空室対策
利回りアップのための「決まる部屋作り」マル秘テクニック
今回の共有会では、「決まる部屋作り」「家賃アップ」「満室経営」をキーワードに、変化し続ける賃貸市場で“勝ち組”になるための考え方と具体策が共有されました。
2026.01.05空室対策
2022.05.12
満室の窓口
賃貸オーナーにとって、入居者の退去時に発生する「原状回復費用」は、トラブルが最も発生しやすい問題のひとつです。
どこまでがオーナー負担で、どこからが賃借人負担なのか――を誤解したままだと、敷金トラブルや返金紛争につながります。
そこで国土交通省が策定している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」をもとに、わかりやすく整理しました。

「原状回復」とは、賃貸借契約が終了し入居者が退去する際に、その物件を入居時の状態に戻すことを意味します。
ただしここで言う「元の状態」とは、新品のような状態に戻すことではない点に注意が必要です。
なぜなら、賃貸住宅では入居者が日常的に生活する中で発生する自然な摩耗や経年劣化は避けられないものであり、それらは借主の責任にはならないとされているからです。
例えば、以下のようなケースは「原状回復の対象外(=オーナー負担)」となる場合があります。
・太陽光による壁紙の色あせ 家具の設置による軽微な床のへこみ
・長期間使用したことによる畳の自然な擦り切れ
・通常清掃でも除去できないレベルのホコリ汚れ
これらは「通常使用の範囲内」と見なされ、原状回復義務の対象外です。
逆に、賃借人が故意に傷をつけた場合や、不注意・管理不十分によって発生した損傷(例:飲み物をこぼしたまま放置して床を腐食させた、壁に穴をあけたなど)は借主が原状回復義務を負うことになります。
つまり原状回復の本質は、「誰の責任で発生した損耗なのか?」を明確にし、その責任に応じて修繕費用を負担することにあります。
参考:国土交通省

原状回復をめぐるトラブルを防ぐために、国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」を公開しています。
これは、オーナーと借主の間で責任の所在が曖昧になりがちな原状回復の範囲を、具体的なルールと判断基準で明確化することを目的としています。
このガイドラインの大原則は、次の2点に集約されます。
原則①:経年劣化・通常使用による損耗はオーナーの負担
入居者が常識的な範囲で生活していた場合に発生する、自然な摩耗や劣化は、オーナー側が修繕費を負担するべきとされています。
例: 長年の使用によるクロス(壁紙)の色あせや黄ばみ
・家具を置いたことによる床のへこみ
・日光や風通しによるフローリングの自然な退色
・設備の寿命による老朽化(例:換気扇の劣化)
これらは賃料に含まれるべきコストとされており、退去時に借主に請求することはできません。
原則②:故意・過失・善管注意義務違反による損耗は借主の負担
一方で、借主の不注意や管理不足、または通常の使用範囲を超える行為によって生じた損耗については、借主が費用を負担するとされています。
例: 喫煙による壁紙のヤニ汚れや臭い ペットの爪で引っかいたフローリングの傷
・飲み物をこぼして放置し床を腐食させた場合
・壁に画鋲や釘で穴を開けた場合(程度による)
・鍵の紛失によるシリンダー交換費用
これらは「通常使用」の範囲を逸脱しているとみなされ、借主に原状回復義務が課されます。
参考:国土交通省

賃貸オーナーにとって最も気になるのが、「原状回復にかかる費用は誰がどこまで負担するのか?」という点です。
原状回復の費用負担については、国土交通省のガイドラインに加え、2020年の民法改正によっても明確なルールが定められています。
⚫︎通常使用による損耗は、入居者の責任ではない
国交省のガイドラインでは、「日常生活の範囲内で発生する汚れや傷」については、入居者が賃料の中で既に対価を支払っているとみなされており、退去時に改めて負担させることは原則として認められていません。
これはガイドラインだけでなく、2020年4月の民法改正により法律上も次のように規定されています。
民法第621条: 「賃借人が賃貸物を通常の用法に従って使用した結果として生じた損耗や経年劣化については、原状回復義務を負わない」
つまり、入居者に落ち度がない限り、原状回復費用は原則オーナーが負担することになるのです。
⚫︎オーナーの負担が増える中、「特約」で借主に一部負担させることも可能
ただし、すべての原状回復費用をオーナーが負担するのは現実的ではありません。
そこで活用できるのが「特約」の設定です。
特に有効なのが「通常損耗補修特約(クリーニング特約)」と呼ばれる契約条項です。
