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税金対策

2022.01.27

満室の窓口

不動産投資の経費で落とせるもの一覧|落とせない費用との違いも解説

不動産投資では、支出したお金のすべてを経費にできるわけではありません。

ただし、正しく経費計上できれば、不動産所得を適正に圧縮でき、結果として手残りの改善につながります。

一方で、経費にできない支出まで含めてしまうと、申告ミスや税務上のリスクにつながるおそれがあります。

特に、不動産投資では「修繕費と資本的支出の違い」「ローン返済のうち何が経費になるか」「私的支出との線引き」など、迷いやすい論点が少なくありません。

国税庁は、必要経費は不動産収入を得るために直接必要な費用であり、家事上の経費と明確に区分できるものに限られると示しています。

この記事では、不動産投資で経費として落とせるものを一覧で紹介しながら、落とせない費用との違い、判断基準、確定申告時の注意点までわかりやすく解説します。


<目次>
不動産投資の経費とは?まず押さえたい基本
不動産投資で経費で落とせるもの一覧
不動産投資で経費にならない費用一覧
経費で落とせるか迷う費用の判断基準
修繕費と資本的支出の違い
ー修繕費になるケース
ー資本的支出になるケース
ー迷ったら「内容」と「金額」を確認する
家事按分が必要な経費とは
不動産投資の経費計上でよくある失敗
不動産投資の経費と確定申告のポイント
不動産投資の経費に関するよくある質問
まとめ


不動産投資の経費とは?まず押さえたい基本

不動産投資における経費とは、家賃収入などの不動産収入を得るために必要な支出のことです。

国税庁のタックスアンサーでも、不動産所得の必要経費として、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費などが例示されています。 

ここで大切なのは、「支払ったかどうか」だけでなく、何のための支出なのかという点です。

たとえば、賃貸管理のための交通費や、入居者募集のための広告費は不動産収入を得るための支出として考えやすい一方、私生活のための飲食費や旅行代は原則として経費にはなりません。

