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不動産投資

2018.05.29

満室の窓口

まさか!のウチも危ない?境界トラブルと不動産売却

隣との境界はどこ?意外に曖昧な境目

不動産売却を行おうとしたり、住宅を新築しようとしたりする場面で、頻発する問題の代表的なものとして、敷地の境界トラブルがあります。普段生活している分には問題となることもなく、境界トラブルなんて無縁と感じていても、いざ行動に移そうとすると隣地との境目がよく分からない部分があって困った、地積測量図(実測図)と現況実態に違いがあり隣の塀が自分の家の土地に作られていると分かったなど、思わぬ大きなトラブルに巻き込まれるケースは少なくありません。


土地をめぐるトラブルは一度発生すると、解決にいたるまでには多大な時間と費用を費やすものになりかねず、スムーズな売買取引を不可能にしてしまう要因になります。そこで今回は、よくあるトラブルとしてこの境界問題を取り上げ、どのようなところから発生するのか、またその発生を未然に防ぎ、うまく売却を進めるにはどうすればよいのか、ポイントを解説していきましょう。


なぜ境が不明瞭になる?

日常の生活からは、自分の所有する土地・不動産の境界が曖昧になってしまうなどということは考えにくいかもしれません。しかし、長年居住すると境界がよく分からなくなるということは、意外にありがちなことなのです。


一般に、ある土地とその隣地や道路との境界には、「境界標」と呼ばれる四角い杭があり、これによって境界線が明らかとなるようになっています。しかしこれが図面の位置とズレていたり、あるはずの境界標自体がなくなっていたりすることがあります。


その原因はさまざまで、地震や土砂崩れなど自然災害による場合や道路工事、水道・マンホール工事の施行時、塀や生け垣を作る際に業者が一時的に移動させて戻さなかった場合、そもそも設置時期が古く許容誤差が大きかった時代のままになっている場合などが考えられます。


境界標は隣接地の所有者らが共同費用で設置するもので、勝手に動かしたり除去したりすれば、境界毀損罪という罪で処罰される決まりともなっているのですが、実際の設置経緯やその材質、地方の慣習、時代背景などから必ずしも正確に境界線を示すものとして維持されているとは限らないのです。


現状にある境界標が図面に対し正しい位置にあるなら、それが分かるよう写真を撮っておく、定期的に目視でも確認するなどしておくとよいでしょう。隣や近くで何らかの工事がある場合には、施工業者の管理者などにあらかじめ注意を促しておくのも効果的です。


境界標がない場合でも、板塀やブロック塀などで明確に区画されており、隣とはトラブルなくともに平穏に生活できているというケースはよくあります。しかし、ブロック塀などの構造物をどんな経緯で再構築することになるか分かりませんし、相手がいついかなる事情でどんな主張を行ってくるか、互いの関係性がこじれることなく保たれるか、将来の保証は全くありません。


境界トラブルはごく些細なきっかけから生じるものがほとんどであることから、可能ならば所有者間の協議の上、境界標を設置して境界確認書を締結、設置経緯なども含めた記録を残しておくと安心です。


売買を開始するなら確定測量を!

不動産売却によって所有権が移転し、新しい所有者のものとなる場合、買主であるその新たな所有者は該当する土地・不動産について知り得ることが限られています。そのため、実はすでに境界トラブルが発生し紛争や訴訟となっていてもその事実を知らずに購入してしまう可能性もありますし、よく境を理解しないまま取得、隣地に売却などの動きがあった際に認識の違いから新たな境界トラブルに発展するといったことがしばしばあり得ます。


そこでそうした事態を避けるため、確定測量を行います。境界の確定測量は、国家資格を持った土地家屋調査士が不動産所有者立ち会いのもと、境界の確認・同意を取りながら測量を行って確定測量図を作成するというものです。確認後には、関係地権者で実印を押した筆界確認書を作り、登記も行っておきます。


確定測量は売却に必須のプロセスではありませんが、登記まで完了させておくことで、民法上の権利主張が可能となり、境界トラブルを未然に防ぐことができるようになります。また土地の分筆を行う場合には、確定測量がどうしても必要ですから、売買契約の条件に挙げられることも多く、その面でも行っておくメリットはあるでしょう。なお公道など公共が所有する土地と接する場合には、官民境界査定も必要となります。


「筆界特定制度」とは?

確定測量の場合、隣地所有者の立ち会いや同意が必要ですが、連絡がつかなかったり、遠方に居住している、相続が発生していて所有者が明確でないといった事情があったりするケースもあるでしょう。こうなると確定測量がうまく実行できません。


そのような場合に、境界をきちんと特定してトラブルを防ぎ、売却をスムーズに進めたいなら「筆界特定制度」という仕組みが有効です。これは不動産所有者が申請を行い、法務局の筆界特定登記官が調査委員を派遣して現地調査を実行、意見聴取手続きなどを経て筆界特定を行うものです。


申し立てを行った人の該当不動産における隣地所有者らには、この制度が適用される旨、法務局から通知・掲示がなされ、これによって立ち会いや同意がなくとも境界の特定が公的に行えるかたちとなっています。


手続きが完了すれば、土地の境界を特定したと登記記録にも記され、境界特定に関する結論や理由を明記した法務局による「筆界特定書」が得られるため、買主が安心して購入しやすい不動産として売却を進めやすくなります。


ただし、法律上最終的な確定境界になるとは限らないため、一定の注意は必要で、裁判による判断を仰ぐこととなるケースもあり得ます。しかしそうした争いに発展することはごく稀ですし、裁判所の判断も筆界特定制度の結論と同じになることが多いことから、かなり高い精度での安心確保、トラブルの防止効果が得られると考えられるでしょう。


費用も民間の土地家屋調査士に依頼するより、リーズナブルに収まりやすいほか、境界特定にかかる時間を短縮できるようにもなっています。


現時点で境界トラブルを抱えていなくても、不動産売却を考えるなら、これらの仕組みを知り、利用することを検討するのがおすすめです。法務局や市役所、土地家屋調査士会などが開いている無料相談会に参加してみるのもよいですね。


頻発する境界トラブルに賢くあらかじめ対処し、理想的な売却スキームの実現を目指しましょう。


(画像は写真素材 足成より)

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