不動産投資
サラリーマン大家の失敗例5選|初心者が避けたい原因と対策
サラリーマン大家が陥りやすい失敗例を5つ紹介し、それぞれの原因と対策を解説します。 これから不動産投資を始める方や、1件目の物件購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
2023.03.22不動産投資
2023.04.28
満室の窓口
不動産投資を始めると、「開業届は出したほうがよいのか」「提出しないと問題があるのか」「青色申告をするには開業届が必要なのか」と悩む方も多いでしょう。
結論からいうと、不動産を所有して家賃収入を得ているすべての人に、開業届の提出が一律に求められるわけではありません。
国税庁は、事業的規模で不動産貸付けを始めた場合に、開業届を提出する必要があると案内しています。
事業的規模の目安は、アパートやマンションなどがおおむね10室以上、戸建てなどの独立家屋がおおむね5棟以上です。
青色申告を利用したい場合に重要なのは、開業届ではなく、別途「所得税の青色申告承認申請書」を期限内に提出することです。
開業届を提出しただけで、自動的に青色申告になるわけではありません。
この記事では、不動産投資家向けに、開業届が必要になるケース、事業的規模の判定基準、青色申告との違い、提出期限、注意点、具体的な手順を解説します。
※本記事は2026年6月時点の制度に基づいて作成しています。


不動産投資における開業届の要否は、単に土地や建物を購入したかどうかだけで決まるものではありません。
不動産貸付けを開始したか、その貸付けが社会通念上事業といえる規模で行われているかなどを踏まえて判断します。
土地や建物を貸し付けて得た所得は、貸付けの規模にかかわらず、原則として不動産所得に分類されます。
不動産所得は、家賃や更新料などの総収入金額から、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費などの必要経費を差し引いて計算します。
一方、開業届について、国税庁は事業的規模で不動産貸付けを開始した場合に提出が必要と案内しています。
したがって、アパートやマンションをおおむね10室以上、戸建てをおおむね5棟以上貸し付ける場合は、開業届の提出を進めるのが基本です。
区分マンション1室や戸建て1棟を貸しているだけの場合、通常は「5棟10室」の目安を満たしません。
そのため、不動産を購入したという理由だけで、直ちに事業的規模と判断されるわけではありません。
ただし、開業届の要否と、確定申告や青色申告承認申請書の要否は別の問題です。
小規模な不動産貸付けでも、不動産所得が発生していれば確定申告が必要になることがあります。
また、事業的規模に満たなくても、青色申告承認申請書を提出して要件を満たせば、最高10万円の青色申告特別控除を受けられる場合があります。
開業届を出したからといって、不動産貸付けが自動的に事業的規模になるわけではありません。
反対に、開業届を出していなくても、実際の貸付規模や運営状況から事業的規模と判断されることがあります。
事業的規模かどうかは、開業届の有無ではなく、物件数、貸室数、収入規模、管理の実態などを踏まえて判断されます。

開業届は、個人が新たに事業を開始したことなどを税務署へ知らせるための書類です。
不動産投資では、事業的規模の不動産貸付けを始めた場合に関係します。
一般に「開業届」と呼ばれる書類は、国税庁の現行手続では「個人事業の開廃業等届出書」と案内されています。
開業のほか、事業の廃止、事業所の新設・移転などがあった場合にも使用される書類です。
開業届には、主に次の項目を記載します。 納税地 氏名、生年月日、個人番号 職業 屋号 開業日 所得の種類 事業の概要 給与を支払う従業員や専従者の有無 不動産貸付けの場合、所得の種類は原則として「不動産所得」を選択します。
職業欄には「不動産賃貸業」など、事業内容が分かる表現を記載するとよいでしょう。 屋号は必須ではないため、使用しない場合は空欄でも構いません。
2026年1月1日以後に事業を開始した場合、開業届の提出期限は、事業開始の事実があった日の属する年分の所得税の確定申告期限までです。
例えば、2026年中に開業した場合は、原則として2026年分の所得税の確定申告期限までに提出します。
従来の「開業から1か月以内」という期限から変更されている点に注意しましょう。
ただし、後述する青色申告承認申請書の提出期限は変更されていません。
開業届の期限に余裕があるからといって、青色申告の手続きまで後回しにすると、初年度から青色申告を利用できなくなる可能性があります。
開業届と混同されやすいのが、「所得税の青色申告承認申請書」です。
両者の役割は次のとおりです。
| 書類 | 主な目的 |
|---|---|
| 個人事業の開廃業等届出書 | 事業を開始した事実などを届け出る |
| 所得税の青色申告承認申請書 | 青色申告の承認を申請する |