これにより、通常使用による損耗のうち一定の範囲について、借主にも費用を負担してもらうことが可能になります。
【通常損耗補修特約の例とポイント】✔
具体例(契約書記載例):
「退去時のハウスクリーニング費用として33,000円(税込)を借主負担とする」
「鍵の交換費用22,000円(税込)は、退去時に借主が負担する」
「室内除菌・消臭施工費は借主の任意負担とする」
特約が有効と認められるには:
・契約書に具体的な費用と内容が明記されていること
・入居者に対し、契約時に口頭または書面で十分な説明がなされていること
・社会通念上、借主にとって著しく不利益でないこと
これらの条件を満たさない場合、後になって「特約が無効」と判断され、オーナーが全額負担しなければならない事態にもなりかねません。
📝トラブル回避のために特約を上手に活用しよう
ハウスクリーニングや鍵の交換といった対応は、ほぼ全ての退去時に発生する作業です。
これらの費用を予め借主と取り決めておくことで、退去精算時のトラブルを大幅に防ぐことができます。
また、原状回復費用については「敷金から差し引いて精算する」という流れが一般的ですが、特約で費用の範囲を事前に合意しておけば、敷金返金時の不満や訴訟リスクも減らすことが可能です。
原状回復をめぐるトラブルは、退去時に最も発生しやすい問題です。
とくに「費用の請求範囲」や「修繕対象の正当性」に関する認識のズレが、入居者との紛争に発展する要因になります。
以下では、オーナーが注意すべき典型的なトラブル事例と、実務上の対処法を解説します。
ケース1:敷金からクリーニング費用を全額差し引いたら不満を言われた
よくある入居者の主張: 「きれいに使っていたのに、なぜクリーニング費まで敷金から引かれるの?」
📌ガイドラインの見解: 国交省のガイドラインでは、通常の生活に伴う汚れや清掃については、基本的にオーナーの負担とされています。
つまり、クリーニング費を自動的に敷金から引くことは原則NGです。
賃貸借契約書に、あらかじめ「退去時クリーニング費用○円は借主負担」と特約として明記すれば、請求は有効となります。
さらに、入居時にその内容を口頭でも説明し、書面で同意を得ておくことが重要です。
ケース2:入居前からあった傷や汚れまで請求されたとクレームに
よくある入居者の主張: 「最初から床に傷があったのに、私のせいにされた!」
📌ガイドラインの見解: 原状回復の対象になるのは「入居後に新たに発生した損耗・毀損」です。
入居前から存在していた不具合については、借主に修繕責任はありません。
オーナー・管理会社として、入居時にチェックリストと室内写真を保存しておくことが非常に重要です。
さらに、入居者本人にも同意の署名をもらうことで、トラブルの抑止になります。
ケース3:タバコのヤニ汚れでクロス全面張替えを請求したら拒否された
喫煙によるヤニ汚れ・臭いは「通常使用の範囲外」と判断されることが多く、借主負担になるのが基本です。
ただし張替え範囲やクロスの経年数によっては、負担額の減額(減価償却)が必要です。
例えばクロスの耐用年数は6年とされており、3年使用後に退去した場合は、借主負担は約50%になります。
ケース4:画鋲の穴を壁破損として請求してトラブルに
小さな画鋲の穴やポスターによる軽微な跡は、「通常使用の範囲内」と判断される可能性が高く、借主負担にならないケースが多いです。
壁の損傷が軽微なものであるかどうかは、数量・深さ・範囲・美観への影響で判断されます。
判断に迷う場合は、第三者の専門業者に評価してもらうのも一つの方法です。

原状回復に関するトラブルの多くは、「契約時の取り決めが曖昧だった」「入居時の状態が記録されていなかった」ことに起因します。
つまり、トラブルを未然に防ぐ最大の鍵は、「契約前と入居時にどれだけ丁寧に準備・記録をしておくか」にかかっています。
オーナー・管理会社が以下の対策を講じることで、退去時の負担区分を明確にし、借主との認識のズレを防ぐことが可能になります。
対策①:契約書に明確な原状回復条項・特約を入れる
契約書はトラブル時の「証拠」として最も重視されます。とくに以下のような内容を明文化することが重要です。
・どこまでが借主の修繕負担となるか(範囲・内容)
・ハウスクリーニングや鍵交換費用の金額・負担者
・「通常損耗補修特約」や「喫煙による壁紙張替え」などの特約条項
⚠注意点: 特約は具体的な金額・内容を明記する必要あり
入居者に対して、事前説明と書面同意(署名・押印)が必要
社会通念に反する過剰請求は、無効と判断されるリスクあり
対策②:入居時の室内状態をドキュメント化(記録・共有)
「入居時にはすでに傷があったのに、なぜ私が払うの?」というトラブルを防ぐためには、入居前の状態を可視化・記録しておくことが最も効果的です。
