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不動産投資

2025.05.28

満室の窓口

【初心者向け】不動産投資の利回り計算方法を解説

「この物件、儲かるのか?」 不動産投資を始める際、誰もが気になるこの疑問に答える鍵が「利回り」です。利回りは、物件の収益性を数値で見える化する重要な指標。

本記事では、不動産投資初心者が理解しておくべき「表面利回り」と「実質利回り」の違いや計算方法、そして投資判断に役立つ目安について、わかりやすく解説します。



<目次>
1.利回りとは
ー表面利回り
ー想定利回り
ー実質利回り
2.利回りの目安と物件選びのポイント
3.まとめ


1.利回りとは

不動産投資における「利回り」とは、物件の購入にかけた金額に対して、どの程度の家賃収入(利益)が得られるかを示す指標です。

たとえば、1,000万円の物件から年間20万円の家賃収入がある場合、利回りは2%になります。

一般的に、不動産賃貸物件の利回りは、以下のように算出されます。

利回り = 年間の家賃収入 ÷ 物件の購入価格 × 100%

この数値が高いほど、投資効率が良いとされます。

たとえば利回りが10%なら、単純計算で投資金額を10年で回収できる計算になります。

しかし、実際には税金や管理費、修繕費、保険料などのコストがかかり、空室リスクもあるため、単に利回りだけを見て判断するのは危険です。 

そのため、投資家は「利回り」だけでなく、物件の立地や築年数、地域の需要、市場の動向といった要因も含めて、総合的に収益性を評価する必要があります。 

また、利回りにはいくつか種類があります。

「表面利回り」「想定利回り」「実質利回り」など、それぞれ計算方法や意味が異なり、目的に応じた使い分けが求められます。


ー表面利回り

賃貸経営でよく使われる指標のひとつが「表面利回り」です。 

表面利回りは、物件の収益性を大まかに把握するための指標で、「予想利回り」「単純利回り」「グロス利回り」とも呼ばれることがあります。 

この指標は、物件の購入費用や建築費用に対して、1年間で得られる家賃収入がどのくらいかを示します。

経費や空室リスクなどは含まれていないため、あくまで大まかな収益性の目安となります。 


【表面利回りの計算式】

 表面利回りは以下の式で求められます。

表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100 

計算例 : 

・物件購入費:1億円 

・家賃:10万円/月 

・総戸数:10室 

・稼働室数:8室

・稼働期間:12か月(1年間) 

この場合、年間家賃収入は次のように算出されます。

10万円 × 8室 × 12ヶ月 = 960万円 

そして、表面利回りは以下の通りです。

960万円 ÷ 1億円 × 100 = 9.6% 


【表面利回りの注意点】

表面利回りは、維持管理費、修繕費、空室リスク、税金などの実際の経費を含まないため、実際の手取り収益とは異なる点に注意が必要です。

また、これは物件購入時点の指標であり、将来的な収益性を保証するものではありません。


ー想定利回り

想定利回りとは、賃貸物件が常に満室で稼働していることを前提に、1年間の賃料収入を基に計算する利回り指標です。 

一見すると「表面利回り」と同様に見えますが、大きな違いは、空室リスクを無視して、満室状態で算出する点にあります。

そのため、投資のリスク評価にはあまり適していません。 


不動産広告やサイトでは、よく「想定利回り」が記載されています。 

ただし、これは「満室=最大収入」という理想的な条件に基づいているため、実際の利回りはこれより低くなる可能性が高い点を理解しておく必要があります。 


【想定利回りの計算式】

想定利回りは以下の式で計算します。

想定利回り(%)= 満室時の年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100 

計算例

表面利回りの例を元に、今回は満室想定で計算します。

・物件価格:1億円

・家賃:10万円/月

・総戸数:10室 稼働率:100%(満室前提) 

10万円 × 10室 × 12ヶ月 = 1,200万円(年間家賃収入) 

1,200万円 ÷ 1億円 × 100 = 12% 

この場合、想定利回りは12%となります。


ー実質利回り

実質利回りとは、年間の家賃収入から必要経費を差し引いた“実際の利益”を、物件購入時の総費用(購入価格+取得時の諸経費)で割って算出する、より現実に即した利回り指標です。 