開業届を提出しただけでは、青色申告を利用できません。
青色申告を希望する場合は、原則として青色申告をしようとする年の3月15日までに、青色申告承認申請書を提出します。
その年の1月16日以後に新たに不動産貸付けを始めた場合は、貸付けを開始した日から2か月以内が提出期限です。
開業届そのものに、所得を控除したり、税率を下げたりする効果はありません。
開業届を提出したからといって、それまで経費にならなかった支出が自動的に経費になるわけでもありません。
税負担の軽減につながる可能性があるのは、青色申告の承認を受ける、必要経費を正しく計上する、減価償却を適切に行う、帳簿を整備するといった対応です。
支出を必要経費にできるかどうかは、開業届の有無ではなく、不動産収入を得るために直接必要な費用であり、私的な支出と明確に区分できるかによって判断されます。
不動産投資の開業届や青色申告を考える際に重要なのが、不動産貸付けが事業的規模に該当するかどうかです。
事業的規模かどうかによって、青色申告特別控除の上限額や、青色事業専従者給与の適用などが変わります。
貸間、アパート、マンションなどについては、貸し付けることができる独立した室数がおおむね10室以上であれば、原則として事業的規模として扱われます。
判断の基準になるのは、現在入居している部屋数ではなく、貸し付けることができる独立した室数です。
全10室のアパートで2室が空室であっても、貸付可能な独立した室数が10室であれば、形式的な基準を満たす可能性があります。
戸建てなどの独立家屋については、おおむね5棟以上が事業的規模の目安です。
そのため、戸建てを1棟ずつ買い増している投資家は、5棟前後になった時点で、開業届、青色申告、帳簿管理、専従者給与などの手続きを見直す必要があります。
アパートと戸建てを組み合わせて所有している場合は、一般に、戸建て1棟をアパート・マンションの2室程度に換算して考える方法があります。
ただし、国税庁が示している「5棟10室」は、建物の貸付けに関する形式的な目安です。
土地、駐車場、倉庫などを含む場合や、特殊な貸付形態の場合は、単純な室数・棟数だけでは判断できないことがあります。
不動産貸付けが事業として行われているかどうかは、原則として、社会通念上事業といえる程度の規模かどうかによって実質的に判断されます。
5棟10室未満であっても、貸付規模、収入、管理体制などから事業的規模と判断される可能性があります。
反対に、特殊な事情がある場合は個別の確認が必要です。 事業的規模に該当するかどうかは、青色申告特別控除や専従者給与に影響します。
判断に迷う場合は、物件一覧、賃貸借契約書、収支資料などを用意して、税務署または税理士に確認しましょう。
開業届そのものに直接的な節税効果はありません。
税務上のメリットを受けるために重要なのは、青色申告承認申請書を期限内に提出し、必要な帳簿を作成することです。
青色申告者は、要件に応じて最高10万円、55万円または65万円の青色申告特別控除を受けられます。
不動産貸付けが事業的規模に満たない場合は、原則として最高10万円です。
事業的規模に該当し、複式簿記で記帳したうえで、貸借対照表と損益計算書を添付し、期限内に確定申告を行うなどの要件を満たすと、最高55万円の控除を受けられます。
さらに、e-Taxによる期限内申告または一定の優良な電子帳簿保存の要件を満たすと、最高65万円の控除を受けられます。
| 不動産貸付けの状況 | 控除額の目安 |
|---|---|
| 事業的規模に満たない青色申告者 | 最高10万円 |
| 事業的規模で複式簿記などの要件を満たす | 最高55万円 |
| 55万円控除の要件に加え、e-Tax等の要件を満たす | 最高65万円 |
控除額は、不動産所得などの黒字額が上限です。控除額を差し引く前の所得が10万円未満であれば、10万円全額を控除できるわけではありません。
不動産投資の規模が大きくなると、家族に物件管理、入居者対応、経理、清掃などを手伝ってもらうことがあります。
青色申告者が事業的規模で不動産貸付けを行っている場合、一定の要件を満たせば、家族に支払った給与を青色事業専従者給与として必要経費に算入できます。
主な要件は次のとおりです。
不動産貸付けが事業的規模に満たない場合、青色事業専従者給与は適用できません。
また、青色事業専従者として給与を受け取る家族は、原則として同一生計配偶者や扶養親族として扱えなくなります。給与を支払う前に、世帯全体の税負担も比較しましょう。
青色申告では、家賃収入、管理費、修繕費、ローン利息、減価償却費などを帳簿へ記録します。
帳簿を作成することで、次のような項目を把握しやすくなります。
・物件ごとの収益性 実際の経費率
・未収家賃
・修繕費の推移
・ローン元本と利息の内訳
・建物や設備の帳簿価額
・年間の税引前利益
なお、記帳や帳簿保存は、青色申告者だけのものではありません。
個人で不動産貸付けを行う人には、所得税の申告が不要な場合を含め、記帳と帳簿・書類の保存が求められます。
