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2024.10.04お役立ち情報
2022.08.19
満室の窓口
他の国と比べても耐震基準が厳しい地震大国の日本。
これまでに何度となく耐震基準が改正されていますが、現在の耐震基準は、従前の耐震基準とどのような違いがあるのでしょうか。
今回のコラムでは、旧耐震基準と新耐震基準の違いや改正された背景、改正点などを解説していきます。
耐震基準とは、建築基準法によって新たな建物を建築するときに基準となる耐震性能を定めたものです。
この耐震基準は、地震の揺れによって建物が倒壊や崩壊せずに堪えることができる性能など、日本の耐震における最低限度を規定しているもので、この基準を満たしていないと建築確認の認可が下りません。
日本で初めて建築に関する法律ができたのは、1919年に制定された「市街地建築物法」でした。
その後、関東大震災を経て1924年の改正で耐震基準が新たに加わりましたが、同法は1950年に廃止。
新たに「建築基準法」が制定されることとなりました。
今日では、1950年に制定された建築基準法を「旧耐震基準」、1981年に制定された基準を「新耐震基準」として運用されています。
旧耐震基準は、当時としては未曽有の大災害であった関東大震災の経験を踏まえて策定されたもので、1950年から1981年5月まで約30年の長きにわたり運用されました。
旧耐震基準は、10年に一度発生すると考えられていた震度5強程度の中規模地震動に対して家屋が倒壊・崩壊しないというもので、この基準を満たしていないと建築確認の認可が下りませんでした。
1981年6月の建築基準法の改正により新しい耐震基準が定められました。
この新耐震基準は、1978年(昭和53年)に発生した宮城県沖地震がきっかけとなり、改正・適用されることとなりました。
同地震は、最大震度5(マグニチュード7.4)で死者27名、負傷者10,962名、建物全壊1,377棟、半壊6,123棟、一部破損125,470棟と大きな被害を出しました。
この震災を教訓に、
「震度5強程度の中規模地震動で家屋がほとんど損傷しない」
「震度6強~7程度の大規模振動で、家屋が倒壊・崩壊しない(多少の損傷は許容)」
と規定されるようになったのです。
旧耐震基準と新耐震基準には、どのような違いがあるのでしょうか?
新旧の耐震基準ともに、地震の震度によって建物が倒壊・崩壊しないように定められています。
中でも新耐震基準は、建物の安全性を証明する許容応力計算と地震によって起こる水平力にどれくらい耐えられるかを計算する保有水平耐力計算によって、決められた基準をクリアする必要があります。
ただし、どちらも広さや高さなどによって対象となる建築物は決まっています。
また、中古住宅をフラット35のローンを組んで購入する場合は、新耐震基準をクリアしていなければならないため、住宅の確認申請承認日が1981年6月1日以降である必要があります。
確認申請承認日がわからない場合は、住宅の表示登記が1983年4月1日以降のものとなるので確認が必要です。
旧耐震基準では、フラット35を使ってローンを組むことはできません。
しかし、一級建築士に認定してもらった耐震基準適合証明書を取得すれば、フラット35を利用できる可能性もあります。
他にも、新耐震基準をクリアしている築20年以内の木造戸建て住宅などの非耐火建築物もしくは築25年以内の鉄筋コンクリート造マンションなどの耐火建築物であれば、所得税や住民税を10年間にわたり控除してもらえる制度もあります。
旧耐震基準と新耐震基準は、ローンや減税などに大きな違いがあります。
1995年に発生した阪神淡路大震災によって、2000年6月に建築基準法の改正が行われ、より厳しい耐震基準が制定されました。
これが「2000年基準」「新・新耐震基準」と呼ばれるものです。
2000年基準は、建物を建てる前の「地盤調査の規定を充実」「地盤調査に基づく地耐力に応じた基礎構造の選択」や
「建物の耐震壁をバランス良く設置する」「柱と土台などの結合部分に筋交い金物、接合金物を使用する規定」
などが設けられ、耐震性を強化するものとなりました。
中古物件を購入するときは、旧耐震基準と新耐震基準のどちらが適用されているのかを確認する必要があります。
ここでは、その確認方法について解説します。
まず、建物の確認申請承認日を確認しましょう。
この日付が1981年(昭和56年)5月31日までであれば旧耐震基準の建造物となります。
新耐震基準の建物は、1981年(昭和56年)6月1日以降に確認申請が承認されたものとなります。
例えば、1990年1月に竣工したマンションであっても、確認申請承認日が1981年5月31日以前であれば、旧耐震基準のマンションになりますので注意が必要です。
新旧耐震基準の判断は、竣工日や表示登記日ではなく、確認申請承認日が基準になることを覚えておきましょう。
地震大国の日本で、建物の耐震基準が諸外国よりも厳しいものになることはある意味自然なことと言えるでしょう。
不動産投資を行うときは、ローンの組み方や税金に大きな違いが出てきますので、事前に新旧どちらの耐震基準が適用されているかの確認を怠らないようにしましょう。
(画像は写真ACより)
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