.投資用不動産の相続税評価

アパートや賃貸マンションなどの投資用不動産では、土地と建物を分けて評価します。
自分が所有する土地の上に賃貸建物を建て、第三者に貸している場合、その敷地は「貸家建付地」として評価されることがあります。
アパートの敷地は貸家建付地として評価される
貸家建付地とは、自分が所有する土地に自分が所有する建物を建て、その建物を第三者に貸している場合の土地です。
入居者がいる賃貸物件は、所有者が土地や建物をすぐに自由に使用・処分できるわけではありません。
その制約を相続税評価に反映するため、貸家建付地は、自用地としての評価額から一定額を差し引いて評価します。
貸家建付地の計算式
貸家建付地の評価額は、次の式で計算します。
貸家建付地の価額=自用地としての価額-自用地としての価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合
それぞれの項目は、次の意味を持ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 自用地としての価額 | 更地や自己使用地として評価した土地の価額 |
| 借地権割合 | 路線価図などに記載された割合 |
| 借家権割合 | 建物を借りている人の権利を反映する割合 |
| 賃貸割合 | 建物のうち実際に賃貸されている部分の割合 |
計算例|自用地評価額5,000万円の場合
次の条件で計算してみましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 自用地としての価額 | 5,000万円 |
| 借地権割合 | 60% |
| 借家権割合 | 30% |
| 賃貸割合 | 100% |
まず、評価額から差し引く金額を計算します。
5,000万円×60%×30%×100%=900万円
次に、自用地としての価額から900万円を差し引きます。
5,000万円-900万円=4,100万円
この場合、更地としての評価額が5,000万円の土地でも、貸家建付地としての評価額は4,100万円になります。
賃貸割合は床面積で計算する
賃貸割合は、単純な部屋数ではなく、原則として各独立部分の床面積を基に計算します。
課税時期に賃貸されている各独立部分の床面積の合計÷建物全体の各独立部分の床面積の合計
すべての住戸の床面積が同じ10室のアパートで、10室すべてが賃貸されていれば、賃貸割合は100%です。
長期間空室になっている部屋がある場合は、その空室部分の床面積を除いて賃貸割合を計算することがあります。
ただし、退去後すぐに入居者募集を行い、空室期間も一時的であるなど一定の条件を満たす場合は、賃貸中として扱われることもあります。
建物部分の評価方法
建物は、原則として固定資産税評価額を基に評価します。
賃貸されている建物は、次の式で評価します。
貸家の評価額=固定資産税評価額-固定資産税評価額×借家権割合×賃貸割合
建物の固定資産税評価額が2,000万円、借家権割合が30%、賃貸割合が100%の場合は、次のようになります。
2,000万円-2,000万円×30%×100%=1,400万円
投資用不動産の相続税評価では、土地の路線価だけでなく、建物の固定資産税評価額や賃貸状況も確認する必要があります。
6.路線価の上昇が不動産投資家に与える影響
路線価が上昇すると、不動産投資家には主に次の3つの影響があります。
相続税評価額が上がる可能性がある
路線価が上昇すると、同じ土地面積や形状であれば、土地の相続税評価額も上がります。
| 年度 | 路線価 | 土地面積 | 画地調整率 | 評価額 |
|---|---|---|---|---|
| 前年 | 20万円/㎡ | 200㎡ | 1.0 | 4,000万円 |
| 今年 | 22万円/㎡ | 200㎡ | 1.0 | 4,400万円 |
この例では、路線価が10%上昇したことで、土地の評価額は400万円増加しています。
複数の土地やアパートを所有している場合は、それぞれの上昇額が積み重なり、相続財産全体に大きく影響する可能性があります。
相続税の基礎控除を超える可能性がある
相続税は、正味の遺産額が基礎控除額を超えた場合に、申告・納税が必要になる可能性があります。
基礎控除額は、次の式で計算します。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人が3人の場合は、次のとおりです。
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
不動産を複数所有している場合、路線価の上昇によって土地の評価額が増え、正味の遺産額が基礎控除額を超えることがあります。
評価額と収益性の差が大きくなることがある
路線価が上昇しても、家賃収入や入居率が上がるとは限りません。