開業届の提出や青色申告の開始をきっかけに、家賃の入金口座、経費の支払口座、契約書、請求書、領収書などを不動産賃貸業用に整理しやすくなります。
個人の生活費と物件関係の支出を分けて管理すれば、経費の集計や確定申告がしやすくなります。
ただし、開業届を出しただけで融資審査が有利になるとは限りません。
金融機関は、物件収支、返済実績、資産状況、信用情報などを総合的に確認します。

開業届は、提出すればすべての税務手続きが完了する書類ではありません。
青色申告の期限、経費の判断、勤務先の規定なども確認する必要があります。
2026年1月1日以後の開業届は、原則として開業した年分の確定申告期限まで提出できます。
一方、青色申告承認申請書の期限は、原則として次のとおりです。
| 貸付けを開始した時期 | 青色申告承認申請書の期限 |
|---|---|
| その年の1月15日以前 | その年の3月15日まで |
| その年の1月16日以後 | 貸付け開始日から2か月以内 |
開業届より青色申告承認申請書の期限が先に到来することがあります。
初年度から青色申告を利用したい場合は、開業届と青色申告承認申請書を同時に準備するのが安全です。
不動産所得の必要経費にできるのは、不動産収入を得るために直接必要な費用のうち、私的な支出と明確に区分できるものです。
代表的な必要経費には、次のものがあります。
一方、ローンの元本返済、私生活に関する支出、不動産賃貸業との関係を説明できない費用などは、原則として必要経費にはなりません。
「開業届を出したから何でも経費にできる」と考えず、支出の目的と不動産賃貸業との関係を記録しておきましょう。
5棟10室は分かりやすい基準ですが、あくまで建物貸付けについての形式的な目安です。
一棟貸しの大型物件、駐車場、土地、倉庫、複合用途の物件などでは、室数や棟数だけでは判断しにくい場合があります。
55万円または65万円の青色申告特別控除や、青色事業専従者給与を適用する場合は、事業的規模の判定が税額に直接影響します。
判断が難しい場合は、適用前に税理士または税務署へ確認してください。
会社員が不動産投資を行う場合は、勤務先の就業規則や副業規定を確認しましょう。
不動産投資は資産運用として扱われることもありますが、物件数が多い場合や、自ら継続的に管理業務を行っている場合などは、勤務先から副業として取り扱われる可能性があります。
開業届を提出した事実が税務署から勤務先へ直接通知される手続きではありませんが、勤務先の規定に違反しないかは別途確認が必要です。
開業届を出していなくても、所得税の確定申告が必要になることがあります。
例えば、給与を1か所から受けている一般的な会社員で、給与収入が2,000万円以下の場合でも、給与所得と退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。
ここでいう20万円は、家賃収入の総額ではなく、家賃収入などから必要経費を差し引いた後の不動産所得を含む所得金額です。
また、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。具体的な取り扱いは住所地の自治体へ確認しましょう。
開業届の作成自体は複雑ではありません。
ただし、開業日、所得区分、青色申告の有無を事前に整理しておくと、その後の帳簿作成や確定申告がスムーズです。
最初に、開業届へ記載する開業日を確認します。
不動産投資では、物件を購入した日と、実際に不動産貸付けを開始した日が異なることがあります。
既存入居者付きのオーナーチェンジ物件、空室物件を取得して入居募集を始めたケース、新築物件を建築したケースなど、状況によって事業開始日の考え方が変わる可能性があります。
単に物件を購入した日だけで決めず、不動産を貸し付けられる状態になった時期や、実際の賃貸借契約の状況を踏まえて判断しましょう。
判断に迷う場合は、売買契約書、引渡書、賃貸借契約書、募集開始日が分かる資料などを用意して、税務署または税理士へ確認してください。
土地や建物を貸し付けて得る所得は、原則として不動産所得です。
不動産所得は、次の式で計算します。
不動産所得=不動産収入の総額-必要経費
不動産貸付けが事業的規模であっても、所得区分が「事業所得」に変わるわけではありません。事業的規模の不動産貸付けによる所得も、原則として不動産所得です。
ただし、宿泊サービスや人的サービスを伴う施設運営などは、運営実態によって所得区分が異なる場合があります。
開業届には、氏名、納税地、開業日、所得の種類、事業概要などを記載します。
不動産貸付けの場合の記載例は次のとおりです。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 職業 | 不動産賃貸業 |
| 所得の種類 | 不動産所得 |
| 事業の概要 | 居住用アパートの賃貸および管理 |
| 屋号 | 任意。使用しない場合は空欄 |
