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2020.05.08

満室の窓口

(第2弾)民法改正に伴う不動産業界への影響とは?

①賃借人による修繕  必要費償還請求が可能に


貸室の修繕が必要である場合において、「1.賃貸人が相当の期間内に修繕をしないとき」や、「2.急迫の事情があるとき」は、賃借人は修繕することができます(改正民法第607条の2)。修繕を行なった賃借人は賃貸人に対して必要費償還請求をすることができます(民法第608条第1項)。修繕権が賃借人に認められることで、賃貸人側からすると、不必要または過剰な修繕が行なわれ、修繕費用を返還しなければいけないリスクを負うことになりかねません。


②賃料減額  減額請求とリスク


賃料の一部が雨漏りなどにより居住できなくなった場合、借主に責任がある場合を除き、賃料は居住できなくなった部分の割合に応じて減額されます。従来は「減額請求できる」とされていましたが、改正民法は「減額される」としました。トイレ・風呂が使えなくなった場合も、賃料減額の対象になる可能性がありますが、どの程度賃料が減額されるかについては、改正民法は明確な基準を定めていません。下記に減額割合の基準と、設備故障によるトラブル対応の割合の図をご紹介します。


民法改正ポイントまとめ


・改正民法 第607条の2(賃借人による修繕)

賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。1.賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。2.急迫の事情があるとき。


・現行民法 第608条の1(賃借人による費用の償還請求)

賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。


・改正民法第611条(賃借物の一部損失による賃料の減額)

賃借物の一部が滅失そのほかの事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰すことができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。


改正民法により、修繕のタイミングが遅れると、賃借人が自分で修繕してオーナーさまに費用を請求してきたり、賃料減額を求めてくるケースがこれまで以上に多くなることが予測されますので、管理会社としっかり連携し、速やかに修繕を行なうことがますます重要になってきます。管理会社がオーナーさまと連絡が取れず修理を進められないケースも予測されますので、管理会社の判断で修繕範囲を決めるなど、ある程度の権限移譲をすることも対策としては有効と考えられます。



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