不動産投資
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満室の窓口
個人事業の場合、収益増で納税額が上がることに
複数の賃貸物件を所有するなどして、不動産経営が軌道に乗ると、不動産収益が大きく増加しますが、個人事業として不動産事業を運営している場合、収益が伸びるほど所得税率がアップするため、必然的に納税額が増加してしまいます。
そのようなときに検討したいのが、不動産事業の法人化です。法人化すれば、個人事業として事業を行っていた場合と比較すると、税制面で優遇されます。不動産経営を法人化した場合の節税メリットについてみていくことにしましょう。
法人化で事業所得が節税可能
法人化のメリットは、不動産所得が多いほど、税金の面で有利になる点です。
例えば、不動産事業での所得が1000万円であるとしましょう。個人事業として行っている場合は、所得税率は33%となりますが、法人化している場合は、法人税率は23.4%となります。
個人事業の場合は、所得が増えるほど所得税率が上がっていきますが、法人化している場合は、所得が800万円以上であれば税率は一定となります。
そのため、不動産所得が増加したら、法人化を検討してみましょう。
なお、所得税率は、900万円以下であれば23%ですが、900万円を超えると33%となるため、所得900万円が法人化する目安と言えます。
法人化で役員報酬も経費に計上できる
また、法人化すると、個人事業では経費にできなかったものを経費にすることが可能となります。
経費計上できるものとしては、役員報酬や家族に対する給料などがあります。
個人事業しか理解していなければ、報酬や給料が経費になるとは考えにくいかもしれませんが、法人の場合は、報酬や給料が経費として認められているのです。
これにより、法人は経費を増やすことができるので、節税が可能となるのです。
ただし、役員報酬を多くした場合、多額の役員報酬を受け取った人は、個人で納税する所得税が増えてしまう場合があります。
その対策としては、役員報酬を自分自身にだけ支払うのはなく、複数の家族にも支払うことです。これにより、一人あたりの所得税を少なくすることができます。
法人化で認められるさまざまな経費
そのほか、法人化した場合に経費計上できるものとしては、役員の生命保険料、資金繰りが困難になった場合に備える「倒産防止共済」の掛金、事業主が退職したときに共済金が受け取れる「小規模企業救済」の掛金、退職金の積立分などがあります。
また、法人化することで、不動産の取得費用や、出張したときの日当なども経費として計上することが可能です。
個人事業の段階では、経費計上できる項目は限られますが、法人化することで、さまざまな項目を経費に計上できるため、節税の効果が期待できます。
節税は、所得税のみならず相続税も!
さらに、法人化することで、相続税の節税も可能となります。
賃貸物件を個人で所有している場合は、賃貸物件の評価額に対して相続税が課せられることになります。しかし、賃貸物件を法人で所有している場合は、個人所有ではないために相続税の対象外となります。
また、個人事業において、不動産経営で多額の収益を得ていた場合、個人の財産が一定の額を超えると、相続税の対象となりますが、法人化しておけば、その収益は法人のものとなるため、相続税の対象となりません。
不動産経営を行っている場合、相続の面から考えると、法人化しておいた方がメリットを受けやすいと言えるでしょう。
なお、法人化することで、赤字であっても法人税を支払わなければならなかったり、税理士の報酬が発生したりと、さまざまな費用が発生します。
さらに、法人化後に不動産収入が減少すると、個人事業の方が税率の面で有利となることも考えられます。
法人化のメリットとデメリットを比較し、十分に検討した上で、法人化するかどうかを決定すると良いでしょう。
(画像は写真ACより)
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