| 開業日 | 実際に貸付事業を開始した日 |
個人番号の記載が必要になるため、書面で提出する場合は、本人確認書類の取り扱いも確認しましょう。
開業届は、納税地を所轄する税務署へ提出します。
主な提出方法は次の3つです。
2025年1月以後、税務署では、書面で提出した申告書や届出書の控えに収受日付印を押していません。
e-Taxで提出した場合は、送信データと受信通知を保存しましょう。
郵送や窓口で提出する場合は、提出書類の写しを保存し、提出日や郵送記録などを自身で管理してください。
青色申告を利用したい場合は、開業届とは別に青色申告承認申請書を提出します。
その年の1月16日以後に不動産貸付けを開始した場合、原則として開始日から2か月以内です。
期限を過ぎると、原則としてその年から青色申告を利用できず、翌年分からの適用になる可能性があります。
提出後は、控除額に応じて必要な記帳方法を選びます。
最高55万円または65万円の青色申告特別控除を目指す場合は、複式簿記に対応した会計ソフトを使用し、早い段階から帳簿を整えておくとよいでしょう。
事業的規模で不動産貸付けを行い、家族に給与を支払う場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」も確認します。
提出期限は、原則として給与を必要経費に算入しようとする年の3月15日までです。
その年の1月16日以後に開業した場合や、新たに専従者がいることになった場合は、その日から2か月以内です。
届出書を提出しただけでは、支払った給与の全額が必ず必要経費になるわけではありません。仕事内容、勤務時間、支給額などに照らし、労務の対価として相当である必要があります。
Q. 開業届を出さないと罰則はありますか?
開業届の未提出と、確定申告や納税を行わないことは別の問題です。
開業届を提出していないからといって、家賃収入の申告や納税が不要になるわけではありません。
事業的規模で不動産貸付けを開始した場合は、国税庁の案内に沿って開業届を提出しましょう。
期限を過ぎている場合は、そのまま放置せず、所轄税務署へ確認したうえで速やかに対応してください。
また、開業届より注意が必要なのが青色申告承認申請書です。
期限を過ぎると、その年から青色申告を利用できない可能性があります。
Q. 開業届を出さなくても青色申告できますか?
開業届と青色申告承認申請書は別の書類です。 青色申告の承認を受けるために直接必要なのは、青色申告承認申請書を期限内に提出することです。
ただし、事業的規模で不動産貸付けを開始している場合は、開業届も提出する必要があります。どちらか一方だけで手続きを終わらせず、両方の提出要否と期限を確認しましょう。
Q. 開業届を出せば青色申告できますか?
開業届を提出しただけでは青色申告はできません。
別途、所得税の青色申告承認申請書を期限内に提出する必要があります。
青色申告特別控除を受けるためには、控除額に応じた記帳、決算書の作成、期限内申告などの要件を満たさなければなりません。
Q. 赤字でも開業届は必要ですか?
開業届の要否は、その年の不動産所得が赤字か黒字かではなく、事業を開始したか、不動産貸付けが事業的規模かなどによって判断します。
不動産所得が赤字の場合、原則としてほかの黒字所得と損益通算できることがあります。
ただし、土地などを取得するための借入金利息に相当する部分など、損益通算の対象にならない損失もあります。
赤字で申告する場合は、ローン利息、土地・建物の取得価額、減価償却費の計算を慎重に確認しましょう。
Q. 会社員が開業届を出すと勤務先に知られますか?
開業届を提出したことが、税務署から勤務先へ直接通知される手続きではありません。
ただし、勤務先の就業規則、不動産所得の確定申告、住民税の取り扱いなどを通じて、給与以外の所得があることを勤務先に把握される可能性はあります。
勤務先に知られないことを前提に手続きを考えるのではなく、まず就業規則や副業規定を確認しましょう。
Q. 開業届を提出した後に物件を売却したら廃業届が必要ですか?
すべての賃貸物件を売却し、今後も不動産貸付けを行わない場合は、廃業に関する手続きを確認します。
一部の物件だけを売却し、ほかの物件の貸付けを続ける場合は、通常、賃貸事業そのものを廃止したことにはなりません。
青色申告を取りやめる場合や、家族・従業員への給与支払いを終了する場合は、関連する届出も確認しましょう。
不動産投資の開業届は、すべての投資家に必要なわけではありません。
目安として、アパート・マンションは10室以上、戸建ては5棟以上になると、事業的規模として提出を検討します。
また、開業届と青色申告承認申請書は別の手続きです。青色申告を利用する場合は、提出期限を確認して早めに申請しましょう。
判断に迷う場合は、税務署や税理士へ相談するのが安心です。
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