次のような状態には注意が必要です。
土地の相続税評価額は上がっている
家賃収入は減少している
空室率が上昇している
修繕費が増えている
借入返済後の手残りが少ない
このような物件は、相続税評価額が高い一方で、相続人に十分な収益を残せない可能性があります。
「価値が高い土地を所有していること」と「収益性の高い資産を所有していること」は、必ずしも同じではありません。
7.路線価発表後に確認・実行したい6つのステップ

路線価が公表されたら、次の流れで所有不動産を見直しましょう。
1.所有物件を一覧化する
まず、所有する土地や建物の情報を整理します。
所在地
土地面積
建物構造
築年数
年間家賃収入
空室率
借入残高
修繕予定
物件数が多い場合は、表計算ソフトなどを使って一覧化すると管理しやすくなります。
2.前年と今年の路線価を比較する
物件ごとに、前年と今年の路線価を確認します。
前年の路線価
今年の路線価
上昇額または下落額
上昇率または下落率
借地権割合
路線価地域か倍率地域か
路線価の変化を毎年記録しておくと、相続税評価額の推移を把握できます。
3.相続税評価額を概算する
土地については、路線価や評価倍率を使って評価額を計算します。
アパートや賃貸マンションの場合は、貸家建付地としての評価減も確認しましょう。
建物については、固定資産税評価額と賃貸割合を確認します。
4.実勢価格を確認する
相続税評価額だけでなく、現在の市場でどの程度の価格で売却できそうかも確認します。
近隣の成約事例や売出事例、不動産会社の査定などを参考にするとよいでしょう。
路線価による評価額と実勢価格には差があるため、分けて把握することが重要です。
5.収益性と将来負担を確認する
次に、物件の経営状況を確認します。
年間家賃収入
空室率
管理費
修繕費
借入返済額
返済後のキャッシュフロー
今後の大規模修繕
管理にかかる手間
現在は利益が出ていても、大規模修繕や家賃下落によって、将来の手残りが減る可能性があります。
現在の収益だけでなく、今後10年程度の支出も想定して判断しましょう。
6.保有・改善・売却の方針を決める
評価額、実勢価格、収益性を確認したら、物件ごとの方針を整理します。
現状のまま保有する
空室対策やリノベーションを行う
家賃や管理方法を見直す
売却する
別の収益物件へ組み換える
相続人への承継準備を進める
すぐに結論を出す必要はありません。
ただし、評価額が上昇している物件や大規模修繕が近い物件については、早めに選択肢を比較しておくことが大切です。
8.路線価が高い不動産は売却すべきか
路線価が高い、または前年より上昇しているからといって、すぐに不動産を売却すべきとは限りません。
売却するかどうかは、路線価だけでなく、収益性、将来性、修繕リスク、管理負担などを含めて判断します。
保有継続を検討しやすい物件
次のような物件は、保有を続ける選択肢があります。
家賃収入が安定している
入居率が高い
賃貸需要が見込める地域にある
借入返済後のキャッシュフローが十分にある
修繕計画が立てられている
管理体制が整っている
中長期的な資産価値が期待できる
路線価が上昇していても、安定した収益を生み、今後も需要が見込める物件であれば、無理に売却する必要はありません。
売却や資産組み換えを検討したい物件
一方、次のような物件は、売却や資産組み換えを検討する余地があります。
土地評価は高いが利回りが低い
空室率や家賃下落が改善しない
大規模修繕を予定している
借入返済後の手残りが少ない
管理負担が大きい
土地としての価値に対して建物の収益性が低い
売却益を別の投資に活用できる
たとえば、駅近で土地評価は高いものの、築古アパートで空室が多く、修繕費も増えている場合は、土地の価値を活かせていない可能性があります。
売却して現金化する、より収益性の高い不動産に買い替える、管理しやすい資産へ組み換えるといった方法を比較しましょう。
9.不動産投資家が相続に向けて準備したいこと
物件ごとの保有・売却方針を整理したら、次に相続全体の準備を進めます。
ここでは、個別物件の収益性ではなく、相続税の支払いや資産承継の方法を検討します。
将来の相続税額をシミュレーションする
不動産だけでなく、預貯金、株式、生命保険、借入金などを含めて、将来の正味の遺産額を概算します。
現時点で相続税がかからない見込みでも、路線価の上昇や借入残高の減少によって、将来は課税対象になる可能性があります。
定期的にシミュレーションを更新しましょう。
納税資金を準備する
相続税は、原則として金銭で納付します。
不動産を多く所有していても、現金が少なければ、相続人が納税資金の確保に困る可能性があります。
納税資金を準備する方法として、次のような選択肢があります。
現金や預貯金を確保する
生命保険を活用する
売却候補の物件を決めておく
