税金対策
暦年贈与活用のポイント
本記事では、暦年贈与を利用した財産移転のポイントを、基礎控除の枠内で計画的に行う方法、基礎控除を超えた場合の累進課税への対応、そして実際の贈与金額による節税効果を比較検討します。
2024.07.18税金対策
2024.07.03
満室の窓口
相続税対策として「生前贈与」が注目を集める中、効果的な分割対策を行うことがますます重要になっています。
生前に財産を贈与することで、将来の相続税負担を軽減するだけでなく、家族間での財産のスムーズな移転も実現できます。
しかし、贈与を行う際には、その基本をしっかり理解することが必要です。
本記事では、贈与の基本概念から定期贈与、負担付贈与、死因贈与などの具体的な贈与の種類について詳しく説明します。
さらに、贈与税の課税価格についても触れ、どのように税額が計算されるのかをわかりやすく解説します。
これらの情報をもとに、効果的な生前贈与の計画を立てる際の参考にしてください。
今回のテーマは「生前贈与」です。
節税対策はもちろん、分割対策でも使っていただきたいと思います。
なぜかと言うと、最大のメリットは本人が生きている間に財産分けを確定できる点にあると言えます。
例えば、遺言書で「この物件を長男に残す」と書いたとしても、長男はその物件を「いらない」と言うことができます。
その場合は、残った他の人で話し合いを行います。
遺言書通りに行くかどうかは、ご自身が亡くなった後でないとわかりません。
それを生きているうちに長男に譲ってしまえば、確実にその物件が長男のものになったことを確認できます。
生きているうちに渡して、喜んでもらうというのが分割対策の一つとなります。
ただし、贈与のネックは税金です。
贈与税の税率は相続税よりも高く設定されていますので、上手に利用するにはテクニックが必要です。
以下で、代表的な方法を紹介します。
2023年に税制改正が行われたことで、今までの贈与の考え方が少し変わるかもしれません。
ご自身に合った相続対策を行いましょう。
贈与とは、自分の財産を無償で相手方に贈るという意思表示をして、相手方がこれを承諾することによって成立する契約です。
ともすると、あげる側の意思はしっかりとあるのに対して、もらう側の意思がないケースがあります。
例えば、お爺さんが孫のために、孫名義の預金通帳に一生懸命にお金を貯めていたとします。
ただ、その通帳の存在を孫が知らなかった場合、そこに「もらいます」という意思がないということになります。
これでは、いくらお爺さんが孫に預金通帳を渡したつもりでいたとしても贈与は成立しません。
このまま、お爺さんが亡くなってしまうと、相続税の課税対象財産となり遺産分割の対象財産にもなります。
また、別のお話にはなりますが、「100万円をあげます」「もらいます」という口約束をしても実際には簡単に信用することはできません。
そのために、契約書を交わしましょうという話になります。
契約書がない場合は、履行前であれば取り消すことが可能です。
契約書があれば原則「解除不可」となりますが、履行前であれば取り消しできるのでは?
という質問も多くいただきます。
契約書を交わしたのにもかかわらず、取り消しとならないために、「100万円を渡してくれなければ違約金として10万円を払う」という契約を結んでおくと履行されない場合は違約金を請求できます。
贈与をより深く知っていただくために、以下では贈与の特殊な形式をお伝えします。
1つめは定期贈与です。
定期贈与とは、一定期間、一定の金額を贈与するという形式をとります。
例えば、100万円を10年にわたって贈与する‥こちらの手法をとっている方は非常に多くいます。
しかし、最初から1,000万円受け取るつもりとみなされて、課税される可能性があるのです。
そうならないために、注意する点が3つあります。
1.金額を変えること
(今年は100万円、来年は90万円、再来年は110万円‥と毎年受け取る金額を変える)
2.時期を変えること
(3月、6月、9月など受け取る時期を変える)
3.種類を変えること
(現金、株式、投資信託など種類を変える)
これは、単年契約というものになるので、毎年契約書を交わすことになります。
毎年100万円ずつ贈与していれば単年契約になっていないものとみなされますので注意が必要です。
2つめは負担付贈与です。
負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与をいいます(民法第553条、第551条第2項)。
例えば、長男に自宅を譲る代わりにローンの残りを支払ってもらうというケースになります。
ここでの注意点は、負担付贈与は時価評価に変わるという点です。
通常の贈与の場合の評価は相続税評価(時価の約8割)ですが、負担が付いている(ローンなどの債務が付いている)評価は時価評価となります。
相続税評価額が2,500万円だった場合、時価は3,000万円ほどになります。
ローンが1,000万円ある場合は、ローンを引いた残りの2,000万円が課税対象となります。
また、賃貸物件の不動産を贈与するときは敷金を別に現金で贈与してください。
その理由は、敷金は将来、返すお金となるのでローンと同じ扱いとなります。
敷金付きの物件を贈与するという時価評価に変わる可能性があるので気をつけましょう。
3つめは死因贈与です。
死因贈与とは、贈与者が亡くなることによって効力が発生する贈与の種類です(民法第554条)。
贈与者が生前に受贈者を決め、その人と契約を結ぶことによって成立します。
遺言と似ていますが、大きな違いは生きている間に贈与契約を交わすことです。
贈与契約を交わし、この不動産に娘名義で仮登記を行います。
仮登記を行えば、第三者に勝手に売ることができなくなります。
つまり、遺言を待たずに、誰が引き継ぐか明確にわかるようになります。
それぞれの評価を確認しましょう。
贈与の形式 | 特徴 | 税金 | 評価方法 |
一般的な贈与 | 契約後、速やかに目的物を引き渡す贈与 | 贈与税 | 相続税評価額 |
定期贈与 | 一定期間に渡り一定額を給付することを目的とする贈与 | 贈与税 | 相続税評価額 (有期定期金の評価) |
負担付贈与 | 受贈者にも一定の負担を負わせる贈与 | 贈与税 | 通常の取引価格一負担額 |
死因贈与 | 贈与者の死亡により効力が生じる贈与 | 相続税 | 相続税評価額 |
生前にできる遺産分割の対策を解説しました。
贈与の種類やそれぞれの特徴、評価方法について少しでも理解が深まればと思います。
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住居の管理物件8,336室、管理専任物件約15,000室を取り扱う賃貸管理会社です。
「知らないと損する!生前贈与はこう変わった!新しい生前贈与をわかりやすく解説」と題しまして、
今回は、満室の窓口大田区糀谷本店(株式会社シティ・ハウジング)の茂林様にお話を伺いました。
以下の動画ではより詳しく解説していますので、ぜひご覧ください▼
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