必要経費の算入時期についても、国税庁は「その年において債務が確定した金額」が基本であり、減価償却費のような例外もあると示しています。 

つまり、不動産投資の経費を考えるときは、単に「使ったお金」ではなく、賃貸経営との関連性が明確かどうかで判断することが重要です。


不動産投資で経費で落とせるもの一覧

ここからは、不動産投資で経費になりやすい代表的な費用を一覧で見ていきます。

実際の処理は物件の状況や支出内容によって変わることがありますが、まずは全体像を押さえることが大切です。

ー固定資産税・都市計画税などの税金

不動産投資で保有している建物や土地にかかる固定資産税、都市計画税は、賃貸経営を続けるために必要な支出として、必要経費に該当しやすい代表例です。 

これらは物件を所有している限り継続的に発生するコストであり、不動産投資の収支を考えるうえで見落とせない項目です。 

国税庁でも、不動産所得の必要経費の例として固定資産税が挙げられています。 

また、取得時や契約時にかかる印紙税、登録免許税、不動産取得税なども、内容に応じて処理対象になります。 

ただし、こうした税金はすべてをその年の経費にできるとは限りません。

支出の性質によっては、取得価額に含めて資産計上するケースもあるため、特に購入時の処理は慎重に確認しておきたいところです。

ーローン利息

不動産投資ローンの返済額のうち、経費になるのは原則として利息部分です。 

毎月の返済額をそのまま全額経費にできると誤解している人もいますが、実際にはそうではありません。 

返済額の中には「元金」と「利息」が含まれており、このうち必要経費として計上できるのは利息部分のみです。 

元金返済は、借りたお金そのものを返しているにすぎないため、費用にはなりません。 

そのため、帳簿付けや確定申告の際には、返済予定表や金融機関の明細を確認し、元金と利息をきちんと分けて処理することが重要です。 

特に、融資本数が増えてくると管理が煩雑になりやすいため、早い段階から記録を整理しておくと後の申告がスムーズになります。

ー減価償却費

建物や設備など、長期間にわたって使用する資産は、購入した年に全額を一度に経費にするのではなく、法定耐用年数などに応じて毎年少しずつ費用化していきます。 

これが減価償却費です。 

減価償却費の大きな特徴は、実際にその年に現金支出がなくても、帳簿上は費用として計上できる点にあります。

そのため、不動産投資における課税所得を考えるうえで非常に重要な費目です。

 特に中古物件では、耐用年数の考え方や、建物価格と土地価格の按分が論点になりやすいため注意が必要です。 

売買契約書、重要事項説明書、固定資産税評価額など、取得時の資料をきちんと保管しておくことで、後々の処理や説明がしやすくなります。

ー修繕費

原状回復や維持管理のために支出した費用は、修繕費として必要経費にできる場合があります。 

たとえば、雨漏りの補修、故障した設備の交換、外壁の部分補修、退去後の原状回復費用などは、内容によって修繕費として処理しやすい代表例です。 

こうした支出は、現在の建物の状態を回復・維持するためのものとして扱われやすいからです。

一方で、支出の内容によっては注意が必要です。 建物の価値を高めたり、耐久性を大きく向上させたりする工事は、修繕費ではなく「資本的支出」として扱う必要がある場合があります。 

この違いは税務上の判断で非常に重要になるため、「修理なのか、性能向上なのか」を意識して整理しておくことが大切です。

ー管理費・管理委託費

管理会社に支払う管理委託費、共用部の清掃費、入居者対応の委託料なども、賃貸経営のために必要な支出であれば経費として計上しやすい費目です。 

入居者対応や家賃回収、建物管理といった実務を円滑に進めるための支出であり、特に本業が別にある会社員大家にとっては重要性が高い項目です。 

また、管理委託費は単なるコストではなく、運営の手間を減らし、空室対応やクレーム対応の質を安定させるための支出でもあります。 

そのため、金額の大小だけで判断するのではなく、費用対効果という視点で見ることも大切です。

ー火災保険料・地震保険料

賃貸物件にかける火災保険料や地震保険料も、貸付資産に関する支出として必要経費に該当しやすい費目です。 

不動産投資では、万が一の災害や事故に備えることも事業運営の一部です。 

そのため、物件に関連して支払う損害保険料は、必要経費として整理しやすい代表例といえます。

国税庁でも、不動産所得の必要経費として損害保険料が例示されています。 

ただし、複数年契約の保険料については、支払った年に全額を処理するのではなく、契約期間に応じて按分が必要になることもあります。 

保険証券や支払明細は必ず保存し、どの期間に対応する保険料なのかが分かるようにしておくと安心です。

ー仲介手数料・広告宣伝費

入居者募集のための仲介手数料、広告掲載費、募集図面の作成費などは、空室対策や賃貸経営に直結する費用として考えやすい支出です。 

不動産投資では、家賃収入を安定させるために入居者募集が欠かせません。 

そのため、客付けに必要な費用は、収益確保のための重要なコストといえます。 リーシング費用は、単に支出を抑えればよいというものではありません。 

広告や仲介への費用を適切にかけた結果、空室期間が短縮され、最終的に収益改善につながるケースもあります。 

そのため、仲介手数料や広告宣伝費は、「削るべきコスト」ではなく「稼働率を高めるための投資」として捉える視点も必要です。

ー税理士報酬・司法書士報酬などの専門家費用

確定申告を依頼した際の税理士報酬や、登記に関連する司法書士報酬なども、賃貸経営に必要な支出であれば経費となる余地があります。 

不動産投資では、物件取得時、売却時、相続時、法人化の検討時など、専門家の助言が必要になる場面が少なくありません。 

そのため、専門家費用は単なる出費ではなく、リスクを減らし、適切な判断をするための必要コストと考えることができます。 

特に税務処理は自己判断で進めると、後から修正が必要になることもあります。 

節税だけを目的に無理な処理を考えるのではなく、必要な場面では専門家に相談することが、長期的には合理的な選択になることも多いです。

ー通信費

管理会社や入居者とのやりとり、物件情報の確認、申請手続きなどに使った電話代やインターネット費用は、業務使用分について経費計上を検討できます。

ただし、自宅のスマホ代やインターネット回線費用を全額そのまま経費にするのは避けたほうが安全です。

日常生活でも使っている場合は、私用分を除いて家事按分する必要があります。 重要なのは、「どの程度を不動産投資のために使っているのか」を合理的に説明できることです。 

