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税金対策

2024.07.24

満室の窓口

暦年贈与活用のポイント

贈与税の基礎控除を活用して、相続税の負担を軽減する方法として、「暦年贈与」が注目されています。

この制度を利用することで、財産を効果的に次世代に移転することが可能です。

しかし、ただ贈与を行うだけではなく、その方法やタイミングが税負担に大きな影響を与えます。


本記事では、暦年贈与を利用した財産移転のポイントを、基礎控除の枠内で計画的に行う方法、基礎控除を超えた場合の累進課税への対応、そして実際の贈与金額による節税効果を比較検討します。


<目次>
1.基礎控除の枠内で計画的に財産を移転
2.基礎控除の枠内にこだわらない
 ー超過累進課税
3.暦年贈与金額による節税効果の比較
4.できるだけ受贈者の数を増やす
5.まとめ


1.基礎控除の枠内で計画的に財産を移転

暦年贈与には年間110万円の基礎控除があります。

この基礎控除の範囲であれば無税で財産を移転することができます。

例えば、1億円の財産を持っている場合、そのまま相続すると相続税は約1,220万円になります。

この財産の持ち主が節税のために毎年100万円ずつ贈与を行った場合、10年間で総額1,000万円を贈与します。

この結果、元の財産は9,000万円に減少します。

10年後に相続が発生した際、相続税はこの9,000万円の財産に対して920万円になります。

この方法により、最終的な相続税の負担が約300万円減少することになります。


2.基礎控除の枠内にこだわらない

しかし、多額の財産に対して年間110万円の控除では、10年もかかってしまいますし、それではとても追いつかないという場合もあります。

暦年贈与のポイントは、財産が多い人ほど基礎控除にこだわらずに多額の財産を贈与した方が有利となるのです。

正確に判断するには、「相続税の実効税率」と「贈与税の実効税率」を比較して考えなければなりません。


ー超過累進課税

分かりやすいように図にまとめました。

相続税も贈与税も超過累進課税です。

かけられる税率は、その金額のステージよって異なります。


相続財産が3億円を超えた場合、その財産に対しては通常相続税の税率が50%となります。

しかし、贈与を行うことで、贈与税が発生するものの、相続財産の総額を減らすことができます。

これにより相続税の税率が45%に低下する場合があります。

具体的には、3億円を超える部分について、毎年一定額を贈与することで、50%の高い税率から45%に税率を下げることが可能です。

これにより、最終的に支払う税金の総額を抑えることができます。


まずは、現在の相続財産の総額と贈与税の詳細を把握する必要があります。

その後、相続税と贈与税の税率を比較し、相続財産がどのくらいあって、贈与税がいくらほどかかってくるのかを把握する必要があります。


3.暦年贈与金額による節税効果の比較

具体的にどのくらい効果があるのでしょうか。

3つのパターンで見ていきましょう。

まず、前提として資産は2億円、相続人は子供2人、10年後に相続発生と仮定します。


①対策をしない

②毎年、基礎控除内の110万円贈与

③毎年、400万円を贈与

で比較します。


③では贈与税を670万円払う必要があります。

しかし、贈与することで親の財産が減っていきますので、相続税は当然安くなります。

この例ですと、400万円ずつ贈与する③がトータルで見ると一番税金が安くなるいう結果が出ました。


この例は400万円でしたが、どのくらいの財産があればいくらまで贈与すると贈与税の負担が軽いのかという分岐点と金額とパーセンテージでまとめたものが、以下の表になります。

まず、相続財産が2億円で、相続人が配偶者と子供2人の場合です。

この場合、相続税の実効税率は6.8%となりますので、6.8%より少ない金額を贈与した方が得だということになります。

すると、一人当たり、年間3,212,000円までは、一度に贈与して贈与税を支払ったとしても損をしない金額となります。



次に、配偶者はおらず、子供2人のみが相続する場合です。

先ほどと同じく2億円のケースで見た場合、実効税率は16.7%となります。

つまり、一人当たり年間9,248,000円までは、一度に贈与して贈与税を支払ったとしても損をしない金額となります。


ここでの注意点をお伝えします。

贈与した後は財産の金額が変わりますので、実効税率も贈与額も変わってくるということです。

再度、どこの総額に当てはまるかを確認して計算します。

また、相続時精算課税制度にも110万円の基礎控除ができましたので、110万円以内の贈与を行う場合は相続時精算課税制度を行う方が良い場合もあります。

この辺りは、資産の総額・被相続人の年齢・相続人の人数などを考慮して総合的に判断する必要があります。


4.できるだけ受贈者の数を増やす

次のポイントは、受贈者をなるべく1人に集中せずに、複数に分散するという点です。

例えば、1,000万円を一人に贈与すると贈与税は約177万円が発生します。

しかし、同じ1,000万円を5人にそれぞれ200万円ずつ贈与すれば、一人あたりの贈与税は約9万円になり、合計で45万円と大幅に節税が可能です。

このように、暦年贈与を利用する際は、贈与を複数人に分けることで税負担を軽減することができます。


5.まとめ

暦年贈与を活用することは、賢明な財産移転戦略の一環として非常に効果的です。

基礎控除の範囲内で計画的に贈与を行うことはもちろん、控除を超えた場合の累進課税への対応も理解することが重要です。

また、贈与税の負担を軽減するためには、贈与を一人だけでなく複数の受贈者に分散することが有効であることがわかりました。


本記事で紹介した各ポイントを検討し、自身の財産状況や家族構成に合わせた最適な贈与プランを策定することで、将来の大きな節税効果を期待することができるでしょう。

財産の賢い移転を通じて、次世代へのスムーズな資産継承を実現しましょう。



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今回は、満室の窓口大田区糀谷本店(株式会社シティ・ハウジング)の茂林様にお話を伺いました。

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