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2025.03.26

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不動産の重要事項説明書における「災害対策基本法」とは?重要性と確認ポイントを徹底解説

不動産取引において欠かせない「重要事項説明書」。

その中でも近年注目されているのが「災害対策基本法」に基づく説明項目です。

自然災害のリスクが高まる中、物件購入や賃貸を検討する際、このポイントを見落とすと大きな損失につながる可能性も。

本記事では「災害対策基本法」とは何か、不動産オーナーや購入検討者が注意すべき点についても詳しく解説します。



<目次>
1.重要事項説明書における「災害対策基本法」とは?
2.なぜ不動産オーナーはこの項目を確認すべきなの
3.指定区域に該当する場合のリスクと対応策
4.今後の物件取得・管理に活かすためのポイント
5.まとめ


1.重要事項説明書における「災害対策基本法」とは?

不動産取引において欠かせない「重要事項説明書」には、物件の概要だけでなく、災害に関するリスク情報も詳しく記載されています。

その根拠となる法律のひとつが、「災害対策基本法」です。

災害対策基本法とは、日本における防災対策の基本的な枠組みを定めた法律で、1961年に制定されました。

大規模な地震、台風、豪雨、津波など、さまざまな自然災害から国民の生命・財産を守ることを目的としています。

この法律では、国や自治体だけでなく、事業者や住民にもそれぞれの役割が明確に定められています。

具体的には、防災計画の策定、避難体制の整備、災害時の情報提供などが挙げられます。

重要事項説明書の中では、この災害対策基本法に基づき、「土砂災害警戒区域」や「津波災害警戒区域」など、災害リスクがある地域かどうかを明確に示すことが義務付けられています。

これにより、物件がどのような災害リスクのある場所に位置しているのかを、買主や借主が事前に把握できるようになっています。

特に近年では、異常気象や地震活動の活発化などを背景に、防災意識が高まっており、購入者や借主にとっても非常に重要なチェックポイントとなっています。このように、重要事項説明書における災害リスクの提示は、安心・安全な住まい選びをサポートする大切な情報源なのです。


2.なぜ不動産オーナーはこの項目を確認すべきなの

不動産オーナーにとって、重要事項説明書に記載されている「災害リスク」に関する情報は、物件価値や将来の運用に大きく関わる重要なポイントです。

まず、物件が土砂災害警戒区域や津波災害警戒区域など、災害リスクの高い地域に位置している場合、そのリスクは地価や賃貸需要に直接影響を及ぼす可能性があります。

たとえば、同じ条件の物件であっても、安全性への不安が高い地域では敬遠されやすく、入居者が集まりにくかったり、資産価値が下がったりするケースも少なくありません。

また、保有物件の将来的な売却を検討している場合でも、買主は必ずこうしたリスク情報をチェックします。

そのため、オーナー自身が事前にリスクを正確に把握し、適切な対策を講じることが、物件価値の維持・向上につながります。

さらに、災害リスクの有無は損害保険や火災保険の加入条件・保険料にも影響を与えます。

リスクの高い地域では、保険料が高く設定されたり、特定の補償内容が制限されたりする場合があります。

事前にこうした条件を把握しておくことで、必要な保険の選定や、万が一の備えを確実に行うことができます。


購入後や賃貸契約締結後に「知らなかった」という理由で災害リスクの説明不足が問題となることもあります。

オーナー自身がきちんと把握し、入居者への説明や対策を講じておくことで、契約後のトラブルを未然に防ぐことができます。

近年は住民の防災意識も高まっており、災害時の避難場所やハザードマップに関する問い合わせを受けることも少なくありません。

そうした場面でも、オーナーがしっかりと物件周辺の災害リスク情報を把握していることは、信頼される管理・運営に欠かせないポイントと言えるでしょう。


3.指定区域に該当する場合のリスクと対応策

物件が災害リスクの高い「指定区域」に該当する場合、不動産オーナーにとって無視できないリスクが存在します。

ここでは、具体的な区域の種類と、それに伴うリスク、そしてオーナーとして講じておくべき対応策を詳しく解説します。


【指定区域の種類

不動産取引の際に確認が必要な「指定区域」は、主に以下の4つに分類されます。

・土砂災害警戒区域(イエローゾーン/レッドゾーン)

