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相続対策

2022.02.18

満室の窓口

アパート売却時の税金はいくら?譲渡所得税の計算方法と注意点

アパートの売却を検討するとき、売却価格とともに確認しておきたいのが「税金はいくらかかるのか」という点です。

アパートを売却して利益が出ると、所得税や住民税などが課されます。

ただし、売却価格の全額に税金がかかるわけではありません。

売却価格から、アパートの取得費や売却にかかった費用などを差し引き、最終的に残った利益に対して税金がかかります。

また、賃貸アパートの売却では、建物の「減価償却」が税額に大きく影響します。

購入時より安い価格で売却した場合でも、減価償却によって税務上の取得費が少なくなっていると、利益が出たと判断され、税金が発生することがあります。

本記事では、個人名義で賃貸アパートを所有している不動産オーナーを対象に、売却時にかかる税金の種類、譲渡所得税の計算方法、所有期間による税率の違い、売却前に確認しておきたい注意点を解説します。

なお、法人名義で所有しているアパートは税金の計算方法が異なります。具体的な税額や特例の適用可否については、税理士や税務署へご確認ください。


賃貸経営、アパート売却


<目次>
1.アパート売却時にかかる税金の種類
 ー譲渡所得にかかる所得税・住民税
 ー売買契約書にかかる印紙税
 ー課税事業者は建物部分に消費税がかかる
2.アパート売却時の税金は売却価格ではなく利益にかかる
3.アパートの取得費は減価償却分だけ少なくなる
4.取得費が分からない場合はどうする?
5.所有期間によって譲渡所得税の税率が変わる
6.アパート売却時の譲渡所得税をシミュレーション
7.アパート売却で利用できる可能性がある特例
 ー賃貸アパートは原則として3,000万円特別控除の対象外
 ー相続税の取得費加算の特例
8.アパート売却時の税金で注意したいポイント
9. アパート売却後は確定申告が必要
10.まとめ


1.アパート売却時にかかる税金の種類

アパートを売却すると、主に次のような税金が発生する可能性があります。

なかでも金額が大きくなりやすいのが、売却によって得た利益に対して課される所得税、復興特別所得税、住民税です。

これらは、一般的にまとめて「譲渡所得税」と呼ばれることがあります。

ただし、譲渡所得税という名称の税金があるわけではなく、譲渡所得に対してかかる所得税などの総称です。


ー譲渡所得にかかる所得税・住民税

土地や建物を売却して利益が出た場合、その利益は「譲渡所得」として扱われます。

土地や建物の譲渡所得は、給与所得やアパート経営による不動産所得とは分けて税額を計算する「申告分離課税」の対象です。

譲渡所得には所得税と住民税が課されます。また、2037年までは、所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税も上乗せされます。

