相続対策
相続時精算課税制度 活用のポイント
本記事では、相続時精算課税制度を最大限に活用するためのポイントを詳しく解説し、賃貸住宅の贈与における利点と注意点を掘り下げていきます。
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満室の窓口
相続税について調べていると「相続時精算課税制度」という言葉を目にすることがあります。
しかし、相続時精算課税制度は、どのようなものかよくわからないという人も多いのでないでしょうか。
今回は、相続時精算課税制度とはどのようなものなのか、メリットやデメリット、手続きの方法などについて解説します。
相続時精算課税制度とは、2,500万円を上限として贈与税を払うことなく生前贈与できる制度のことで、贈与する財産の種類や回数に制限はありません。
この相続時精算課税制度が適用されるのは、60歳以上の父母または祖父母から20歳以上の子供もしくは孫に財産を贈与した場合に利用できる課税制度です。
そのため、60歳以上の親もしくは祖父母から20歳以上の子供や孫に生前贈与するのであれば、1年間のうちに大きな金額を無税で行うことができます。
ただし、2,500万円以下の生前贈与であれば贈与税は非課税ですが、贈与者が亡くなった場合は、相続財産として加算され相続税が発生します。
つまり、本来であれば、財産を贈与されたときに発生する贈与税を相続発生時まで先延ばしすることができるということです。
また、この制度を利用する場合は、贈与を受けた翌年の決められた期限内に必要書類を提出する必要があります。
では、相続時精算課税制度を利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
相続時精算課税制度の最大のメリットは、2,500万円まで贈与税がかからないことです。
一般的な暦年贈与の場合は、年間で110万円までしか控除が適用されないので、2,500万円を非課税で贈与しようとすると23年ほどかかりますが、この相続時精算課税制度を利用すれば、2,500万円を無税で贈与できます。
ただし、1人の贈与者へ贈与する金額の上限が2,500万円なので、ある年に1,000万円を贈与した場合は、その年以降は1500万円までしか控除することができなくなります。
また、暦年贈与の場合は、2,500万円以上の金額に対して45~55%の累進課税がかかりますが、この制度を使って2,500万円以上の贈与を行う場合は、超えた分に対して一律で20%の贈与税しかかかりません。
特定の人に財産を贈与したい場合は、この相続時精算課税制度を利用すれば、多くの財産を生前に贈与できるので相続時の争いを防ぐことができます。
例えば、会社を経営している人が、長男ではなく次男に会社と資産を贈与し後継者にしたいと考えた場合は、相続時精算課税制度を利用して素早く会社の資産などを移動できます。
仮に、生前贈与を行わず亡くなった場合は、法定相続人である人たちで遺産分割の協議が行われ贈与者が思っていたように資産や会社が引き継がれなくなる可能性が出てきます。
また、遺産の相続争いで家族が分断されてしまうこともあるでしょう。
そのため、贈与者に財産の相続分配に希望がある場合などは、相続時精算課税制度を利用することがおすすめです。
相続時精算課税制度を利用した場合は、相続が発生した時点で相続財産へ持戻されるため、相続税が発生します。
しかし、この制度によって持戻された贈与財産は「贈与された時点での価値」で相続税が計算されるので、価値の上昇が見込める不動産や株式などを生前に贈与しておくことで節税効果が期待できます。
逆に相続時精算課税制度を利用するとどのようなデメリットが発生するのでしょうか。
相続時精算課税制度を選択したときのデメリットは、選択後に暦年贈与に戻すことができなくなるので、110万円の暦年贈与非課税枠が使えなくなることです。
また、暦年贈与は税務署への申告義務はありませんが、相続時精算課税制度を利用する場合は、贈与財産の額が110万円以下でも申告をしなければなりません。
しかし、相続時精算課税制度は、同じ贈与者からの贈与のみ適用されるので、他の贈与者からの贈与には暦年贈与が利用できます。
どの贈与制度が良いかを届出書を提出する前によく考えることが大切です。
基本的に相続は、一親等の血族または配偶者が受け取るものとされているので、相続時精算課税制度を利用して孫へ贈与した場合は、相続税額の2割に相当する金額が本来の相続税に加算される「相続税の2割加算」が適用されます。
ただし、被相続人の子供が死亡していて孫が代襲相続人となっている場合は、対象になりません。
相続時精算課税制度を利用して孫に贈与する場合は、相続税の2割加算の対象になる可能性があることを理解しておきましょう。
相続時精算課税制度を利用する場合は、どのような書類や手続きが必要となるのでしょうか。
相続時精算課税制度を利用する際は、財産を譲り受けた人が「贈与税の申告書」と「相続時精算課税選択届出書」を作成して税務署に提出します。
相続時精算課税制度を選択した場合は、贈与税が非課税であっても「贈与税の申告手続き」をする必要があるので注意しましょう。
また、「相続時精算課税選択届出書」を提出するときは、「受贈者の戸籍謄本もしくは戸籍抄本」「受贈者の戸籍の附票の写し」「特定贈与者の住民票の写し、戸籍附票の写し」も添付書類として必要となります。
贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」と「贈与税の申告書」その他の添付資料を税務署に提出します。
e-Taxや郵送でも申告の手続きは行えます。
相続時精算課税制度は、非常に大きな節税効果が期待できますが、一定の要件を満たす土地を相続する場合に最大80%まで評価額を減額することができる「小規模住宅地等の特例」や暦年贈与などの制度が利用できなくなります。
そのため、どのような制度を利用する方が、節税対策になるのかをしっかり理解しておくことが大切です。
特に、相続財産の中に不動産が含まれている場合は、専門家に相談することをおすすめします。
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