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不動産投資

2018.05.31

満室の窓口

【pickupニュース】東京圏の地価上昇は緩やかな継続・都市未来総研

日々のニュースの中で不動産投資や賃貸経営、資産運用など暮らしに関わるニュースをピックアップしてます。
今回ピックアップするニュースはこちら!

都市未来総合研究所が最新「不動産トピックス」を公開

みずほフィナンシャルグループの不動産専門シンクタンク、株式会社都市未来総合研究所は5日、2017年7月号の「不動産トピックス」を公開、東京圏の地価上昇に関する実態と今後の見通し及び企業における不動産関連の最新動向などのレポート資料提供を開始しました。

2017年の地価公示によると、東京圏の前年に比較した変動率平均は、住宅地で0.7%、商業地で3.1%となり、いずれも4年連続での上昇を記録するものとなりました。また前回調査の結果と比べると、上昇幅も拡大しています。

しかしそのペースは緩やかで、変動率を累積して指数化した地価水準動向でみると、その推移は過去に比べ穏やかなものとなっていることが分かりました。

住宅地については、東京都心分への通勤利便性が高いエリアや、比較的地価の安い郊外部で宅地開発が積極的に進められているエリアでの上昇率が高く、地価上昇の背景には低金利や住宅ローン減税などを受けた堅調なニーズがあると分析されています。

商業地では、都心部商業集積地や主要オフィスエリアで高い上昇率を記録しており、主にインバウンド需要に対応したホテルや商業施設の出店、都心居住型のマンションニーズが地価上昇の好材料となったものとみられます。

不動産業に関連した金融データ分析では、日銀短観の銀行貸出態度判断DIが2006~2008年のファンドバブル期水準を超えて高まっており、さらに設備資金新規貸出額にいたっては1980年代後半のバブル経済期も上回るものとなるなど、全体にきわめて良好な資金調達環境があることが明らかとなりました。

今後の東京圏地価動向見通しとしては、デフレ脱却や内需刺激を目的に金融緩和や住宅取得促進を図る政策が引き続き展開され、下支えするものとなると考えられることから、ニーズが堅調に推移、上昇率は緩やかながらもこの傾向が継続されるものと予測されています。

また商業地に関しては、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、都心部を中心にさらなるホテルの新規供給や大規模複合再開発の計画が多く存在するため、活発な投資状況が続く見通しです。

こうした明るさのある一方で、エリアによる差も顕著となってきており、東京圏でもニーズが低調なエリア、平均では地価上昇となるも交通利便性や環境条件が劣るエリアでは、地価下落や横ばいが続き、2017年でも住宅地では、首都圏202市区町のうち約4割、商業地で約3割が平均変動率0以下になっています。

良好な資金調達環境にもかかわらず、こうしたマイナス材料もあり、全体での地価上昇が惹起されているとはいえないことには注意が必要であり、こうした要因からも東京圏全体の平均上昇率は低い水準にとどまって推移していくと予想されました。

企業の既存施設統合・集約、新設など再編が活発に

次に報告された企業の不動産動向では、近年、研究開発拠点となっている既存施設の統合・集約で再編を図る事例と、新たな価値創造を目指した新設の動きが並行して増加してきていることが取り上げられ、その要因分析がなされました。

まず1つには、既存の研究体制や研究所を刷新する創業100周年といった節目や、老朽化した施設・設備の更新を必要とする時期にいたっている企業が比較的多いこと、2つ目に昨今の新商品開発における研究開発部門の貢献度やプレゼンスに低下傾向がみられ見直しニーズが高まっていること、3つ目には社外ベンチャーや大学などの外部機関、顧客企業などから必要な資源などを取り込んでいく“協創”を展開するための拠点再構築が広がっていることが挙げられています。

また4点目には、業績の好転、手元資金の増加などから研究開発投資額が増加してきていること、5つ目には国や自治体による研究開発型企業や研究所の集積促進・誘致策が広がり、これを活用した新規拠点の設置を行う企業もみられることが指摘されました。

こうした背景から、研究所新設に伴う用地取得や、建物を新設して不動産投資法人に売却し、その上で研究所として賃借利用するケース、統合集約にあわせて不動産売却を行うケースなど、いずれの取り組みでも不動産売買や賃借など関連する取引が活発化しているようです。今後も選択と集中による統合集約と、新規価値創造を目指す拠点開発を背景とした、不動産関連動向には注目が集まるところとなりそうです。

なお、今回の「Monthly Watcher」として、東京都内に立地する倉庫に関し、その建設期間を1年と仮定すると、今後8年間で築30年を超えるものが約650万平方メートル増加する計算となり、今後老朽化した倉庫の建て替えや用途変更、売却検討事例が増加する可能性が指摘されました。

東京23区にある倉庫などの売買取引公表事例では、老朽化した倉庫跡地などが、マンションやオフィスビルの開発用地として用いられるケースが多くみられており、そうした事例も増えてくるかもしれません。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は都市未来総合研究所「不動産トピックス」2017年7月号公開資料より)


▼外部リンク

株式会社都市未来総合研究所 「不動産トピックス」2017年7月号 公開資料
http://www.tmri.co.jp/report_topics/pdf/1707.pdf

株式会社都市未来総合研究所 ホームページ
http://www.tmri.co.jp/

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