使用実態に応じた割合で処理し、必要に応じてメモや利用状況を残しておくと安心です。

ー交通費・旅費

物件確認、管理会社との打ち合わせ、現地視察、入退去対応などのためにかかった電車代、高速代、宿泊費なども、業務上必要であれば経費計上の対象になります。 

遠方物件を所有している場合は、現地確認や業者対応のために交通費が継続的に発生することもあります。 こうした費用は不動産投資の実務に必要な支出であれば、経費として整理しやすい項目です。 

ただし、観光や私用を兼ねた移動については注意が必要です。

全額をそのまま経費にするのではなく、業務目的と私的目的を切り分けて考える必要があります。 

日付、訪問先、目的、面談相手などを簡単にメモしておくだけでも、後から内容を説明しやすくなります。 

領収書だけでなく、行動記録もセットで残す意識を持つとよいでしょう。

ー消耗品費・備品費

文房具、プリンター用紙、ファイル、清掃用品、小額の備品など、賃貸経営に必要な消耗品も経費として処理しやすい支出です。 

一件ごとの金額は小さくても、年間を通すと意外に積み上がる費目です。 そのため、少額だからといって軽視せず、レシートや購入記録をきちんと残しておくことが大切です。 

また、何に使ったのかが後から分かるように、用途を簡単にメモしておくと計上漏れの防止にもつながります。 

備品類は金額や使用期間によって処理方法が変わることもあるため、判断に迷う場合は確認しながら進めると安心です。

ー新聞図書費・セミナー代

不動産投資に関する情報収集のための書籍代、業界紙、セミナー参加費なども、内容が賃貸経営と関連するものであれば必要経費として検討できます。

不動産投資では、市況、税制、融資動向、賃貸管理など、継続的な情報収集が成果に直結する場面が多くあります。 

そのため、事業に関連する学習や情報収集のための支出は、一定の合理性があると考えられます。

ただし、自己啓発や趣味に近い内容まで無条件で認められるわけではありません。 

あくまで不動産投資との関連性を説明できるかどうかがポイントです。 

たとえば、参加したセミナーのテーマや、購入した書籍の内容が分かるように記録しておくと、後で整理しやすくなります。

ー交際費

管理会社、リフォーム会社、税理士など、業務関係者との打ち合わせに伴う費用は、内容によっては必要経費として扱える場合があります。

 不動産投資では、関係者と情報交換や相談を行う場面も少なくありません。 

そのため、業務上必要な会食や打ち合わせ費用については、交際費として検討できるケースがあります。 

一方で、友人との飲食や家族との外食など、私的な支出は当然ながら対象外です。 

交際費は特に私用との境目が曖昧になりやすいため、参加者、日時、場所、目的を記録しておくことが重要です。

 「誰と、何のために使ったのか」を明確にできるかどうかが、判断の分かれ目になります。

ー 車両費

車で物件を回る、現地確認をする、業者との打ち合わせに行くなど、賃貸経営のために使用した分については、ガソリン代や駐車場代、高速代などの経費計上を検討できます。 

地方や郊外の物件では、車移動が実務上ほぼ必須になることも多く、車両関連費は無視できない支出になりがちです。 

そのため、実際に不動産投資に使っているのであれば、適切に整理しておくことが大切です。 

ただし、マイカーを私用と兼用している場合は、全額計上ではなく、使用実態に応じた按分が必要です。

ここでも重要なのは、「業務に使った割合を合理的に説明できるか」という点です。 走行記録や訪問先のメモなどを残しておくと、後から見返したときにも判断しやすくなります。


