不動産投資の初期費用はいくら必要?内訳と節約ポイントを徹底解説
不動産投資を始める際、物件価格以外にもさまざまな初期費用が発生します。 初期費用は正確に把握し、適切に節約することで、投資の成功率を高めることができます。
2025.05.31不動産投資
2025.06.18
満室の窓口
不動産投資でよく話題に上がる「減価償却」ですが、仕組みや計算方法、節税効果が具体的に理解できていない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、減価償却の基本から実際の節税活用、注意点を分かりやすく解説します。
減価償却とは、不動産投資において建物や設備といった「減価償却資産」の取得費用を、一度に経費計上するのではなく、資産の使用可能期間(=耐用年数)にわたって少しずつ費用化していく会計処理のことを指します。
たとえば、建物を2,000万円で購入したとしても、その価値は年々劣化していくため、会計上も年ごとに「価値が減っていく=減価」ことを前提に、定額または定率で経費化していきます。
これを「減価償却」と呼びます。
建物などの不動産を所有している間、毎年一定額を「経費」として計上できるため、実際には現金の支出がなくても帳簿上は赤字になるケースもあります。
これが「現金の支出を伴わない節税手段」として、減価償却が注目されている大きな理由です。
減価償却による「帳簿上の赤字」は、給与所得など他の所得と損益通算ができるため、納税額を抑える効果が期待できます。
とくに高所得者にとっては、その税率の高さから節税インパクトが非常に大きくなる点も魅力です。
なお、減価償却の対象となるのは「建物」や「構造物」、「設備」などであり、「土地」は価値が減らないため対象外です。
減価償却を正しく活用するためには、まず「計算の仕組み」を理解すること大切です。
ここでは、土地と建物を分ける理由と、法定耐用年数、償却率、中古物件における残存耐用年数の算出方法を具体的に解説します
減価償却の対象となるのは、価値が時間とともに減少する「消耗資産」です。
年月を経ても基本的に価値が減らない「土地」は減価償却の対象外とされています。
一方、建物は老朽化や劣化が進むため、耐用年数に応じて徐々に価値が下がっていきます。
よって、不動産を取得した際には、「土地」と「建物」の価格を明確に区別しておきましょう。
以下のような資料を活用して行います。
・売買契約書(内訳記載あり)
・固定資産税評価証明書
・不動産会社の評価レポート
建物価格が不明確なままだと、税務上のトラブルや誤った償却計算につながる恐れがあるため、必ず確認・記録しておきましょう。
減価償却を行うには、まず建物の「法定耐用年数」を確認します。
これは、国税庁が公開している「主な減価償却資産の耐用年数表」によって定められています。
構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
木造住宅 | 22年 |
軽量鉄骨造(厚さ3mm以下) | 19年 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 47年 |
これに基づき、次の式で減価償却費を算出します。
減価償却費 = 建物価格 × 償却率
償却率は、耐用年数に応じて決まり、【定額法】の場合は「1 ÷ 耐用年数」が基本になります。
ただし、中古物件や特例適用時には異なるケースもあるため、詳細は国税庁の減価償却率表で確認しましょう。
中古物件を購入する場合、建物の「残存耐用年数」を再計算しなければなりません。
理由は、すでに建築から一定年数が経過しており、新築時の耐用年数をそのまま適用できないためです。
残存耐用年数の算出には、以下のような目安があります。
1.法定耐用年数の100%以上を経過している場合
→ 残存耐用年数 = 法定耐用年数 × 0.2(※端数は切り上げ)
2.経過年数が法定耐用年数未満の場合
→ 残存耐用年数 = 法定耐用年数 −(経過年数 × 0.8)(※端数は切り上げ)
例:木造住宅(法定耐用年数22年)を築25年で購入した場合
→ 残存耐用年数 = 22年 × 0.2 = 4.4 ≒ 5年
築年数が進んでいる中古物件ほど短期間で償却できるため、年間の経費額が大きくなり、節税効果が高まるという特徴があります。
ただし、短期間で償却が終了すると、その後は経費として計上できなくなるため、投資戦略の設計には注意が必要です。
減価償却の最大のメリットは、現金支出を伴わずに毎年一定額を「経費」として計上できる点です。
不動産投資における所得が圧縮され、結果として所得税や住民税の負担を軽減することができます。
具体的にどのように節税効果が発生するのか、そしてどのような人にとって最もメリットがあるのかを解説します。
減価償却費は、実際のキャッシュフロー(お金の流れ)とは関係なく計上できる「非現金費用」です。
家賃収入が年間500万円あったとしても、減価償却費や管理費、ローン利息などの経費を差し引いて帳簿上の利益が0円、あるいは赤字になるケースも珍しくありません。
この「帳簿上の赤字」は、給与所得など他の所得と損益通算することが可能です。
損益通算とは、不動産所得の赤字と他の所得(給与所得や事業所得など)を合算して、課税対象となる所得を減らす仕組みです。
