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不動産の重要事項説明書における「災害対策基本法」とは?重要性と確認ポイントを徹底解説
不動産取引において欠かせない「重要事項説明書」。 中でも近年注目されているのが「災害対策基本法」に基づく説明項目です。 今回は「災害対策基本法」とは何か、不動産オーナーや購入検討者が注意すべき点についても詳しく解説します。
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2024.12.11
満室の窓口
日本では建築物の老朽化とアスベスト問題に対応し、2023年に大気汚染防止法が改正されました。
この改正は、建物の改修や解体に携わる事業者に新たな義務を課し、賃貸物件管理にも影響しています。
本記事では、アスベストの基本と改正法の内容を解説し、賃貸管理業務への影響を探ります。
出典:西日本アスベスト調査センター
アスベストは、石綿鉱石から採掘される繊維状のケイ酸鉱物で、「せきめん」や「いしわた」とも称されています。
この物質は耐熱性や耐火性に優れているため、昭和30年代から断熱材や建築材料として広く利用されてきました。
しかし、アスベスト繊維が非常に細かく(髪の毛の5000分の1の太さ)、肺に吸い込まれると排出されにくいため、慢性的な呼吸器疾患や肺がん、石綿肺などのリスクを高め、健康上の重大なリスクをもたらします。
このため、解体や改修工事を行う際には、建材のアスベスト含有の有無を調査し、含有が確認された場合は法律に基づき適切な対策を講じることが義務付けられているのです。
アスベストに関連する法律は、主に労働安全衛生法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、建築基準法などで規制されています。
これらの法律は、アスベストの安全な取り扱いや適切な処理方法を定めています。
労働安全衛生法
労働安全衛生法は、アスベスト作業に従事する労働者の健康保護を目的とした法律です。
この法律により、アスベストを含む建材の取り扱いや撤去時には、防護具の着用、作業環境の適切な管理、従業員の健康診断の実施が義務付けられています。
さらに、アスベストによる健康被害が疑われる場合、労働者はこれを職業病として報告する権利を持ち、事業主には適切な対策を講じる義務があります。
労働安全衛生法は、作業場でのアスベスト曝露リスクを最小限に抑え、労働環境の安全と労働者の健康を保護することを目指しています。
廃棄物処理法
廃棄物処理法は、環境保護と公衆衛生のため、廃棄物の適正処理を定めた法律です。
特にアスベスト含有廃棄物に対しては、梱包、ラベリング、輸送、処分に関する厳格な基準が設けられており、事業者はこれらの基準に基づいて適切に処理することが義務付けられています。
この措置は、アスベストの飛散を防ぎ、環境と人々の健康を守るために重要です。
大気汚染防止法
大気汚染防止法は、大気中の有害物質を抑制し、人々の健康と環境を守ることを目的とした法律です。
粉塵や有害な物質を含むアスベストも規制対象となっており、近年の法改正では、アスベスト事前調査の法定化や報告の義務化、さらに調査を行う者に資格要件が設けられるなど、規制が強化されています。
賃貸管理会社においても、物件の改修や解体に伴い、アスベスト調査の実施や適切な対応が必要とされる場合があるため、深く関係する法律となります。
大気汚染防止法の改正により、アスベスト(石綿)に関する規制が強化されました。
主な改正点は以下のとおりです。
アスベストの有無にかかわらず、すべての建物の解体や改修工事に先立って行う必要のある事前調査の規定が新たに設けられました。
建築物内のアスベストを含む可能性のある建材の有無を確認するため、専門的な知識を有する「建築物石綿含有建材調査者」などの資格を持った専門家による調査が必須とされています。
この措置は、工事関係者だけでなく、建物の利用者や周辺地域の住民の健康を守るためのものです。
建物の解体や大規模な改修に関する規定も強化されました。
具体的には、解体工事が行われる場所の床面積が80平方メートル以上、または改修工事の請負費用が100万円(税込み)以上の場合、実施されたアスベスト調査の詳細を電子報告書として提出することが義務づけられました。
報告書には、調査された建材のアスベスト含有状況などの詳細な情報が含まれることになり、これによって透明性が高まり、安全管理の徹底が図られます。
アスベストが検出された場合に実施される除去や封じ込め工事の範囲が拡大され、これまで規制の範囲外であった建材についても安全措置が講じられることになります。
建物の使用者や改修作業を行う労働者、さらには周辺環境への保護が強化されることが期待されます。
以前はアスベストの飛散リスクが比較的低いとされていた屋根材や内装材などの建材も、新たに規制の対象に加えられました。
微量のアスベストでも健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、より厳格な管理が求められているからです。
築古物件のフルリノベーションには、新たな課題が増えています。
特にアスベストが検出された場合、その除去や封じ込め工事に多額の追加費用が発生する可能性があり、これがオーナー様にとって採算の壁となるケースが増えています。
そのため、アスベストのリスクがある物件では、大規模な改修は避け、カバー工法を活用して最小限の原状回復にとどめる選択をすることが一般的になっています。
例えば、床や壁を剥がさずに上から新しい素材を貼る方法を採用したり、エアコンの設置でも配管穴を開ける必要のない据え置き型エアコンを提案したりと、コストを抑えた対応が求められています。
さらに、空室が出るたびに行うリフォームにも、新たにアスベストの事前調査費用が加わることになり、場合によってはその除去費用も必要となるため、従来のリフォーム費用よりも大幅にコストが上がる可能性があります。
このような追加コストがかかる一方で、家賃を大幅に引き上げるのは難しいため、収支が厳しくなり、賃貸経営への影響は避けられません。
築古物件を購入し、フルリノベして家賃を高く設定するというこれまでのスキームは、現在の環境下では以前ほど実現が難しくなってきています。
アスベストはかつて広く使用された建材で、その健康へのリスクが明らかになりつつあります。
このため、アスベストに関連する法律は建物の解体や改修が行われる際の安全を確保するために、常に更新されています。
アスベスト法の改正は、賃貸管理にも大きな影響を与えています。
物件の改修やメンテナンス計画を立てる際には、これらの新しい規制を考慮に入れる必要があり、安全対策の強化が求められています。
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