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相続対策

2018.05.31

満室の窓口

相続問題 vol.1

相続問題、初回は相続放棄と遺産分割についての問題です。皆さんも一緒に考えて見てください。

【問題】
Aさんが亡くなりました。Aさんには妻と子の他に兄と姉がいます。Aさんの父母はすでに他界しています。相続人である子は「財産はすべてお母さんにあげたい」と考えていたので、相続放棄しました。この放棄は正しかったのでしょうか? 

 

【解説】
民法上、相続放棄は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならないと定められており、家庭裁判所へ申述しなければなりません。また、相続放棄をすると「初めから相続人とならなかったものとみなされる」だけでなく、相続放棄した相続人の直系卑属には代襲相続権は発生しません。
Aさんの父母(直系尊属)も他界しており、この場合の相続人は直系卑属の妻と子(第一順位)になります。しかし、子が相続放棄すると、子ははじめからいなかったものとなるため、相続人はAさんの妻と兄、姉(第三順位)になります。子は本来、お母さんにすべての財産をあげたいと放棄したわけですが、これでは本来の目的が達成されることはありません。
この場合、妻と子で遺産分割協議書を作成して、子は妻がAさんの全ての財産を相続することに合意すれば達成されるので、相続放棄は誤った選択になります。

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