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満室の窓口
不動産投資と言えば、アパート一棟やマンションの一室などに投資しなければならないことから、多額の資金を必要とします。
そのため、不動産は投資先として検討しにくいものですが、少額で不動産投資をしたいなら「不動産投資信託」に投資する方法があります。
それでは、不動産投資信託とはどのようなものなのでしょうか。不動産投資信託の基本的な内容について見ていくことにしましょう。
不動産投資信託とは、証券市場において投資家から資金を募って不動産を運用し、不動産の賃料収入で得られた利益を投資家に分配する投資信託のことです。なお、不動産投資信託は「J-REIT」とも呼ばれています。
不動産を運用する場合、特に都心の高層ビルやホテルなどを運用する場合は、非常に多額の資金を必要とします。しかし、多くの投資家から資金を募ることができれば、多額の資金を集めることが可能となり、高額物件への投資も可能となります。
また、J-REITは投資家にとっても魅力的です。個人で不動産に投資する場合、アパート一棟であれ、マンションの一室であれ、多額の資金を必要とするために投資を見送りがちですが、J-REITであれば比較的少額で購入できることから、不動産投資に参加しやすいと言えます。
さらに、J-REITの魅力的な点は分配金が得られる点です。日本取引所グループの「REIT一覧」を参照すると、配当利回りは3%から6%程度となっています。年間の分配金は、数千円前後が大半ですが、中には分配金が1万円を超えるJ-REITもあります。
参照元:日本取引所グループ REIT一覧
http://quote.jpx.co.jp/
不動産投資に参加しやすい「J-REIT」ですが、J-REITは、どのようにして購入すれば良いのでしょうか。
J-REITは投資証券であることから、証券会社で購入することができます。証券会社の窓口でも購入できますが、ネットを利用して証券口座を開設すれば、自宅にいながらネットでJ-REITを購入することができます。
また、J-REITの価格は、10万円前後のものから50万~60万円程度のものまでさまざまです。個人で不動産に投資すると、少なくとも1000万円を超えますが、J-REITであれば10万円前後で購入することができるため、不動産投資に対するハードルが低いと言えるでしょう。
なお、J-REITの価格変動については、各証券会社が公開している「東証REIT指数」が参考になります。一例として、楽天証券が公開する「東証REIT指数」があります。
参照元:楽天証券 東証REIT指数
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/treit.html
次に、J-REITの財産評価の方法について見ていくことにしましょう。本来であれば、課税時期の最終価格によって評価されるところですが、状況によっては課税時期の最終日に価格が急騰している場合もあり、正確な評価ができない場合があるため、以下の方法のうち、最も低い価格で評価されます。
1つめは、課税時期の最終価格、2つめは、1ヵ月間における毎日の最終価格の平均額です。なお、1ヵ月間における毎月の最終価格の平均額は、課税される月の1ヵ月間、課税される前月の1ヵ月間、課税される前々月の1ヵ月間、以上3つの期間に分けられます。
課税時期の最終価格が最も低ければ、課税時期の最終価格を財産評価額とします。また、課税される前々月の1ヵ月間において最終価格の平均額が低ければ、その額が財産評価額となります。
3ヵ月間にわたって評価額を比較することによって、J-REITを適切に評価することができます。
比較的少額で投資でき、しかも配当も見込めるJ-REITですが、どのようなリスクが考えられるでしょうか。
最もリスクになりやすいのは「金利変動リスク」です。不動産は、金利が低くなるほど投資が活発になる傾向がありますが、金利が上昇すると投資が抑えられる傾向にあります。
なぜなら、不動産の投資法人は、J-REITを通じて投資家から資金を募るだけではなく、銀行などからの借り入れによって資金を集めるからです。金利が高くなるほど、銀行への利払いが多くなり、分配金は減少しやすくなります。そのため、普段から政治情勢や経済情勢を把握し、金利の動向を見極めると良いでしょう。
また、地震や火災など、突発的な災害もリスクとなります。不動産物件が災害で被害を受け、家賃収入が見込めなくなれば、分配金が減少することも十分にあり得ます。
そのほか、不動産の運用が思わしくなく、J-REITそのものが倒産したり、上場廃止となったりする場合もあります。
不動産投資のハードルを引き下げるのが、J-REITであると言えます。直接物件に投資するよりも少ない資金で投資できることがメリットですが、不動産の運用状況によっては、分配金が減少するだけでなく、元本割れとなる場合がありますのでご注意ください。
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