借入余力を確認する
一部の資産を事前に現金化する
相続が発生してから急いで売却すると、希望する条件で売れない可能性があります。
「どの資産を残し、どの資産を納税に使うのか」を事前に決めておくことが重要です。
小規模宅地等の特例を確認する
相続する不動産によっては、「小規模宅地等の特例」を適用できる可能性があります。
不動産貸付業に使用されている宅地は、一定の要件を満たすと、貸付事業用宅地等として200㎡までの部分について評価額を50%減額できる場合があります。
ただし、利用状況や保有期間、相続人の取得状況などによって、適用の可否が変わります。
適用要件は複雑であるため、税理士などの専門家に確認しましょう。
法人化や生前贈与を検討する
保有物件の規模が大きい場合は、法人化や生前贈与が選択肢になることもあります。
法人化によって、所得分散や不動産経営の承継体制を整えられる場合があります。
また、生前贈与によって、早い段階から資産を次世代へ移転する方法もあります。
ただし、法人化には設立・運営コストがかかります。生前贈与についても、贈与税、登録免許税、不動産取得税などの検討が必要です。
節税効果だけで判断せず、諸費用や管理負担まで含めて総合的に検討しましょう。
家族や相続人と話し合う
不動産は、現金のように簡単に分割できる資産ではありません。
アパートや賃貸マンションを相続すると、相続人は入居者対応、建物管理、修繕、借入返済、確定申告などを引き継ぐことになります。
相続人が不動産経営に関心がない場合や、遠方に住んでいる場合は、所有すること自体が負担になる可能性もあります。
次の点について、早めに家族で話し合っておきましょう。
誰がどの物件を引き継ぐのか
相続後も保有を続けるのか
売却する可能性があるのか
管理を誰に任せるのか
借入や納税資金をどうするのか
税金だけでなく、相続後の管理まで考えて承継方法を決めることが大切です。
10.よくある質問
Q.路線価が上がると、不動産の売却価格も上がりますか?
上がる可能性はありますが、必ず上がるとは限りません。
路線価は、地域の地価動向を把握する材料の一つです。
実際の売却価格は、土地の形状、接道状況、建物の状態、収益性、空室率、買主の需要などによって決まります。
投資用不動産の場合は、土地価格だけでなく、家賃収入や利回りも大きく影響します。
Q.路線価を1.25倍すると実勢価格になりますか?
路線価は、地価公示価格などを基にした価格の80%程度を目途として設定されています。
そのため、路線価を1.25倍すると、公示地価に近い水準を推測できることがあります。
ただし、これはあくまでも目安です。公示地価と実際の売却価格も同じではありません。
路線価を1.25倍した金額が、そのまま売却価格になるわけではない点に注意しましょう。
Q.アパートの敷地は、更地より相続税評価額が低くなりますか?
自分が所有する土地に自分が所有する賃貸アパートを建て、第三者に貸している場合は、貸家建付地として評価され、更地より評価額が低くなる可能性があります。
ただし、借地権割合、借家権割合、賃貸割合によって評価額は変わります。
長期間の空室がある場合は、評価減の効果が小さくなることがあります。
Q.不動産投資家は毎年路線価を確認した方がよいですか?
複数の不動産を所有している方や、将来の相続対策を考えている方は、毎年確認することをおすすめします。
特に、駅周辺、再開発地域、観光地、人口流入地域などに物件を所有している場合は、路線価が大きく変動する可能性があります。
毎年の評価額を記録しておくと、相続税リスクや資産価値の変化を把握しやすくなります。
11.まとめ|路線価を相続税と資産戦略の見直しに活用しよう
路線価は、相続税や贈与税を計算するときに使用される土地の評価基準です。
不動産投資家にとっては、所有する土地やアパート、賃貸マンションの相続税評価額を把握するための重要な指標となります。
ただし、路線価は実際の売却価格ではありません。
不動産の保有や売却を判断するときは、次の3つを分けて確認する必要があります。
路線価から見た相続税評価額
市場で売却できる実勢価格
家賃収入から見た収益価値
路線価が上昇すると、相続税評価額が上がる可能性があります。
一方で、所有物件の評価額、収益性、将来の修繕負担を見直し、売却や資産組み換えを考えるきっかけにもなります。
大切なのは、路線価の上昇や下落だけで判断しないことです。
所有物件の収益性、借入残高、修繕リスク、納税資金、相続人の意向まで含めて、総合的に資産戦略を考えましょう。
路線価の公表をきっかけに、所有物件の評価額と収益性を確認し、保有継続、収益改善、売却、資産組み換え、相続対策について見直してみてはいかがでしょうか。
参考:
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