お問い合わせ
このエントリーをはてなブックマークに追加

相続対策

2020.09.01

満室の窓口

相続における課税価格の基礎知識

アパート経営をされている大家さんのみなさま、相続税の節税対策は行っていますでしょうか?


相続税の節税対策を行うことで、場合によっては相続税の金額を何千万円も減らせることもあります。

日本では、三代に渡って財産を相続すると、財産がなくなると言われています。

これは、世界的にみても高い相続税率であり相続税対策は財産に直結することを示しています。


今回は、日本の相続制度、相続の節税対策における一つの考え方、「課税価格」についてお伝えいたします。


<目次>
1.大家さんが知るべき日本の相続制度
・包括継承主義
・日本の相続税率
2.大家さんが知るべき課税価格とは?
・課税価格の算出
・相続税節税の考え方
・優遇される財産とは
3.大家さん相続対策事例文字
・相続対策しなかった場合
・相続対策した場合
4.まとめ

1.大家さんが知るべき日本の相続制度

・包括継承主義

日本では、「包括承継主義」が用いられています。

包括継承とは、被相続人の財産及び債務のすべてが相続人に包括的に承継されることです。


日本では、限定承認の場合を除いて、包括承継主義を採用しています。

そのため、プラスの資産だけ相続して、借金だけ放棄するということはできません。

相続する場合は、原則、被相続人に帰属するすべての財産をまとめて承継することになります。



・日本の相続税率

日本では、3代に渡って相続すると財産がなくなると言われています。

これは、世界的にみても高い相続税率であり相続税対策は財産に直結することを示しています。

相続税は、最低税率で10%最高税率で55%の超過累進課税となっています。

超過累進課税は、課税所得額が大きいほど、税率も高くなる課税方式のことで、日本では相続税の他に所得税、贈与税などで、この累進課税方式が採用されています。

これは、所得や財産の多い人の方が税金を負担する能力があるだろう(「担税力」)という考え方と、所得の再分配のため、特定の人に財産が集まりすぎないようにするための仕組みと考えられています。

超過累進課税、相続法定相続分に応ずる取得金額と控除額


2.大家さんが知るべき日本の課税価格とは

・課税価格の算出

相続の課税価格は、次のような形になります。

遺産総額(不動産、金融資産、みなし財産)ー非課税財産(墓地、生命保険非課税枠分、公益財産)ー債務(借入金、※債務として相続人が負担とされるもの)+相続開始前3年以内に贈与された財産=課税価格


この計算式で出たものが、課税価格になります。



・課税価格を下げるためには

相続対策を行っていくにあたってポイントになるのが、課税価格を下げていくことになります。

遺産の総額を下げる、非課税財産を上げる、債務を上げる、これが結果として課税価格が下がるこれが相続対策です。

この部分をどのように上げて・下げていくかが、相続対策の大事な考え方になります。

課税価格の算出方法


・相続対策の考え方

相続対策の考え方としては、実売価格(実際に売買される価格)と相続税評価額に大きくギャップがあるものに財産を組み換えていくことが重要です。

この実売価格が高く、相続税評価額の低いものに財産を組み換えていくことによって、課税価格を下げることが可能になります。

相続対策の考え方


・優遇される財産とは

実際に相続対策に向いている財産の相続税評価額と実売価格のギャップについて見ていきましょう。

相続税評価額と実売価格の比較

上の表は、ざっくりとしたイメージを掴んでもらうための数字となっています。個人における詳しい割合に関しては税理士さんにご相談ください。


相続税と相続税評価額について比べると、現金に関しては実売価格と相続税評価額は100%で全く同じになります。

家屋は60%、貸家は42%以下、タワーマンションは20%、リフォーム・ネット設備0%となっており、相続税評価額が低いものは相続税対策として非常に有効なものになります。


このギャップ(実売価格と相続税評価額の差が大きいもの)があるものに組み換えていくことによって相続税対策ができます。


3.大家さん相続税対策事例

相続対策は計画的に行うことが必要となってきます。次に、相続対策をした事例しなかった事例をご紹介いたします。

・相続対策しなかった場合

例:相続対策しない場合

相続対策をしなかった場合、相続後にに200万円の相続税+1000万円のリフォーム代を払ってしまっています。


・相続対策した場合

例:相続対策した場合

お父さんの生前に、1000万円のリフォームを行っていますので相続税評価額を下げた状態で相続を行ったのて、相続税がかからずに満室のアパートを手に入れています。


4.まとめ

相続税の節税対策は生前に行っておかなければなりません。

その対策の一つが課税価格を下げることになります。

課税価格を下げるには以下のポイントが重要になります。


・遺産の総額を下げる

・非課税財産を上げる

・債務を上げる

しかし、財産の総額など場合によっては当てはまらない場合もありますのでどのような相続の節税対策を行うべきかは、相続専門の税理士さんに相談する必要があります。

個人個人に合った、最適な相続対策を行いましょう。


↓関連動画はこちらから!




関連記事

  • 相続対策

    相続時精算課税制度 活用のポイント

    本記事では、相続時精算課税制度を最大限に活用するためのポイントを詳しく解説し、賃貸住宅の贈与における利点と注意点を掘り下げていきます。

    2024.07.20
  • 相続対策

    【相続対策】生命保険を上手く活用して税率を抑える方法

    相続税の問題は、適切な対策がなされていない場合、家族にとって重大な負担となり得ます。 そこで今回は、生命保険を利用した賢い相続対策について詳しく解説します。

    2024.05.12
  • 相続対策

    相続税の最高税率は55%!あなたの不動産の相続税はいくらなの?

    今回は、所有する不動産のおおよその相続税と、相続税を低く抑えるポイントをお伝えいたします。 記事の最後には、より詳細に解説している動画もありますので、合わせてご視聴ください。

    2024.04.20
  • 相続対策

    【節税対策】不動産相続税の評価額を抑える方法

    前回に続いて、相続税についてのお悩みの続きをお答えいたします。

    2024.04.26