不動産投資で経費にならない費用一覧

経費にできるものを知るのと同じくらい大切なのが、経費にできないものを把握することです。 

ここを曖昧にしたまま申告すると、計上ミスや税務上の指摘につながりやすくなります。 

不動産投資では、家賃収入を得るために使った支出であれば広く経費になり得ますが、すべての支払いが対象になるわけではありません。 

「業務に直接必要な支出か」「私的な支出ではないか」「その年の費用ではなく資産計上すべきものではないか」といった視点で整理することが重要です。 

ここでは、不動産投資で特に勘違いされやすい「経費にならない費用」を見ていきましょう。

ーローンの元金返済

先ほど触れたように、ローン返済のうち元金部分は必要経費になりません。 

国税庁の不動産所得用の記載例でも、借入金の返済額のうち元本に相当する部分は必要経費にならないと案内されています。

これは、元金返済が「借入金という負債を返しているだけ」であり、支出ではあっても費用とは考えないためです。 

毎月の返済額は口座から実際に引き落とされるため、初心者ほど「全部経費になりそう」と感じやすいのですが、税務上はそうではありません。 

「利息は経費、元金は経費にならない」とセットで押さえておくと、会計処理の理解がぐっとしやすくなります。

ー所得税・住民税

所得税や住民税は、不動産所得を計算した後に発生する税金であり、必要経費にはなりません。

国税庁も、所得税や住民税は必要経費にならないと示しています。 ここは、固定資産税や都市計画税と混同しやすいポイントです。 

固定資産税などは賃貸物件の保有に直接関連する税金ですが、所得税や住民税は、最終的に生じた所得に対して課される税金です。 

つまり、同じ「税金」でも性質が異なります。 

賃貸経営そのものに直接かかる支出か、それとも所得に対して課される支出かで考えると、整理しやすくなります。 

ー私的な飲食費・旅行代

不動産投資に関係のない飲食代、家族旅行、私的な外出費用などは、当然ながら経費にはできません。 

必要経費になるのは、あくまで不動産所得を得るために直接必要だった支出です。

たとえば、旅行先でついでに物件を1件見たとしても、全体として観光や私用が主目的であれば、安易な経費計上は避けるべきです。 

「物件確認があった」という一点だけで全額を経費にするのは危険です。 

税務上は、家事費と必要経費が明確に区分できることが重要になります。 

移動の目的、訪問先、打ち合わせ内容などを説明できない支出は、経費としての根拠が弱くなりやすいと考えておいたほうが安全です。 

ースーツ・私物・日用品

通常のスーツ、腕時計、日用品、普段使いのバッグなどは、原則として私的利用の性格が強く、不動産投資の経費としては扱いにくい支出です。 

これは国税庁が個別に「スーツは不可」と列挙しているというより、私用と業務用を明確に分けにくい支出は慎重に考えるべきという整理です。

 「仕事でも着る」「打ち合わせでも使う」という理由だけで、すべてを経費にできるわけではありません。

不動産投資に直接必要な支出なのか、それとも生活上の支出にすぎないのかを冷静に見極める必要があります。 

特に、日常生活でも通常使うものは、税務上も私的支出と判断されやすいため注意が必要です。 迷った場合は、経費計上を急ぐよりも、関連性を十分に説明できるかどうかを基準に判断したほうが安全です。

罰金・反則金 交通違反の反則金や各種ペナルティは、必要経費に算入できません。 

たとえば、物件確認や業者との打ち合わせに向かう途中で発生した反則金であっても、業務中だったことを理由に経費にできるわけではありません。 

この点は感覚的に誤解しやすいところですが、税務上はかなり明確です。

「仕事のために動いていたのだから費用にしたい」と考えたくなる場面でも、罰則的な支出は必要経費にはならないと覚えておくべきです。 

ー土地の取得費

土地は原則として減価償却の対象ではありません。 

国税庁も、土地は時の経過によって価値が減少しない資産であり、減価償却資産ではないと案内しています。 

そのため、建物のように購入後に毎年少しずつ費用化していくことはできません。 

不動産投資では、土地と建物を一体で購入することが多いため、感覚的にはまとめて処理したくなりますが、会計上・税務上はしっかり分けて考える必要があります。 特に重要なのは、建物部分は減価償却の対象になり得る一方で、土地部分は対象外という点です。 

