築29年の木造1DK|浴室の部分改修で空室3戸に入居申込
【築20年代後半・木造1DK】
3戸の空室を「浴室ワンポイントリノベーション」で一挙満室化!
査定賃料+1,000円アップと施工完了月内成約を実現した収益最大化戦略
【物件概要】
| ①構造 | 木造 | ④間取り/世帯数 | 1DK/8世帯 |
| ②築年数 | 築29年 | ⑤㎡数 | 33.18 |
| ③階数 | 2階建 | ⑥入居率 | 100% |
【課題】
3戸の空室が重なり、浴室の見え方を見直す


結論:稼働率62.5%への低下による収益危機と、居室のみのリフォームにおける「スペック競争」の限界が浮き彫りとなりました。
管理受託時には、全8戸のうち3戸が同時に空室でした。
3戸分の家賃を合計で月約11万円と仮定すると、同じ空室状況が半年続いた場合は約66万円、1年間続いた場合は約132万円の家賃収入に相当します。
多くの築古物件オーナー様が陥りがちなのが、「居室のリフォームさえ行えば客付けできる」という固定観念です。
しかし、現在の賃貸市場においては、クロスの張り替えや床材の更新、アクセントクロスの導入といった居室デザインは、周辺の競合物件でも「標準装備」化しています。
ポータルサイトで条件を絞って比較検討する現代の入居希望者にとって、綺麗な居室はもはや「選ぶ理由」ではなく「選考の最低ライン」に過ぎません。
結果として、居室だけに手を加えても「この部屋でなければならない」という決定打に欠け、最後はわずかな家賃の値引き合戦という「スペック競争の消耗戦」に巻き込まれてしまうのです。
さらに致命的となるのが、内覧時に引き起こされる心理的落差です。
ポータルサイトで美しい居室写真を見て期待を高めた内覧者が、実際に現地を訪れ、最後に浴室の扉を開ける。
その瞬間、「直感的判断」によって、その部屋が「ナシ」だと判定されてしまいます。
特に水回りは、日常でも使用シーンが多くプライベート空間であるため、経年劣化による変色やタイルの目地、曇った鏡に対して入居者は「他人の生活感への本能的拒絶」を抱きます。内覧者が浴室の扉を開けた途端に会話をやめる「沈黙の数秒」こそ、成約のチャンスが逃げていく不採用のサインです。
ここには「部分最適の罠」が存在します。どれほど居室空間をモダンでおしゃれに仕上げていても、一箇所でも古い場所(特に浴室)が残っているだけで、居室リノベーションに投じた投資価値まで一気に引き下げてしまうのです。
かといって、浴室を根本解決するためにユニットバスを解体して丸ごと全面交換しようとすると、1室あたり約100万円以上、もの高額な設備投資が必要となります。
投下資本の回収期間(ROI)を考慮すると、オーナー様にとって極めてハードルが高い壁となっていました。
【施策】
既存の浴室を活かし、壁1面と鏡を更新



◼️Before:浴室

◼️After:浴室

ユニットバスを解体せず、1室あたり丸ごと交換の約1/7のコストで重要ポイントに絞った「バスリノ」を実施。
今回採用した「バスリノ」は、既存の浴室を活かした部分改修です。
工事は、壁1面へのアクセントパネル施工と鏡の交換の2点に絞りました。
・アクセントパネルの施工
既存の壁の上から新しいパネルを取り付ける「カバー工法」で、浴室の壁1面の仕上げを更新しました。
・鏡の交換
既存の鏡を取り外し、より大きな鏡に交換しました。
壁面と鏡をあわせて更新し、浴室入口から見たときの印象を整えました。
募集写真を撮影する際は、浴室全体と施工箇所が分かる構図にすると、入居希望者が設備の状態を確認しやすくなります。
【結果】
施工後、空室3戸すべてに入居申込

結果:1ヶ月内に空室3室へ一挙に入居申込を獲得して満室化を達成し、査定基準賃料から+1,000円の賃料アップを実現しました。
「バスリノ」によるピンポイントの価値創出は、募集開始直後から圧倒的な市場反響となって現れました。
施工完了となる8月末の完工から1ヶ月以内に、空室であった3部屋すべてに対して即日入居申込が入り、一挙に満室(稼働率100%)を達成いたしました。
さらに、単に空室を埋めただけでなく、事前の査定基準賃料を上回る+1,000円の賃料アップで成約に至りました。
仮に改修を行わず、空室期間が半年〜1年間長引いていた場合、毎月約11万円(3室合計)の家賃収入が消失し続けるという甚大な機会損失が発生していました。
ワンポイントのリノベーションという最小限の投資によって早期満室化を果たしたことで、インカムゲイン(家賃収入)の即時回復に加え、賃料アップ分による毎月のキャッシュフロー増額が実現しました。
機会損失の防止と賃料増額の相乗効果により、投じた改修費用はわずか数ヶ月という短期間で回収完了する計算となり、木造築古アパートにおける表面利回りと資産価値を飛躍的に向上させるモデルケースとなりました。
【総括】空室対策で確認したい3つのポイント


結論:退去修繕を「マイナスをゼロに戻す原状回復」と捉えるのをやめ、市場ニーズに応える「プラスαの価値創造」へ転換することが、築古アパート経営における収益最大化の要です。
募集写真と内見時の見え方を確認する
ポータルサイトでは、居室だけでなく浴室や洗面などの写真も確認します。
現地では、入居希望者が使い方や設備の状態を把握しやすいかを見ていきます。
必要な修繕と、募集に向けた改修を分けて検討する
退去後に必要な修繕を整理したうえで、周辺の募集物件と比較し、追加で手を入れる箇所を決めます。
浴室を部分的に改修できるかは、既存設備の状態や工事範囲を確認して判断します。
募集開始後の反応を記録する
問い合わせ、内見、申込を分けて記録すると、募集のどの段階で改善が必要かを把握しやすくなります。
工事費や契約賃料とあわせて記録しておくと、次の空室対策を検討する際にも役立ちます。
【オーナー様へのメッセージ】
空室が続いている、どこまで改修すべきか迷っているといった場合は、満室の窓口へご相談ください。
周辺の募集条件とお部屋の状態を確認し、工事範囲、費用、募集賃料の見通しを整理したうえで、物件に合った空室対策をご提案します。