たとえば、年収900万円の会社員が不動産所得で100万円の赤字を出した場合、課税所得は800万円となり、結果として所得税・住民税を大きく抑えることができます。
日本の所得税は「累進課税制度」を採用しており、所得が高くなるほど税率も上がります。
そのため、減価償却によって所得を圧縮した場合の節税効果も、年収が高いほど大きくなるのです。
課税所得が1,000万円を超える人は、所得税率が33%+住民税10%で約43%に達します。
このような人が減価償却などで100万円分の赤字を作ると、それだけで約43万円の節税効果があることになります。
一方、年収が400万円台など比較的税率が低い層では、同じ赤字を出しても節税額は20万円前後にとどまります。
そのような理由で、減価償却は高所得者向けの節税戦略として非常に相性が良い制度なのです。
ただし、注意したいのは「節税」と「手元に残る現金(キャッシュフロー)」は必ずしも一致しないという点です。
いくら節税できたとしても、実際の運営が赤字続きでは意味がありません。
減価償却を戦略的に活用するには、毎年の経費・収入・返済を踏まえた資金計画が大切です。
減価償却は本来、複数年にわたって資産の価値を分割して費用計上する制度ですが、一定の条件を満たせば、購入した年度に一括で経費計上できる特例があります。
それが「少額減価償却資産の特例」です。
不動産投資を行うと、パソコンやエアコン、家具など、業務用の設備を購入する機会が出てきます。
通常、数年にわたって減価償却として経費計上していきますが、「少額減価償却資産の特例」を使えば、購入した年にまとめて経費として処理できる場合があります。
少額減価償却資産の特例は、青色申告をしている個人事業主や中小企業者が対象です。
取得価額が10万円以上30万円未満の資産であれば、1年間で最大300万円分まで一括で経費化できるというものです。
たとえば、不動産管理用のパソコン(15万円)や、賃貸物件に設置したエアコン(25万円)などが該当します。
これらを通常通り減価償却するのではなく、その年の必要経費としてまとめて計上することで、課税所得を一気に減らし、節税につなげることができます。
この特例を使うことで、初年度に発生しやすい備品購入のコストをしっかり経費に反映でき、手元に残るキャッシュを増やす効果も期待できます。
ただし、注意点もあります。
以下のポイントを押さえておきましょう。
・10万円未満の資産は「消耗品費」で処理し、特例の対象にはなりません。
・年間300万円を超える場合、超過分は通常の減価償却に従う必要があります。
・特例を適用するには、確定申告時に正しく記載することが必要です。
少額減価償却資産の特例は、一時的な支出が多くなりがちな時期に大きな節税効果をもたらす心強い制度です。
設備投資を検討する際には、積極的に活用を検討してみてください。
詳しくは国税庁の解説ページや、税理士への相談をおすすめします。
【減価償却には「期間制限」がある】
まず大前提として、減価償却には耐用年数に基づく期間制限があります。
築25年の木造住宅を残存耐用年数5年で償却する場合、5年で減価償却は終了します。
減価償却が終わった後は、それまで経費計上していた分がなくなるため、収支上の利益が一気に増える=課税額が増える可能性があります。
つまり、短期的には節税できても、長期的には税負担が重くなることがあるのです。
【「赤字」が多すぎると金融機関の評価が下がる】
減価償却で不動産所得が赤字になると、損益通算による節税が可能になりますが、その分「個人の所得」が低く見られることになります。
この影響が最も出るのが金融機関の融資審査です。
所得が少ない=返済能力が低いと判断され、次の物件購入時に融資条件が厳しくなったり、借入額が制限されたりすることがあります。
節税のための赤字が、将来の投資拡大を妨げる要因になる可能性があるのです。
【キャッシュフローが赤字になる可能性】
減価償却で帳簿上は赤字でも、手元資金が潤沢とは限りません。
築古物件は高い減価償却費が得られますが、空室リスクや修繕費が大きく、キャッシュフロー(実際の手元資金)がマイナスになる可能性もあります。
節税だけを重視して物件を選ぶのではなく、長期的な運用計画や実際の収支バランスを重視することが重要です。
【売却時の「譲渡所得課税」に注意】
減価償却を行うと、帳簿上の建物価値は下がります。
売却時にどう影響するかというと、譲渡所得(売却益)が大きく計上される可能性があるのです。
減価償却後に帳簿上の価値が0円に近づいた建物を2,000万円で売却した場合、建物部分はほぼ全額が「利益」として課税対象になります。
つまり、売却時に想定外の税金が発生するリスクがあります。
不動産投資における減価償却は、現金を使わずに経費を計上できる強力な節税手段です。
特に高年収の方や築古物件を活用する場合には、大きなメリットがあります。
ただし、節税効果ばかりに目を向けすぎると、キャッシュフローの悪化や融資審査への影響、将来の譲渡課税といったリスクも伴います。
耐用年数の終了や物件売却時の税負担までを見据え、長期的な収支計画とバランスの取れた戦略が必要です。
減価償却を正しく理解し、計画的に活用することで、不動産投資をより安定的かつ収益性の高いものにすることができます。
迷った際は、税理士など専門家に相談しながら進めましょう。
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