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空室対策

2024.04.03

満室の窓口

賃貸選びの新常識|宅配ボックスの重要性とメリット

近年、宅配ボックスが賃貸市場で急速に注目されています。

その背景には、インターネットの普及によるオンラインショッピングの増加や、忙しい現代人のライフスタイルの変化があります。


2023年に全国賃貸住宅新聞から発表された「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まるTOP10」にも宅配ボックスはランクインしており、物件の付加価値を高める重要な設備でもあります。

これに伴い、賃貸物件を選ぶ際の新たな基準として、宅配ボックスの有無が重要視され始めているのです。


<目次>
1.宅配ボックスが注目される背景
 ーEC市場の拡大
 ー物流の2024年問題
2.宅配ボックスの重要性:なぜ今、必要なのか?
 ーオンラインショッピングの増加
 ー不在時の荷物受取問題
3.宅配ボックス付き賃貸のメリット
 ー荷物受取の安心と便利さ
 ープライバシー保護とセキュリティ向上
 ー物件価値の向上
4.賃貸アパート向け宅配ボックスの種類
 ーデジタル式ロッカー型
 ーダイヤル式ロッカー型
 ー個別置き型
5.宅配ボックスを設置する上での注意点
 ー扉が開かないトラブル
 ー邪魔な場所への設置
 ー保管期間の過剰な延長
6.宅配ボックスの導入で「選ばれる物件」に|まとめ


1.宅配ボックスが注目される背景

ーEC市場の拡大

コロナ禍を経て、EC市場は急速に拡大しています。

2023年のEC市場規模は、前年比11.4%増の20兆9,161億円に達し、過去最高の規模となりました。

EC市場の拡大に伴い、宅配荷物も増加しています。

2023年の宅配便取扱個数は、前年比4.5%増の48億個に達し、過去最多を更新しました。


ー物流の2024年問題

2024年4月、働き方改革関連法により、トラックドライバーの労働時間規制が強化されます。

この規制強化により、物流業界全体で約8%の輸送能力不足が懸念されています。 

これは、荷物が届かなくなる、配送料金が値上げされる、再配達がさらに増加するなど、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があることを示しています。

政府も、宅配ボックスの普及を推進しており、2020年には、経済産業省が「宅配ボックス導入ガイドライン」を策定し、普及に向けた取り組みを加速させています。

宅配ボックスの普及は、再配達問題の解消にも貢献しています。

再配達は、宅配業者にとって大きな負担であり、環境負荷にもつながる問題です。

宅配ボックスがあれば、不在時の再配達を減らすことができ、効率的な物流を実現できるとされています。


2.宅配ボックスの重要性:なぜ今、必要なのか?

ーオンラインショッピングの増加

前述したように、2023年のEC市場規模は、前年比11.4%増の20兆9,161億円に達し、過去最高の規模となりました。

オンラインショッピングの利便性は、多忙な日々を送る現代人にとって欠かせないものとなっています。


ー不在時の荷物受取問題

オンラインショッピングの需要が高まる一方で、配送時に受取人が不在である場合の問題が顕在化しています。

宅配ボックスは、このような問題を解決し、いつでも荷物を受け取ることができるようにする重要な役割を担っています。


3.宅配ボックス付き賃貸のメリット

ー荷物受取の安心と便利さ

宅配ボックスがあれば、不在時に荷物を受け取ることができます。

従来の置き配では、盗難やいたずらなどのリスクがありましたが、宅配ボックスであればそのような心配がありません。

宅配ボックスは、24時間365日いつでも荷物を受け取ることができ、時間帯を気にせず、自分のペースで荷物を受け取れるのは非常に便利です。


ープライバシー保護とセキュリティ向上

宅配ボックスは、鍵付きや暗証番号式など、セキュリティ対策がしっかりとしているものが多いため、盗難やいたずらのリスクを軽減できます。

また、直接手渡しの必要がないため、プライバシーの保護にも繋がります。

一人暮らしの場合、知らない人との対面を避けられるので、防犯面でも安心できます。


ー物件価値の向上

宅配ボックスは、入居者にとって魅力的な設備の一つであるため、空室リスクの低減に効果があります。

特に、共働き世帯や一人暮らし世帯など、荷物を受け取る時間帯が限られる人にとって、宅配ボックスは重要な設備です。

また、物件の付加価値を高める設備として、家賃相場の向上にもつながります。

実際、宅配ボックス付きの賃貸物件は、そうでない物件よりも家賃相場が高い傾向があります。


4.賃貸アパート向け宅配ボックスの種類

ーデジタル式ロッカー型

画像提供:ナスタ
K S -TL01宅配ボックス(プチ宅unit)
前入前出/デジタルキー・防水タイプ/ポスト組合わせ

 