税率は一律ではなく、売却した年の1月1日時点におけるアパートの所有期間によって変わります。

所有期間が5年を超えているかどうかで税率に大きな差が生じるため、売却時期を決める際にも確認が必要です。


ー売買契約書にかかる印紙税

紙の不動産売買契約書を作成する場合は、契約書に記載された売買金額に応じて印紙税がかかります。

不動産の譲渡に関する契約書には軽減措置が設けられており、2027年3月31日までに作成される、記載金額が10万円を超える契約書が対象です。

軽減措置適用後の印紙税額は次のようになります。

1,000万円超5,000万円以下:1万円

5,000万円超1億円以下:3万円

1億円超5億円以下:6万円

売主と買主がそれぞれ原本を1通ずつ作成する場合は、それぞれの契約書に印紙税がかかります。

電子契約で作成され、課税文書に該当する紙の原本を作成しない場合は、一般に印紙税はかかりません。


ー課税事業者は建物部分に消費税がかかる

個人の不動産オーナーであっても、消費税の課税事業者に該当する場合は、賃貸アパートの建物部分の売却が消費税の課税対象になります。

住宅の家賃は消費税の非課税取引ですが、住宅賃貸用として使用していた建物そのものの売却は、課税事業者が事業として行う場合、消費税の課税対象です。

一方、土地の譲渡は消費税の非課税取引です。

そのため、アパートの売買価格について、土地部分と建物部分を合理的に分ける必要があります。

免税事業者であれば、原則として消費税を納付する義務はありません。

課税事業者に該当するかどうかは、基準期間の課税売上高やインボイス制度への登録状況などによって変わるため、売却前に税理士へ確認しておきましょう。


2.アパート売却時の税金は売却価格ではなく利益にかかる

アパート売却時の税金を考えるうえで、まず理解しておきたいのは、売却価格の全額に税金がかかるわけではないという点です。

税金の対象となる課税譲渡所得は、基本的に次の式で計算します。

課税譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除額


アパートを8,000万円で売却したとしても、8,000万円全額に税率をかけるわけではありません。

アパートの取得費や売却時の仲介手数料などを差し引き、残った利益に対して税金がかかります。


取得費とは

取得費とは、売却した土地や建物を取得するために支払った費用です。

賃貸アパートの取得費には、主に次のようなものが含まれます。

・土地・建物の購入代金

・建物の建築代金

・購入時の仲介手数料

・設備費や改良費

・土地の取得に必要だった測量費

・使用開始前の期間に対応する一定の借入金利子

ただし、建物の購入代金や建築代金を、そのまま売却時の取得費にできるわけではありません。

建物部分については、所有期間中の減価償却費を差し引く必要があります。


賃貸経営に使用していた業務用アパートの場合、購入時に支払った登録免許税、不動産取得税、印紙税などは、原則として売却時の取得費には含まれません。

これらは、原則としてアパートを取得した年の不動産所得の必要経費として扱われるためです。

すでに不動産所得の必要経費として差し引いた金額を、売却時に再び取得費として差し引くことはできません。


譲渡費用とは

譲渡費用とは、アパートを売却するために直接かかった費用です。

・売却時に支払った仲介手数料

・売買契約書の印紙税

・売却のために支払った測量費

・借家人に退去してもらうために支払った立退料

・土地を売るために行った建物の解体費

・より有利な条件で売却するため、先に締結した契約を解除した際の違約金

一方、アパートの通常の修繕費、固定資産税、維持管理費などは、原則として譲渡費用にはなりません。

ただし、建物の価値を高めたり、使用可能期間を延ばしたりする工事については、通常の修繕費ではなく「資本的支出」として、建物の取得価額に加算されている場合があります。

過去に不動産所得の必要経費として計上した修繕費を、売却時に取得費や譲渡費用として重ねて差し引くことはできません。


3.アパートの取得費は減価償却分だけ少なくなる

アパート売却時の税金を計算するとき、特に注意したいのが建物の減価償却です。

減価償却とは、建物や設備などの取得費を、法定耐用年数に応じて複数年に分けて必要経費にする仕組みです。

賃貸経営をしている間は、建物の減価償却費を不動産所得の必要経費として計上できます。

アパートを売却するときは、それまでの減価償却費の合計額を建物の取得費から差し引かなければなりません。

減価償却が進むほど、売却時に差し引ける取得費が少なくなり、譲渡所得が大きくなりやすくなります。


減価償却後の取得費の考え方

売却時の建物取得費は、基本的に次の式で考えます。

売却時の建物取得費=建物の購入代金等-所有期間中の減価償却費の合計額


建物部分を4,000万円で購入し、売却までに計上すべき減価償却費の合計額が2,000万円だった場合、売却時の建物取得費は2,000万円です。

購入時に4,000万円を支払っていたとしても、譲渡所得の計算で差し引ける建物取得費は、原則として2,000万円になります。

なお、賃貸アパートのように事業に使用していた建物では、実際の確定申告で必要経費にした減価償却費だけでなく、本来計上すべきだった減価償却費も合計して取得費から差し引きます。

