不動産投資
賃貸併用住宅のメリットとデメリット
本記事では、賃貸併用住宅のメリット・デメリットを整理し、後悔しないためのポイントを解説します。 賃貸併用住宅に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
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2018.05.30
満室の窓口
その選択で本当にOK?似ているようで全く違う競売と任意売却
せっかく手に入れた資産である不動産も、何らかの事情により資金繰りが悪化、当初の予定通りに住宅ローンの返済が行えなくなると、処分を考えなければならなくなります。ローンの滞納が発生している段階から、生活再建を図る方法として一般に考えられる方法は「競売」と「任意売却」の2つです。
もちろんローンを一括弁済する方法もありますが、支払いが滞る事態に陥っている状況を考えれば、現実的な選択肢とはいえないでしょう。よって結果的に競売と任意売却の二者択一を迫られることになり、いずれにしても不動産を失って、その売却代金を債権者へと配当するかたちの解決を図るものとなるのです。
しかし、一見すると似たように思えるこの競売と任意売却ですが、実は全く違うものであって、それぞれにメリット・デメリットが存在しています。そのため置かれている状況によって、どちらを選択することが最善か、答えは異なってくるのです。いざというとき、よりベストな解決策を選択できるよう、正しい知識を身につけておくことが欠かせません。ぜひこの機会に「競売」と「任意売却」の違いを整理・理解しておきましょう。
競売とは何か?
競売とは、住宅ローンの返済が行えなくなったときなどに、担保となっている土地や建物などの不動産資産を、裁判所を通じて優先的に売却、得られた代金からローンの残額回収を図る手続きをいいます。担保権(抵当権)を有する債権者の申立てを受け、裁判所が強制的に売却するという点が最大の特徴で、債権者・債務者といった当事者らの意思に関係なく手続きが進んでいくものとなっています。
手続きは、民事執行法で具体的に定められており、それにしたがって進められていきます。大まかな流れとしては、債権者による申立ての後、対象となる不動産の評価を決定、公開入札で参加した買受申出人の中から最高額を提示した人が落札となり、その人へ不動産の権利が移転されるといったかたちになるでしょう。
なお、ここでは不動産に担保権が設定されており、その債権者が権利を行使する担保不動産競売のことを指して説明していますが、競売には借金などの金銭債権をもつ債権者が用いる強制競売もあります。強制競売も基本的な流れは同じですが、金銭債権を有する者であることを証明する債務名義の正本を、申立て時に裁判所へあわせて提出し、確認の上で手続きが開始されること、配分時に他の無担保債権者とともに配当されるかたちとなり、優先的な回収は行えないことなどに違いがあります。
話を本題に戻し、競売(担保不動産競売)についてみていくと、裁判所が全体を取り仕切るため、債務者・債権者とも手間がかからない点や、明け渡し命令までは対象となる不動産に住み続けることができる点、その分、仮住まいの間の家賃が発生しない点などにメリットがあると考えられます。
しかし競売も無償で行われるものではありません。登録免許税や裁判所の予納金などが必要となります。また明け渡し命令が出され、所有権が移転すると、該当不動産に居住することが不法占拠にあたるものとなるため引っ越し日などを選ぶことはできず、費用も立退料などが得られるケースがまずないので、自ら出さなければならないといった問題があります。
さらに最大のデメリットとして、競売の場合不動産売却の価格が市場相場価格より安い70%前後で落札、決定となる例が大半であることから、手続き後も多額の残債を抱える債務者が少なくない点が挙げられます。残債については一括返済を求められるため、より生活が苦しくなることも考えられるでしょう。
競売という入札の仕組み上、新聞や住宅情報誌、インターネット上に物件情報が資料として公開されることから、知人や職場、近隣居住者に知られてしまうというプライバシー面の問題もあります。経済的ダメージだけでなく、精神的なダメージも被ることは、当事者にとって生活再建をさらに困難にする可能性があり、デメリットとして考慮しておくべきです。
任意売却とは?競売とどう違う?
こうした競売に対し、「任意売却」は債権者の同意を得て、一般市場での不動産処分でローン残額の回収を図ります。裁判所の介入はなく、“任意”の言葉が示すように、債務者自らの判断で取引を進められる点に大きなポイントがあります。
期間や売却方法など、取引手続きの詳細も交渉によって決定するもので、競売のように強制的に決められることはありません。この自由度が競売と大幅に異なる点ということもできるでしょう。債権者と債務者の交渉・調整は、一般に専門の不動産コンサルタントなどの業者が間に入って行います。
任意売却の場合、一般市場での不動産売却となることから、競売よりもより市場相場価格に近い、高額で処分できる可能性が高まるメリットがあります。その分残債も多く減らせ、負担が軽くなりやすいでしょう。手続き後の残債返済についても、交渉により分割払いや減額に対応してもらえる可能性があります。
任意売却にかかる費用ももちろん、業者への仲介手数料や抵当権の抹消費用などがありますが、これらは債権者が受け取る売買代金の中から捻出されるため、債務者の持ち出しにはなりません。
対象となる不動産が現居住の住宅で、引っ越しが必要になる場合も、負担を最小限に抑えられる可能性が高いメリットがあります。というのも、経済的に苦しい中で新たな居住先となる物件を探すことが困難であったり、時間を要したりすることは十分に考えられ、任意売却決済時までに物件引き渡しが行えないという事態が発生する可能性があります。
そこで債権者や買主が事情を考慮し、手続きをできるだけスムーズに進められるよう、引っ越し代を拠出したり、引っ越しや引き渡しの期日を調整したりと、柔軟に対応するケースが多くなっているのです。
売却の募集や取引そのものは一般不動産と同様に行われますから、競売のようなプライバシーの問題も生じません。このようにあらゆる点での負担を最小限に抑え、現実的な手段で処理できる任意売却は多くのメリットを有しているといえるでしょう。
もちろん任意売却にもデメリットはあります。あくまでも債権者の同意が前提ですから、複数の債権者があれば全員の同意を取らなければなりません。後順位で担保権を設定している債権者の場合、配分がなくなる可能性もあるなど、メリットのなさから同意が得られないことも考えられます。
同意を得た上で、担保権を全て外し、権利関係をきれいな状態にしてはじめて不動産売買のステージへと移行できる仕組みですから、債権者との交渉が不調に終わり、1人でも同意しないということがあれば任意売却ができなくなってしまいます。
裁判所から競売開始決定通知が届いた場合でも、任意売却へと切り替えることは可能ですが、競売手続きで落札者を決定する開札期日の前日までに任意売却を実行しなければならず、一般に4~6カ月程度しか時間的な余裕もありませんので、とくに債権者が多い場合などは早急に対応する、あるいは任意売却を選択しないことを考えるべきでしょう。
いかがでしたか。似ているようで大きく異なる競売と任意売却、手続きが可能な期間は限定されていますが、通常、可能であるなら任意売却の方がメリットが多く、おすすめと考えられます。あらかじめ知識を蓄え、万一のときには機会を逃さず速やかに対応できるようにしておきましょう。
(画像は写真素材 足成より)
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