不動産投資
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満室の窓口
相続人を指定することができる「特定遺贈」
被相続人から相続する場合の方法としては、被相続人の法定相続人である配偶者や子ども、親などが相続し、法定相続における割合に基づいて遺産を相続しますが、被相続人が、「どの遺産を、誰に、どのくらい譲るか」ということをあらかじめ定めておくこともできます。
この方法を「特定遺贈」と呼んでおり、法定相続人以外の人も遺産を譲り受けることができますが、法定相続人以外の人が遺産を譲り受けた場合も、相続税がかかってしまうのです。特定遺贈に関する具体的な内容についてみていくことにしましょう。
「遺贈」の種類について
特定遺贈について理解する前に、「遺贈」について調べていくことにしましょう。
遺贈とは、被相続人が書いた遺言書を元に、被相続人の財産が譲り渡されることを指します。被相続人の財産が譲り渡されることは、「相続」と同じように感じられますが、遺贈と相続は異なります。
相続の場合、配偶者、子、親などの「法定相続人」のみが、被相続人の財産を受け取ることができますが、遺贈の場合は、法定相続人以外の人も被相続人の財産を受け取ることができるのです。
また、遺贈は「包括遺贈」と「特定遺贈」に分けられます。包括遺贈においては、遺産を誰にどのくらいの割合で譲り渡すか、という内容を明確にします。
例えば「1億円の遺産を、配偶者に5分の3、甥に5分の2遺贈する」と記載されます。なお、包括遺贈においては、借金も引き継がれることになります。
特定遺贈は、現金、あるいは土地など、ある特定の財産を譲り渡すことを指します。
例えば、「全財産のうち、現金6000万円を配偶者へ、4000万円相当の土地を甥に遺贈する」と記載されます。なお、特定遺贈の場合は、遺言書に書かれた場合を除き、借金は引き継がれることはありません。
特定遺贈は相続税の対象に
特定遺贈は相続とは異なるものの、特定遺贈も、相続と同様に相続税がかかるのです。
その理由は、仮に、特定遺贈を受ける人が、法定相続人ではなかったとしても、被相続人の遺言書を元に財産が譲り渡されることになり、相続とみなされるためです。
仮に、被相続人の全財産が1億円で、配偶者が現金6000万円を相続し、甥が4000万円相当の土地を相続したとしましょう。
法定相続人である配偶者は、相続税に対して基礎控除額が控除されますが、甥は、被相続人の兄弟姉妹にあたる自分の親が亡くなっていない限り法定相続人には該当しないため、基礎控除額は控除されないことになります。
ここで、甥にかかる相続税を調べてみましょう。
国税庁のホームページに記載されている「相続税の税率(相続税の速算表)」を元に税率を計算すると、4000万円×20%(税率)-200万円(控除額)となり、相続税額は600万円となります。
参照元:国税庁ホームページ 相続税の税率
ただし、被相続人の配偶者と被相続人の一親等の血族でなければ、「相続税額の2割加算」が適用されるのです。
「相続税額の2割加算」について
相続税の相続人に2割加算が適用されるのは、二親等にあたる被相続人の兄弟姉妹、三親等にあたる被相続人の甥や姪などがあてはまります。
先ほどの相続税の例でみてみると、4000万円の遺産に対する相続税は600万円ですが、この相続税額に2割が加算されることになります。
600万円の2割は120万円ですから、相続税額は600万円+120万円で、720万円となります。
このことから、被相続人から特定遺贈として相続を受けた人は、多くの相続税を支払わなければならないことがある点に注意が必要となります。
さらに、特定遺贈で土地を相続し、土地の所有権移転登記を行うと、相続税とは別に、「不動産取得税」と「登録免許税」を納税する必要があるので、その点についても注意が必要です。
(画像は写真ACより)
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