この指標では、固定資産税、管理費、修繕積立金、火災保険料などのランニングコストが考慮されるため、表面利回りや想定利回りよりも正確な収益状況を把握できます。 


【実質利回りの計算式】

実質利回り(%)=(年間家賃収入 - 年間経費)÷(物件価格 + 取得時諸費用)× 100 

計算例 

次のような条件を想定します。

・物件価格:1億円

・取得時諸費用:1,000万円

・年間家賃収入:1,200万円

・年間経費(管理費・修繕費・保険など):100万円

この場合、実質利回りは以下のように計算されます。

(1,200万円 - 100万円)÷(1億円 + 1,000万円)× 100 = 1,100万円 ÷ 1億1,000万円 × 100 ≒ 10% 

実質利回りは約10%となります。 

実質利回りは、賃貸経営において最も重要な指標のひとつです。

収支のシミュレーションや物件選定の際には、表面利回りや想定利回りだけでなく、必ず実質利回りも確認するようにしましょう。


利回りの種類ごとの使い分け

利回りの種類利用目的正確性注意点
表面利回り物件の比較、資料作成★☆☆諸経費・空室リスクが反映されない
想定利回り将来のポテンシャル把握★☆☆満室前提なので実態とズレやすい
実質利回り実際の収益性の判断★★★計算が複雑、経費の見積もりが必要


実際の投資判断を行う際は、まず表面利回りや想定利回りで物件を絞り込み、最終的には実質利回りで精査する、というステップが理想的です。

利回りの違いを正しく理解し、失敗のない不動産投資を目指しましょう。


2.利回りの目安と物件選びのポイント

不動産投資初心者にとって、投資判断のひとつの目安として「実質利回り5%以上」を基準にすると良いでしょう。

実質利回りが高いほど、コストやリスクを考慮しても収益性が高い物件といえます。 

ただし、利回りの数字だけを鵜呑みにして物件を選ぶのは危険です。

なぜなら、高利回りの物件には「空室リスクが高い」「立地が悪い」「管理状態が良くない」など、収益に悪影響を及ぼす要因が潜んでいる可能性があるからです。 

物件を選ぶ際には、以下のポイントを総合的に判断することが重要です。 

1. 立地の良さ 

立地は不動産の価値を決める最大の要素のひとつです。駅からの距離、周辺環境、治安、生活利便性(スーパー・病院・学校など)、将来の再開発予定などをチェックしましょう。

たとえ利回りが平均的でも、立地が良ければ空室率が下がり、長期的には安定した収益を期待できます。 

2. 将来の資産価値

物件は購入した時点ではなく、将来売却するときの価値も見据える必要があります。

築年数や構造(RC造・木造など)、建物の管理状態、エリアの地価動向などを考慮し、資産としての価値が下がりにくい物件を選びましょう。

3. 地域の賃貸需要 

どれだけ良い物件でも、需要がなければ入居者がつかず、空室が続けば利回りは大幅に下がります。

単身者向け、ファミリー向け、学生向けなど、対象となる入居者層に応じたニーズがあるか、周辺に競合物件が多すぎないかなどを調べることが大切です。


3.まとめ

不動産投資の成功は、まず「利回り」の正しい理解と計算から始まります。

表面利回りと実質利回りの違いを明確に把握し、管理費や修繕費、税金、空室リスクといった現実のコストも加味した上で、慎重に投資判断を下すことが重要です。 

今回の記事では、不動産投資における利回りの基本的な考え方から、表面利回り・想定利回り・実質利回りの違い、それぞれの計算方法、そして利回りを物件選びにどう活用すべきかについて詳しく解説しました。 

ただし、賃貸物件の購入可否を利回りの数字だけで決めてしまうのは危険です。実際の収益は、物件の維持管理費用、入退去の頻度、地域の賃貸需要など、さまざまな要因によって変動します。 

だからこそ、物件の状態、立地、地域特性、市場動向などを多角的に分析し、利回りと合わせて総合的に収益性を評価することが、不動産投資における成功のカギとなります。 

本記事を参考に、ご自身の投資プランや目標に合った物件選びに、ぜひお役立てください。




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