デジタル式のロッカー型宅配ボックスは、防犯性と利便性の両方に優れています。

デジタル式のロッカー型宅配ボックスは、扉の操作や荷物の管理、保管時間の追跡がコンピューターによって自動的に実行されるため、高度なセキュリティを確保しています。

さらに、何らかの問題が生じた場合には、コールセンターへの連絡で迅速に対応が可能です。

しかし、この技術の導入には購入費、設置費、電気代、そしてメンテナンス費用といった高額なコストが伴います。


【デジタル式宅配ボックスの使い方】

デジタル式の宅配ボックスは、荷物の管理を液晶パネルを介して行い、受け取りや預け入れが可能です。

入居者はICカードやパスコードを用いて、自分の部屋番号にリンクされた荷物を安全に取り出すことができ、これにより盗難のリスクを軽減します。

このシステムは室内のインターホンにも接続されており、宅配物が届いた際には通知を受け取ることができます。

さらに、配達員には荷物の配達確認を自動で行う電子受領印を押す機能も提供されています。


ーダイヤル式ロッカー型

画像提供:キロ
神栄ホームクリエイト 宅配ボックス(テンキー式)
ボックスサイズ 中 + 中 SK-CBX-T02
『集合住宅用宅配ボックス マンション用 旧メーカー名 新協和』  64856301
 


一般的なダイヤル式の宅配ボックスは、デジタル式と比較して設置やメンテナンスの費用が低く抑えられます。

また、維持費もほとんどかかりません。

しかし、ダイヤル式はデジタル式のようにコンピュータで管理されていないため、盗難のリスクがデジタル式よりも高いというデメリットがあります。


【ダイヤル式宅配ボックスの使い方】

ダイヤル式宅配ボックスでは、配達員が荷物を預かる際に都度新しいパスコードを設定し、そのコードを不在通知に記載して入居者の郵便受けに入れます。

この不在通知に書かれたパスコードを使って、入居者は宅配ボックスのロックを解除して荷物を受け取ります。

ただし、配達員がパスコードを記入し忘れたり誤って記入した場合、入居者は荷物を取り出すことができず、問題が生じる可能性があります。


ー個別置き型

個別の住戸の玄関前に配置する宅配ボックスは、ロッカー型よりも設置が容易で、コストも抑えられます。

このタイプを賃貸アパートの全戸に導入することで、手頃な価格で宅配ボックスサービスを提供できます。

防犯面では、南京錠や固定ワイヤーを用いたセキュリティ強化が施されています。


宅配物は、配達員によって宅配ボックスに置かれ、南京錠などでロックされます。

入居者は自らの鍵を使用してボックスを開け、荷物を取り出します。

簡単な設置と使用法で便利ですが、鍵の紛失や盗難のリスクが高まるというデメリットも伴います。


5.宅配ボックスを設置する上での注意点


ー扉が開かないトラブル

宅配ボックスのトラブルの中でも、特に多いのが扉が開かないトラブルです。 

【原因 】

・暗証番号やカードキーの入力ミス 

・荷物の詰め込みすぎ 

・ボックス内部の故障

・電池切れ

・誤操作によるロック


トラブルを予防するために、暗証番号やカードキーは、誤入力を防ぐために慎重に入力する、 ボックス内部の定期的な点検を行う、 電池切れを防ぐために、定期的に電池交換を行う、取扱説明書をよく読んで誤操作を防ぐ、などの対策を行いましょう。


ー邪魔な場所への設置

宅配ボックスを設置する場所として、以下の場所は避けるべきです。 

・通路や出入り口の妨げになる場所

・車の出入りを妨げる場所 視界を遮る場所

・日当たりや風通しが悪い場所

・雨水が溜まりやすい場所


特に、メーターボックスが開けられない位置や、近隣住戸の邪魔になるような場所に設置しないよう注意が必要です。 

賃貸アパート内に設置場所が見つからない場合、屋外用の防水タイプの宅配ボックスを選択することも可能です。


ー保管期間の過剰な延長

保管期間を過剰に延長すると、以下の影響が発生する可能性があります。 

・荷物置き場不足

・荷物の紛失や盗難

・虫やカビの発生

・悪臭の発生


【対処法】

・大家さんと相談し、適切な保管期間を設定する

・入居者に保管期間を明確に伝える

・保管期間を過ぎた荷物は、速やかに処分する


宅配ボックスは、入居者にとって利便性の高い設備ですが、設置にあたっては、保管期間を適切に設定することが重要です。

保管期間の過剰な延長は、トラブルの原因となる可能性があるので、注意が必要です。


6.宅配ボックスの導入で「選ばれる物件」に|まとめ

宅配ボックスは単なる便利な設備ではありません。

現代の労働力不足という社会的課題の解決策としても価値を持ち始めています。

これは入居者にとってだけでなく、より広い社会にとっても利益をもたらす重要な設備となっています。

まだ宅配ボックスを導入していない方や、すでに導入しているがその容量に不満を感じている方は、この機会に宅配ボックスの導入や増設について再考する良い機会かもしれません。


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