過去に減価償却費を必要経費にしていなかったとしても、その分を売却時の取得費として残せるわけではありません。


購入価格より安く売っても税金がかかることがある

減価償却があるため、アパートを購入価格より安く売却した場合でも、税金がかかることがあります。

たとえば、購入価格が8,000万円、売却価格が7,000万円だったとします。

単純に比較すると、購入価格より1,000万円安く売っているため、利益は出ていないように見えます。

しかし、減価償却によって売却時の取得費が5,000万円まで下がっており、仲介手数料などの譲渡費用が300万円だった場合、譲渡所得は次のようになります。

7,000万円-5,000万円-300万円=1,700万円


このケースでは、購入価格より安く売却しているにもかかわらず、税務上は1,700万円の譲渡所得が発生します。

アパート売却時の税金を計算するときは、購入価格そのものではなく、減価償却後の取得費を確認することが重要です。


土地と建物の価格を分けて確認する

一棟アパートの売買では、土地と建物を一括して購入・売却するケースが一般的です。

土地は減価償却しませんが、建物は減価償却するため、購入時における土地と建物の価格配分は、所有期間中の減価償却費や売却時の取得費に影響します。

また、売却時の土地・建物の価格配分は、課税事業者が納める消費税にも影響します。土地の譲渡は非課税ですが、建物部分の譲渡は課税対象になるためです。

売買契約書に土地と建物の価格が記載されていない場合は、固定資産税評価額などを用いて合理的に按分する方法があります。

売主や買主にとって都合のよい割合を任意に設定するのではなく、客観的な資料に基づいて価格を分けることが大切です。


4.取得費が分からない場合はどうする?

相続したアパートや、購入から長い年月が経過したアパートでは、購入時の売買契約書や領収書が残っておらず、取得費が分からないことがあります。

取得費が分からない場合は、売却価格の5%を「概算取得費」として計算できます。

アパートを8,000万円で売却し、取得費が分からない場合は、8,000万円の5%にあたる400万円を取得費とすることが可能です。


実際の取得費が売却価格の5%を下回る場合にも、売却価格の5%を取得費として使うことができます。

ただし、概算取得費を使うと、実際に支払った購入価格より取得費が大幅に少なくなる可能性があります。

売却価格8,000万円に対して取得費が400万円しか認められなければ、譲渡所得が大きくなり、税負担も増えてしまいます。

そのため、購入時の売買契約書が見つからないからといって、すぐに概算取得費を使うのではなく、次のような資料が残っていないか確認しましょう。

・建築請負契約書

・購入時の重要事項説明書

・仲介手数料などの領収書

・アパートローンの契約書

・ローンの返済予定表

・購入代金を支払った通帳の記録

・登記関係書類

・過去の確定申告書

・青色申告決算書や収支内訳書

・購入時のパンフレットや価格表

資料が一部しか残っていない場合でも、客観的な資料を組み合わせることで、実際の取得費を合理的に証明できる可能性があります。

取得費が不明な場合は、概算取得費を使用する前に税理士へ相談することをおすすめします。


5.所有期間によって譲渡所得税の税率が変わる

個人がアパートを売却した場合の譲渡所得は、所有期間によって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分けられます。

