お問い合わせ
このエントリーをはてなブックマークに追加

不動産投資

2022.08.26

満室の窓口

賃貸住宅の大規模修繕積立金共済制度が認可!でも実際にはどんな制度?概要やメリット・注意点も解説

2021年11月からスタートした賃貸住宅の大規模修繕積立金共済制度。


所有している賃貸住宅の大規模修繕について頭を悩ませているオーナーにとって朗報といえるこの制度は、どのようなものなのでしょうか。


今回のコラムでは、大規模修繕積立金共済制度の概要やメリット・注意点を解説します。


<目次>
大規模修繕積立金共済制度とは
大規模修繕積立金共済制度のメリット
ー【修繕費と経費として計上できる】
ー【計画的に修繕ができる】
大規模修繕積立金共済制度の注意点
ー【修繕の対象が屋根と外壁に限られている】
ー【計画書を作成・提出する必要がある】
大規模修繕積立金共済制度を上手に活用しよう

賃貸住宅の大規模修繕積立金共済制度が認可!でも実際にはどんな制度?概要やメリット・注意点も解説


大規模修繕積立金共済制度とは


大規模な修繕をしたくても費用が多額で修繕ができないという賃貸物件のオーナーは多くいました。

実際に長期修繕計画を立て、計画的な修繕を実施しているオーナーは20%程度しかいないといわれています。 

国や業界団体は、このような状況の改善を図り、2021年11月より「修繕積立金の共済制度」が認められるようになりました。

→ この制度は、賃貸関係団体が立ち上げる共済協同組合を通じて、物件の修繕積立金を共済掛金にすることで、分譲マンションなどと同様の長期修繕計画を立てることが可能となることが特徴です。 

この共済掛金の窓口である全国賃貸住宅修繕共済協同組合は、全国賃貸管理ビジネス協会、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会、公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会が協力して立ち上げた組合で、これらの団体に加盟する管理会社から代理店を募り、そこが窓口となってオーナーに共済を普及させる計画となっています。

しかし制度の詳細は、まだ決定していない状況です。


大規模修繕積立金共済制度のメリット


賃貸業界待望の大規模修繕積立金共済制度は、

「賃貸住宅の大規模修繕積立金の損金算入制度(全国賃貸住宅修繕共済協同組合の共済掛金制度)」が正式名称となっています。 

では、大規模修繕積立金制度を活用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。


【修繕費を経費として計上できる】

大規模修繕積立金共済制度は、賃貸住宅の修繕積立金を共済掛金として計上することで、経費として扱うことができます。

 加入者は、共済掛金を修繕資金の毎月の積み立てにすることで損金と認められます。

そのため、節税効果も期待できることが大きなメリットと言えるでしょう。 

例えば、10年後に外壁・屋根の修繕で1,000万円がかかる場合に共済を利用すれば、毎年100万円の掛金を経費化することができます。

オーナーの所得税、住民税の税率が30%だとすると100万円×30%で毎年30万円の税負担を軽減することになります。


【計画的に修繕ができる】

共済に加盟するためには、長期修繕計画を提出しなくてはなりませんが、計画書を作成することにより適切なタイミングで修繕をすることができるようになります。


大規模修繕積立金共済制度の注意点


では、大規模修繕積立金共済制度には、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。


【修繕の対象が屋根と外壁に限られている】

大規模修繕をする設備はさまざまですが、現時点で共済が対象としている工事は、外壁と屋根に限られているので注意が必要です。

 エレベーターや受水槽、給排水管などの設備は対象外となるので、これらの修繕には従来どおりの方法で資金を確保する必要があります。


【計画書を作成・提出する必要がある】

修繕計画には、それなりの知識が必要となるため、オーナーの知識不足で修繕計画の作成が進まず制度が利用されないことも業界では懸念されています。

修繕計画書の作成は、工事会社や管理会社と協力しながら進めると良いでしょう。


大規模修繕積立金共済制度を上手に活用しよう


この積立制度がうまくいけば、節税しながら将来の大規模修繕に備えることが可能となります。

 現状は外壁と屋根だけが制度の対象となっていますが、今後は共済制度の対象を増やしていく計画もあるようです。

 修繕計画書などを事前に作成する手間暇はかかるものの、大規模修繕積立金共済制度を上手に活用し、計画的な賃貸経営を行ってみるのも一つの方法と言えそうです。 

(画像は写真ACより)



-----------------------------------------------------------
2.8ヶ月で満室の実績を誇る「満室の窓口」では、賃貸経営にお役に立つ情報を日々発信しています!

入居者ニーズの変化や新型コロナウイルス感染拡大などによって、時代の変化に応じた取組みが今まで以上に必要となってきました。

そこで、満室の窓口では、賃貸オーナーの皆様のお悩み、課題を安心安全な状態で解決するために、毎月オンラインセミナーを開催し、最新の賃貸経営情報をご提供しております。

石川県仲介件数9年連続No.1の「満室の窓口」が主催するオンラインセミナーは下記のバナーをクリック!

その他、賃貸オーナーの皆様にお役に立てる情報をメルマガ・LINEにて配信しております。

こちらもぜひご登録お願いたします!
-----------------------------------------------------------

満室の窓口、リノベーション、リノッタ、空室対策 賃貸オーナー、賃貸経営、空室対策、メルマガ


関連記事

  • 不動産投資

    金利が上昇すると不動産価格が下落する仕組みを解説!

    「金利が上がると不動産価格は下がる」と耳にすることがありますが、その背後にはどのような仕組みが働いているのでしょうか。 本記事では、金利上昇が不動産価格にどのような影響を与えるのか、そのメカニズムと投資家・不動産購入者が取るべき対策について詳しく解説します。

    2024.09.09
  • 不動産投資

    【2024年7月】宅地建物取引業者の報酬規定改正

    国土交通省は、空き家の流通を促進するために、宅地建物取引業者の報酬規定の改正に踏み切りました。 報酬規定の改正は6年ぶりの大幅な見直しとなり、売買特例の拡充だけでなく、新たに賃貸用の空き家に対する報酬特例も創設される予定です。 本記事では、この改正のポイントと影響について詳しく解説します。

    2024.06.24
  • 不動産投資

    中古マンションのリノベーション投資|メリットとデメリット

    人生100年時代といわれる今、不動産投資が注目されています。 中古マンションのリノベーション投資は、初期投資の負担を軽減できる点で、新築物件投資が難しい方々にも注目されています。 この記事では、中古マンションリノベーション投資のメリット・デメリットと、不動産投資の失敗例、投資を始める際の重要なポイントを解説します。

    2024.04.03
  • 不動産投資

    入居が決まらない理由は「メンテナンス」にある?|不動産投資

    あなたの物件がなぜ選ばれないのか、その秘密を解き明かします。共用部のメンテナンス不足が与える影響、改善策から差別化戦略まで、魅力的な物件へと生まれ変わる方法を紹介します。

    2024.02.29