急傾斜地などに指定され、土砂崩れや土石流の危険性があるエリアです。

特に「特別警戒区域(レッドゾーン)」では建築規制が厳しく、一定の安全基準を満たさないと新築や増改築が制限されることがあります。 

・津波災害警戒区域

海岸に近い地域で、津波による浸水や流失リスクが高いとされるエリア。

津波避難計画の策定や、建物の耐津波性が求められることもあります。 

・洪水浸水想定区域

河川の氾濫によって浸水が予想される地域で、浸水深や浸水継続時間が定められています。 

・高潮浸水想定区域

台風や異常気象による高潮で浸水が予想される地域。

特に海抜の低い沿岸部が該当します。


【指定区域物件のリスク

こうした区域に該当する物件には、以下のようなリスクが伴います。 

・物件の浸水被害・倒壊リスク

台風や大雨、地震による土砂崩れ、津波、高潮といった自然災害によって、物件が浸水したり、最悪の場合は倒壊するリスクがあります。 

・売却時・賃貸時の資産価値低下

災害リスクのある地域にある物件は、買主や借主から敬遠されやすく、結果的に地価の下落や賃料設定に影響が出る可能性があります。

また、指定区域内であることが明記されているため、リスクを理由に交渉が難航する場合もあります。 

・建築制限や再建築不可の可能性 

特にレッドゾーンなどの区域に指定されている場合、安全性確保のための建築基準が厳しくなっていることがあります。

そのため、既存建物が損壊した際に再建築ができない、もしくは費用負担が大きくなるといった事態も起こり得ます。 


【対応策】

では、こうしたリスクをどのように対策しておくべきなのでしょうか。

具体的な対応策は以下の通りです。 

・地方自治体のハザードマップ確認

まずは物件所在地がどのような災害リスクに晒されているのか、各自治体が公開している「ハザードマップ」で確認しましょう。

最新の情報を把握することで、リスクの程度や避難経路を明確にすることができます。

・保険の見直し(地震保険・水災補償) 

指定区域内の物件は、通常の火災保険だけでなく、地震保険や水災補償を付帯しておくことが重要です。

保険料は高くなる場合がありますが、万が一の災害時に備え、適切な補償内容を確保しておくことで、被害後の負担を軽減できます。 

・耐災害リフォームの実施

浸水対策としての防水工事や、土砂災害対策としての擁壁補強、耐震補強工事など、物件の安全性を高めるためのリフォームも有効です。

近年では、自治体によっては防災リフォームに対する助成制度を設けている場合もあります。 

購入前の行政への確認・相談 特に新たに物件を購入する場合は、事前に市区町村の窓口で指定区域に関する詳細情報や、建築に関する制限事項を確認しておくことが欠かせません。

後から「想定外」の制限やリスクが発覚し、計画通りの活用ができなくなる事態を防げます。


指定区域内に位置する物件は確かにリスクを抱えていますが、正しく情報を把握し、事前に対策を講じることでリスクは最小限に抑えられます。

不動産オーナーとして、資産価値の保全と住民の安全を両立するために、ぜひこうした対応策を検討しておくことをおすすめします。


4.今後の物件取得・管理に活かすためのポイント

災害リスクに関する情報は、不動産購入時だけでなく、その後の物件管理や運営においても非常に重要です。

正確な情報を取得し、的確な対応を取ることで、資産価値の維持はもちろん、入居者からの信頼確保にもつながります。

ここでは、物件取得前の確認ポイントと、管理運営での活用方法を整理します。

 

【購入前にすべきこと】

物件取得を検討する際は、将来的なリスクを見据えた慎重な確認が求められます。 

まずは重要事項説明書の中で、物件が「土砂災害警戒区域」や「津波災害警戒区域」などの指定区域に該当していないか、細かくチェックしましょう。

浸水想定や災害履歴が記載されている場合もありますので、見落とさず確認することが大切です。 

また、重要事項説明書の情報だけでなく、自治体が公表している最新のハザードマップや防災計画も確認しましょう。

場合によっては、物件取得後に新たに区域指定が追加されることもあるため、過去の災害履歴や防災指定の更新状況など、行政の動向にも注目することが必要です。 


災害リスクが高いエリアでも、将来的にインフラ整備や防災対策の強化が予定されている場合は、リスク低減の可能性があります。

堤防の増強や避難所の新設など、行政による対策が計画されていれば、購入判断の参考材料となります。

市区町村の都市計画や地域防災計画を事前に確認し、長期的な視点で物件の将来性を見極めましょう。 


【管理運営での活用】

物件を取得した後も、災害リスク情報を管理・運営に活かしていくことが大切です。 

入居者の安全を確保するためには、物件がどのような災害リスクにさらされているのかを周知することが欠かせません。

ハザードマップや避難場所、過去の災害履歴などをまとめた案内を作成し、入居時に配布・説明することで、入居者の安心感と信頼を得られます。 

災害時の避難計画やマニュアルの整備 万が一の災害発生時に備え、避難経路や避難場所を明記したマニュアルを準備しておくことが重要です。

特に集合住宅の場合、共用部分の安全確保や緊急時の連絡体制の整備も求められます。

定期的な見直しや、必要に応じて避難訓練を行うことで、より実効性の高い対策となります。

近年、賃貸契約においても「災害リスクの説明責任」が問われるようになってきています。

契約書や重要事項説明書で、物件が指定区域内にある場合は明確に記載し、トラブル防止に努めましょう。

入居者からの問い合わせにも即座に対応できるよう、管理会社やオーナー自身がしっかりとリスク内容を把握しておくことが求められます。


5.まとめ

不動産取引において、「重要事項説明書」に記載されている災害対策基本法に基づく指定区域は、単なる法律上の記載事項ではありません。

物件そのものの安全性、そして資産価値に直結する重要な情報です。 

特に、土砂災害警戒区域や津波災害警戒区域に該当する物件を知らずに購入・運用してしまうと、後々思わぬリスクやトラブルにつながる可能性があります。 

災害リスクは避けることはできませんが、「事前の確認」と「適切な対応」によって、被害やトラブルを最小限に抑えることは可能です。

重要事項説明書の内容を正しく読み解き、安全で安心な不動産経営を目指しましょう。



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