一般的な賃貸用アパートの場合、特例を適用しないときの税率は、原則として次のようになります。


長期譲渡所得の税率

売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている場合は、長期譲渡所得になります。

税率は次のとおりです。

所得税:15%

復興特別所得税:所得税額の2.1%

住民税:5%

所得税、復興特別所得税、住民税を合計した実質的な税率は、20.315%です。


短期譲渡所得の税率

売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得になります。

税率は次のとおりです。

所得税:30%

復興特別所得税:所得税額の2.1%

住民税:9%

合計した実質的な税率は39.63%となり、長期譲渡所得の税率と比べると、およそ2倍になります。


所有期間は売却日ではなく売却年の1月1日で判定する

所有期間の判定で注意したいのは、実際の売却日時点ではなく、売却した年の1月1日時点で判定することです。

たとえば、2021年4月1日に購入したアパートを2026年5月1日に売却するとします。

購入から売却までは5年を超えていますが、2026年1月1日時点では所有期間が5年以下であるため、短期譲渡所得に該当します。

同じアパートを2027年に売却すれば、2027年1月1日時点で所有期間が5年を超えているため、長期譲渡所得になります。

売却する時期が数か月違うだけで税率が大きく変わる可能性があるため、取得日と売却予定日を事前に確認しておきましょう。


相続したアパートは被相続人の取得時期を引き継ぐ

相続によって取得したアパートは、相続した日から所有期間を数えるわけではありません。

原則として、亡くなった人である被相続人がアパートを取得した時期を引き継ぎます。

たとえば、親が20年前に購入したアパートを相続し、相続から1年後に売却した場合でも、原則として親が所有していた期間を含めて長期・短期を判定します。

取得費についても、相続時の固定資産税評価額や相続税評価額をそのまま使用するわけではありません。

原則として、被相続人が購入したときの購入代金や購入手数料などを引き継ぎ、建物については売却までの減価償却を反映して取得費を計算します。


6.アパート売却時の譲渡所得税をシミュレーション

ここでは、同じ条件のアパートを売却した場合に、長期譲渡所得と短期譲渡所得で税額がどの程度変わるのかを計算します。

計算条件は次のとおりです。

売却価格:8,000万円

減価償却後の取得費:5,000万円

仲介手数料などの譲渡費用:300万円

特別控除:なし


まず、課税対象となる譲渡所得を計算します。

8,000万円-5,000万円-300万円=2,700万円

課税譲渡所得は2,700万円です。


長期譲渡所得の場合

長期譲渡所得の実質的な税率20.315%を使って計算します。

2,700万円×20.315%=548万5,050円

税額は約549万円です。

内訳は次のとおりです。

所得税:2,700万円×15%=405万円

復興特別所得税:405万円×2.1%=8万5,050円

住民税:2,700万円×5%=135万円


短期譲渡所得の場合

短期譲渡所得の実質的な税率39.63%を使って計算します。

2,700万円×39.63%=1,070万100円

税額は約1,070万円です。

内訳は次のとおりです。

所得税:2,700万円×30%=810万円

復興特別所得税:810万円×2.1%=17万100円

住民税:2,700万円×9%=243万円


同じ売却価格、取得費、譲渡費用であっても、所有期間によって税額に約521万円の差が生じます。

実際の税額は、土地と建物の価格、減価償却費、取得費に含められる費用、特例の適用状況などによって異なります。

売却価格だけを見て判断せず、売却前に個別の税額を試算することが大切です。


7.アパート売却で利用できる可能性がある特例

土地や建物の売却には、譲渡所得を減らせるさまざまな特例があります。

ただし、一般的な賃貸アパートでは、マイホームの売却に使われる特例をそのまま利用できないことがあります。


ー賃貸アパートは原則として3,000万円特別控除の対象外

自宅を売却した場合、一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

しかし、この特例は自分が居住していたマイホームを対象とする制度です。投資用・賃貸用として所有しているアパートには、原則として適用できません。

オーナー自身がアパートの一部に居住している賃貸併用住宅では、一定の要件を満たす居住部分について、3,000万円特別控除を利用できる可能性があります。

ただし、原則として賃貸部分を含む建物全体に適用できるわけではありません。


ー相続税の取得費加算の特例

相続や遺贈によって取得したアパートを一定期間内に売却した場合は、支払った相続税の一部を取得費に加算できる可能性があります。

取得費が増えれば課税譲渡所得が小さくなるため、結果として譲渡所得税を抑えられます。

主な要件は次のとおりです。

・相続または遺贈によって財産を取得している

・その財産を取得した人に相続税が課されている

・一定の期限までに財産を売却している


売却期限は、相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。

この特例を利用するためには、必要書類を添付して確定申告をする必要があります。

相続したアパートの売却を検討している場合は、期限を過ぎる前に税理士へ相談しましょう。


8.アパート売却時の税金で注意したいポイント

アパート売却時の税金は、売却価格と購入価格を単純に比較するだけでは正確に計算できません。

特に、次の点には注意が必要です。


ローン残債は譲渡所得から差し引けない

アパートローンが残っていたとしても、ローン残債そのものを取得費や譲渡費用として差し引くことはできません。

譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用などを差し引いて計算します。ローン残債は、この取得費や譲渡費用には該当しないためです。