この区分が曖昧だと、減価償却費の計算にも影響が出るため、売買契約書や固定資産税評価額、精算資料などをもとに適切に按分しておくことが大切です。


経費で落とせるか迷う費用の判断基準

一覧を見ても、実際には「これはどっちなのか」と迷う費用が出てきます。

そんなときは、次の4つの観点で整理すると判断しやすくなります。

 1. 不動産収入を得るために直接必要か

最も基本になるのはこの視点です。 国税庁も、不動産所得の必要経費は「不動産収入を得るために直接必要な費用」としています。 

たとえば、入居者募集の広告費や建物修繕費は関連性が高い一方、私的支出は関連性が低いと判断されます。

迷ったときは、その支出がなければ賃貸経営に支障があるかを考えると整理しやすくなります。

2. プライベート利用と分けられるか

通信費、車両費、自宅作業にかかる費用などは、私用と業務用が混ざりやすい代表例です。

このような費用は、全額計上ではなく、業務使用分だけを合理的に按分することが重要です。

家事関連費について国税庁は、業務に直接必要な部分で、区分できるものに限って必要経費算入が認められる考え方を示しています。

3. 原状回復か、価値向上か

修理や交換に使ったお金でも、単なる原状回復であれば修繕費として処理しやすい一方、資産価値を高めたり耐久性を増したりする支出は資本的支出に該当する可能性があります。

