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不動産投資

2018.05.31

満室の窓口

マンション選びで知っておきたい構造のコト

分かりにくい構造の名称を一気に整理!

分譲マンションや賃貸マンション物件の情報収集をしていると、「RC造」といった文字をよく目にしますね。これはその建物の構造がどのようなものであるかを示しています。ほかにもいくつか種類がありますが、慣れないと分かりにくい印象をもつかもしれません。


外見では分からないマンションの構造や耐久性、耐震性は、物件選びにおいて非常に重要なポイントです。構造がどのタイプであるかによって、建物の特徴が大きく異なってきますから、ぜひここで基礎知識を身につけましょう。


マンションの構造に関しては、2005年に表面化した耐震強度構造計算書偽装事件や、杭打ちデータの偽装・改竄によるマンションの傾斜発生問題などを通じ、一般からも高い関心が寄せられるようになりました。阪神淡路大震災や東日本大震災など、大きな地震・天災を経験したことも意識の高まりにつながっているでしょう。


構造と聞くと専門性が高そう、難しそうと思われるかもしれませんが、実際に安心・安全な暮らしを支える住まい空間の基礎基盤となるものですから、十分にチェックし、納得して検討や契約を進めたいところです。理想の住まいに何を求めるのか、とくに重視したいポイントは何かも意識しながら、それぞれの特徴とともに構造への理解を深めてください。


材料別で3つの構造を理解!RC造とは?

マンション構造を用いる材料別で分類すると、「RC造」、「S造」、「SRC造」が主なものとなります。この3つを覚えていれば十分ですから、それぞれを詳しくみていきましょう。


RC造は、マンションで最も多くみられる構造タイプで、鉄筋コンクリート構造のことを指します。名称は、英語のReinforced Concrete(補強されたコンクリート)の頭文字に由来しています。組んだ型枠の中に鉄筋(鉄の棒)を配し、コンクリートを流し込んで固めることによって、柱や梁など骨格となる主要部分を一体にして作り上げていくスタイルになります。


引っ張る力に強いものの圧縮力には弱いほか、熱に弱く錆びてしまうという鉄筋と、圧縮力には強い一方引っ張る力に弱く、アルカリ性で耐火性は高いというコンクリートを組み合わせることで、互いの短所をカバーし合い、長所をうまく引き出している点が特徴です。鉄筋を覆うコンクリートが熱への弱さや酸化が進むのを防ぎ、2つの組み合わせで引っ張りの力と圧縮力の両方に強い性質をもつものとなりました。


建物にかかる外力を面全体でバランスよく受け止める、モノコック構造となることから、耐震性能に優れ、地震発生時の被害を最小限に抑えられる長所ももっています。コンクリートにより、高い遮音性能と気密性能も確保され、マンションなど中高層の建物には広く向く構造といえるでしょう。型枠にコンクリートを流し込むという製法ゆえ、造形面で比較的自由度が高く保たれる点も、この構造の特徴です。


S造とは?

次にS造ですが、これはRC造に次いで多くみられるタイプで、鉄骨造のことを指します。英語のSteelが略されていますね。S造の場合、柱や梁などにさまざまな種類の鉄骨を用います。切った断面の形からH型鋼、角形鋼、I型鋼、L型鋼などと呼び分けられるほか、その厚さによって6ミリ未満が軽量鉄骨、6ミリ以上が重量鉄骨と呼ばれています。用いる鉄骨鋼材の厚さにより、軽量鉄骨造、重量鉄骨造の2種類に構造を分類して言うこともあります。


S造における特徴は、建物の軽量化が可能なことで、さらに工期も短く、RC造より大きな空間を作り出せるという点が挙げられます。そのため工場施設やオフィスビル、体育館といった建物を作る際にもよく用いられています。一般に、前もって主要部材を工場で作り、現場で組み立てて設置するプレハブ工法による建物となり、建築コストを抑えられる構造ともなります。


全体の軽量化が図られることで、高層マンションなどでは、地盤や下層階にかかる負荷を軽減できるというメリットがありますが、耐震・耐風・耐火・耐力面で揺れやすさや制限が生じるデメリットがあるため、それを補う制震装置の導入などがなされているかを確認しておきたいところです。防音性能についても、RC造などに比べ不利となるため、生活音が気になりやすいマンションでは、壁や窓における工夫・対策もポイントとなるでしょう。


重量鉄骨造の場合は、軽量鉄骨造に比べ耐震性や耐久性、防音性がアップし、マイナス面がカバーされやすくなります。ラーメン構造と呼ばれる筋交いや耐力壁の不要な、床板と柱、梁で構成するシンプルな形式を採るケースが多くみられます。間取りにおける自由度を高められ、大きな開口を取ることができるといった特徴があります。


SRC造とは?

3つ目のSRC構造ですが、こちらはSteel Reinforced Concreteの頭文字を取ったもので、鉄骨鉄筋コンクリート造のことをいいます。RC造とS造が合体したような名称になっている通り、それぞれの長所を融合させた構造として、考え出されました。


構造としては、鉄筋の枠にコンクリートを流し込んだ鉄筋コンクリート造の芯となる部分に鉄骨を入れたスタイルになっており、日本独自のものです。RC造よりさらに強度を高め、柱を細く仕上げることができるなどメリットも多く認められますが、建設にかかるコストや工期がかさんでしまう点がデメリットです。


7~8階建て以上の中高層建て高級マンションや超高層マンションでしばしば採用されており、コスト面の課題をクリアするため、低層階のみをSRC造、上層階はRC造とした混合タイプもみられます。


いかがでしたか。設備や仕様は必要に応じて交換していくことも可能ですが、建物の構造については、建て替えない限り変更することができません。住機能に大きな影響を与える重要なポイントですので、基礎知識をもってしっかりと確認しましょう。


(画像は写真素材 足成より)


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