そのため、売却代金の多くをローン返済に充て、手元に大きな利益が残らなかったとしても、税務上の譲渡所得が出ていれば税金が発生します。

売却前には、税金だけでなく、次の式で実際の手取り額を確認しましょう。

売却後の手取り額=売却価格-ローン残債-売却諸費用-税金


固定資産税等の精算金も売却収入に含まれる

不動産売買では、売却した年の固定資産税や都市計画税を、引渡日を基準に売主と買主で日割り精算することがあります。

買主から受け取った固定資産税・都市計画税の精算金は、税金の返金ではありません。

譲渡所得の計算上は、売却代金の一部として収入金額に含める必要があります。

そのため、売買契約書に記載された物件価格だけでなく、固定資産税等の精算金を含めて収入金額を計算します。


売却損を給与所得や不動産所得と相殺できるとは限らない

アパートを売却して譲渡損失が発生した場合、その損失は、同じ年に売却したほかの土地や建物の譲渡所得から差し引けることがあります。

一方、それでも控除しきれなかった損失を、給与所得やアパート経営による不動産所得、事業所得などと損益通算することは原則としてできません。

一定の居住用財産には例外となる特例がありますが、一般的な投資用・賃貸用アパートは対象にならない可能性が高いため注意しましょう。


売却時期によって税率が大きく変わることがある

長期譲渡所得と短期譲渡所得では、税率が大きく異なります。

所有期間が5年前後の場合、年内に売るか翌年に売るかによって、税率区分が変わる可能性があります。

ただし、税金だけを理由に売却を先延ばしにすると、その間に空室が増えたり、修繕費が発生したり、市場価格が下がったりする可能性もあります。

税率だけではなく、家賃収入、入居率、修繕予定、ローン返済額、市場動向などを含めて総合的に判断することが重要です。


法人名義のアパートは税金の計算方法が異なる

法人が所有するアパートを売却した場合、個人のように長期譲渡所得と短期譲渡所得に分けて税率を計算するわけではありません。

売却益や売却損は、原則として法人のほかの収益や費用と合わせて法人所得を計算します。

そのため、本記事で紹介した20.315%や39.63%という税率を、法人名義のアパートにそのまま当てはめることはできません。


9.アパート売却後は確定申告が必要

アパートを売却して譲渡所得が発生した場合は、原則として確定申告が必要です。

確定申告の期間は、アパートを売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。期限日が土曜日、日曜日、祝日などに当たる場合は、翌開庁日が期限になります。

確定申告では、通常の確定申告書に加えて、申告書第三表や「譲渡所得の内訳書」などを作成します。

申告に備えて、次のような書類を保管しておきましょう。

・売却時の売買契約書

・購入時の売買契約書

・建築請負契約書

・購入時・売却時の仲介手数料の領収書

・売買契約書に貼った印紙の記録

・測量費や解体費などの領収書

・登記事項証明書

・過去の確定申告書

・青色申告決算書や収支内訳書

・特例の適用に必要な書類


土地や建物の譲渡所得を申告する場合は、所得税及び復興特別所得税の確定申告書、申告書第三表、譲渡所得の内訳書などを併せて提出します。

特例を利用する場合は、譲渡所得が少なくなったり、税額が発生しなかったりする場合でも、確定申告が適用要件になっていることがあります。

売却代金をすべてローン返済や次の物件購入に使ってしまうと、後から納税資金が不足する可能性があります。売却時点で概算税額を確認し、納税に必要な資金を確保しておきましょう。


10.まとめ

アパートを売却して利益が生じた場合は、所得税、復興特別所得税、住民税が課税されます。

ただし、売却代金のすべてに税金がかかるわけではありません。課税対象となる譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用、適用できる特別控除額を差し引いて計算します。

注意したいのが、賃貸アパートの建物部分における減価償却です。取得費を計算する際には、所有期間中の減価償却費相当額を購入時の建物価格から差し引く必要があります。

このため、購入時よりも低い価格で売却した場合でも、税務上は譲渡所得が発生し、税金がかかるケースがあります。

また、一般的な賃貸用アパートの売却では、売却した年の1月1日時点における所有期間によって、譲渡所得に対する税率が原則として20.315%または39.63%に分かれます。

「今売却した場合、手元にいくら残るのか」「売却せずに保有を続けた方がよいのか」を判断するためにも、まずは現在の査定価格を確認することが大切です。

そのうえで、売却にかかる諸費用や税金を整理し、必要に応じて税理士などの専門家に相談しながら、無理のない売却計画を立てましょう。


※本記事は、2026年7月時点で確認できる公表情報を基に、一般的な税金の仕組みを解説したものです。

実際の税額や特例の適用可否は、物件の所有状況、取得経緯、過去の申告内容などによって異なります。具体的な税務上の判断については、税務署または税理士へご確認ください。


参考:





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