・室内各所の写真撮影(壁・床・設備など)を実施
・チェックリスト形式で設備の状態や汚れの有無を記録
・記録内容を賃借人にも確認・署名してもらい、双方が控えを保管
このように「ビフォーの証拠」が残っていれば、退去時の状態との比較が容易になり、オーナー側の主張に説得力が増します。
原状回復のトラブルを防ぐには、オーナー自身が一般的な費用相場と「減価償却(耐用年数)」の考え方を理解しておくことが重要です。
これにより、退去時の精算で過剰請求や不公平な請求と見なされるリスクを減らすことができます。
まず、よく発生する原状回復項目の費用目安を見てみましょう。
ハウスクリーニングは、1R〜1LDKなどの小規模物件で2〜3万円前後、ファミリー物件では3〜4万円程度が一般的な相場です。
クロス(壁紙)の張り替えは、1㎡あたりおよそ1,000〜1,500円程度。汚れの範囲や部屋の広さによって数万円規模になることもあります。
また、鍵の交換費用は15,000〜25,000円前後、網戸の交換は1枚あたり3,000〜5,000円程度、畳の表替えは1枚あたり4,000円程度が目安です。
これらの費用は、地域や施工業者によって多少の差はあるものの、特約に記載せずに借主へ請求するのは原則不可またはトラブルの原因となるため、あらかじめ費用目安を把握した上で契約書に反映させておくことが理想です。
さらに、原状回復の費用を精算するうえで欠かせない考え方が「減価償却」です。これは、
クロスやフローリングなどの内装や設備に対して、「時間の経過とともに資産価値が減っていく」ことを踏まえて、修繕費を使用年数に応じて按分するというものです。
たとえば、国土交通省のガイドラインではクロスの耐用年数を6年としています。
つまり、6年経てばそのクロスはすでに価値がゼロとみなされ、それ以降はどんなに傷ついても借主に請求することは難しくなります。
もし入居者が3年間使用して退去し、クロスに汚れがあった場合、残存価値は50%とされ、張り替え費用の半額しか請求できないということになります。
フローリングや畳、エアコン、給湯器なども同様に、それぞれの耐用年数(おおむね6〜10年)を基準に負担割合を計算するのが適切です。
この考え方は、トラブルが裁判に発展した際にも、判断材料として重視されます。
つまり、「借主に責任があるから全額請求できる」という単純な話ではなく、いつから使われていた設備なのか、何年経っているのかを加味しなければ、法的にも請求根拠が弱くなる可能性があるのです。
退去時の費用精算では、必ず見積書とともに、耐用年数の根拠を明示し、説明責任を果たすことが求められます。
これにより、借主の納得度が高まり、トラブル防止にもつながります。
原状回復に関するトラブルは、賃貸経営において避けて通れない課題の一つです。
入居者が退去する際、「どこまでが借主の責任か」「どこからがオーナーの負担か」が曖昧なまま話が進んでしまうと、感情的な対立や敷金返還をめぐる紛争につながることもあります。
こうした事態を未然に防ぐため、国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」を示し、通常使用による経年劣化はオーナーが負担すべきであること、過失や故意による損耗については借主が原状回復費用を負担すべきであることを明確にしています。
さらに、2020年の民法改正でも同様の考え方が採用され、法律的にもその判断基準が補強されました。
原状回復の費用をめぐる誤解やトラブルを防ぐためには、契約書に「通常損耗補修特約」などの明確な条項を設けることが有効です。
退去時のハウスクリーニング費用や鍵交換費用など、定期的に発生する費用については、契約書に具体的な金額を記載し、入居時に口頭と書面で説明することが基本です。
また、入居時の室内状態を写真やチェックリストで記録し、借主と共有しておくことで、退去時の状態と比較しやすくなり、余計な争いを防ぐことができます。
さらに、原状回復費用の請求には「耐用年数」や「減価償却」の考慮も必要です。
クロスや床材、設備機器などは使用年数に応じて価値が下がるため、たとえ借主の過失によって損傷があったとしても、全額請求できるとは限りません。
ガイドラインに沿った妥当な金額で見積もりを提示することが、借主の納得感を高めるポイントになります。
原状回復は、入居時から退去時までの管理と説明の積み重ねが結果を左右します。法律・ガイドラインを正しく理解し、明文化された契約と記録を残すことで、トラブルを未然に防ぎ、入居者とも良好な関係を築いたまま、円満に契約を終了することができます。
参考:国土交通省
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