国税庁は、価値を高める、または耐久性を増すこととなる支出は資本的支出に当たるという考え方を示しています。

4. 証拠を残せるか

内容自体が経費になり得る支出でも、領収書や請求書、明細、訪問記録などが残っていなければ、後から説明しにくくなります。 

税務上のトラブルを避けるためにも、支払いの証憑だけでなく、何のための支出だったのかがわかるメモを残しておくことが重要です。


修繕費と資本的支出の違い

不動産投資の経費で特に重要なのが、修繕費と資本的支出の区別です。 

ここを理解していないと、経費計上の判断を誤りやすくなります。


ー 修繕費になるケース

修繕費とは、建物や設備を元の状態に戻したり、通常の維持管理を行ったりするための支出です。

国税庁は、概ね3年以内の周期で行う修理や、1つの修理・改良の金額が20万円未満のものなどについて、修繕費として扱える基準を示しています。

さらに、資本的支出か修繕費かが明らかでない場合でも、60万円未満または取得価額のおおむね10%以下であれば修繕費として取り扱える基準があります。

 たとえば、故障した給湯器の同等品交換、雨漏りの補修、壁紙の張り替えなどは、内容によって修繕費として整理しやすいケースです。


ー 資本的支出になるケース

一方で、建物の価値を高める工事や、耐久性を増す大規模改修は、資本的支出として処理する必要があります。

国税庁も、固定資産の価値を高める、または耐久性を増すと認められる部分に対応する支出は資本的支出としています。 

・和式トイレを高機能な洋式トイレへ大幅更新した

・古い設備を上位グレードへ入れ替えた

・間取り変更を伴う大型改修をした、というようなケースは資本的支出に該当する可能性があります。


ー 迷ったら「内容」と「金額」を確認する

実務では、修繕費と資本的支出の線引きが一目でわからないこともあります。 

その場合は、工事内容、目的、金額、交換前後の性能差を確認することが大切です。 


家事按分が必要な経費とは

不動産投資を副業で行っている人や、自宅で管理業務をしている人は、家事按分の考え方も押さえておきたいところです。 

家事按分とは、仕事とプライベートで共通して使っている費用について、業務使用分だけを合理的に分けて必要経費にする考え方です。

たとえば、スマホ代、インターネット代、自家用車のガソリン代、自宅の一部を事務作業に使っている場合の費用などは、按分の対象になりやすいです。 

重要なのは、按分割合を自分で説明できることです。

「なんとなく半分」ではなく、使用時間、使用回数、面積、走行距離など、一定の根拠をもとに計算しておくと安全です。


不動産投資の経費計上でよくある失敗

不動産投資では、次のようなミスが起こりやすいです。 

まず多いのが、ローン返済を全額経費にしてしまうことです。

繰り返しになりますが、経費になるのは原則として利息部分であり、元金返済は対象外です。 

次に、修繕費と資本的支出を正しく分けられていないこともよくあります。

短期的に節税したいからといって、本来資本的支出にすべきものを修繕費で処理すると、後で問題になりかねません。

国税庁は修繕費該当性の判定基準を公表しており、20万円未満、3年以内周期、60万円未満などの判断材料があります。 

さらに、領収書や明細を残していないことも典型的な失敗です。 

少額の交通費、書籍代、消耗品費などは、後から漏れやすい反面、証拠がないと計上しにくくなります。 

もうひとつ見落としがちなのが、経費にできるものを計上し忘れることです。

節税を意識するあまり危ない処理をするのではなく、本来計上できる費用を漏れなく整理することのほうが大切です。


不動産投資の経費と確定申告のポイント

不動産投資で家賃収入を得ている場合、一定の条件に応じて確定申告が必要になります。

帳簿や証憑を日頃から整えておくことが、正しい経費計上の前提です。 国税庁の不動産所得用の青色申告決算書の手引きでは、事業的規模でない不動産貸付けについては、他に事業所得がある場合などを除き、55万円・65万円の青色申告特別控除は適用されないと案内しています。

また、青色申告特別控除55万円の要件として、複式簿記による記帳や期限内申告などが示されています。 

このため、青色申告を使えば誰でも大きな控除が受けられる、と単純には言えません。 

物件数や貸付規模、記帳方法によって取り扱いが変わるため、自分の状況を確認することが大切です。 

確定申告に向けては、次の資料を最低限そろえておきましょう。

・賃貸借契約書

・送金明細、入出金履歴

・管理会社の精算書

・ローン返済予定表

・固定資産税の納税通知書

・保険証券

・領収書、請求書、レシート

・修繕工事の見積書・請求書・工事内容がわかる資料

これらを月ごと、物件ごとに整理しておくと、申告作業がかなり楽になります。


不動産投資の経費に関するよくある質問

Q1.サラリーマン大家でも経費計上できますか? 

できます。 会社員であっても、不動産所得が発生しているなら、その収入を得るために必要な支出は経費計上を検討できます。

ただし、私生活の支出と混ざりやすい費用は、家事按分や根拠の整理が欠かせません。

Q2.自宅で使っている通信費はどこまで経費にできますか?

不動産投資に使った分だけです。 私用分を含む場合は全額ではなく、使用実態に応じて按分する必要があります。

業務上必要な部分で、区分できることが重要です。

Q3.判断に迷うときはどうすればいいですか? 

迷う支出は、自己判断で進めず、税理士や税務署に確認するのが安全です。 

修繕費と資本的支出の区別、取得費の扱い、青色申告の適用要件などは、個別事情で差が出やすい論点です。


まとめ

不動産投資で利益を安定して残すためには、経費で落とせるものと落とせないものの違いを正しく理解することが欠かせません。

固定資産税や修繕費、管理費、保険料、ローン利息などは経費計上の対象になりやすい一方で、元金返済や私的な支出は経費にはできません。 

特に、不動産投資の経費は「一覧で知る」だけでなく、なぜ経費になるのか、どこからが対象外なのかという判断基準まで押さえることが大切です。

修繕費と資本的支出、家事按分などのポイントを理解しておくことで、申告ミスを防ぎながら、適切な節税につなげやすくなります。

経費計上は、不動産投資の手残りを左右する重要なポイントです。

だからこそ、認められる経費を漏れなく整理しつつ、迷う費用は専門家に確認しながら、正確な申告を心がけましょう。


参考:国税庁



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