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2025.05.07

クラスコ本社

物件価値を高める!リノベーションの必要性とタイミング

物件の空室が埋まらない、家賃が下がってきた、入居者からの問い合わせが減ってきた・・

そんな悩みを抱えていませんか? 

賃貸物件の競争が激化する今、「リノベーション」はオーナーにとって避けて通れない選択肢になりつつあります。 

しかし、「どのタイミングで」「どの部分を」「どのくらいの予算で」リノベーションをすべきか、迷う方も多いのが実情です。 

本記事では、リノベーションの必要性と適切なタイミング、優先順位の決め方、そして実際のビフォーアフター事例を分かりやすく解説します。 

資産価値を守り、入居者から選ばれる物件に生まれ変わらせるためのヒントを、ぜひ最後までご覧ください。



<目次>
1.リノベーションを行う必要性
2.リノベーションをするタイミング3選
3.リノベーション時の優先順位
4.劇的!リノベ物件のビフォーアフター
5.まとめ


1.リノベーションを行う必要性

「管理会社からリノベーションを提案されたけど、なぜ今やる必要があるのか分からない」 

そんな疑問を持たれるオーナー様もいらっしゃるかもしれません。 

実は、管理会社がリノベーションを勧める背景には、物件の収益力や資産価値を維持・向上させるための具体的な理由があります。 

たとえば、以下のようなメリットが考えられます。 

・家賃の引き上げにより、物件の収益性と資産価値を向上できる 

・競合物件との差別化で空室期間を短縮し、安定経営につなげられる 

・次世代への継承がスムーズになり、長期的な資産運用計画に組み込みやすくなる 

・減価償却や相続対策として節税効果が期待できる 


【リノベーション実施の判断基準】

「本当に今リノベーションをすべきか?」という判断には慎重さが求められます。 

そこでまずチェックしたいのが、「残存運用期間」「リノベーション利回り」の2点です。

 リノベーションには当然コストがかかるため、賃貸経営者として意識すべきは「投資資金をどのように回収するか」という視点です。 

いくらリノベ後に入居が決まっても、工事費用を回収できなければ経営的にはマイナスです。

 回収見込みが立たない場合には、他の空室対策を優先する方が合理的でしょう。 

さらに、リノベは単なる「コスト」ではなく「投資」です。

 したがって、投じた資金を回収したうえでどれだけ利益が見込めるかが成功の鍵になります。 

この利益の見通しを判断するためには、 

・その物件があと何年収益を生み出せるかという「残存運用期間」 

・投資に対するリターンを表す「リノベーション利回り」 

この2つをしっかりと確認することが大切です。

【リノベーションコストとは】

リノベーションの費用を考える際は、単に見積もりの総額を「コスト」として捉えるのではなく、原状回復にかかる費用との差分をリノベーションコストとして把握することが重要です。 

たとえば、原状回復のみでかかる工事費が30万円、リノベーションを含めた総工事費が330万円だとすると、 リノベーションにかかる実質的な費用は300万円(330万円-30万円)となります。

この金額をもとに「リノベーション利回り」を算出します。 


【リノベーション利回りの計算例】 

上記図の計算式に当てはめます。

36万円(3万円×12ヶ月)÷300万円(330万円ー30万円)×100 

で、この計画のリノベーション利回りは12%になります。 

利回りが12%ということは投資回収にかかる期間は約8.3年(1年×12%)です。 


【残存運用期間もセットで考える】 

ここで忘れてはいけないのが、「この物件があと何年稼働できるか(残存運用期間)」という視点です。

 もし、この物件が後10年程度で建て替えなければならないとすると、このリノベーションを実施する価値はあまり大きくありません。 

運用が‘元を取る’だけで終わってしまい、利益をほとんど得られません。

この物件があと20年運用できるとしたら、約10年で投資資金を回収したのち、残り10年は利益が積み上がります。

途中で売却する予定がない限り、リノベーションは「これから後何年運用できるか」を見極めた上でその残存運用期間内投資資金回収利益確保の両方を叶えることが大切です。

リノベーションで利益を得るには、残存運用期間内にできるだけ長く利益積み上げの期間を確保することが重要です。

リノベーションは一般に、築15〜20年が経過してから検討し始める選択肢です。

一般的に、リノベーションは築15~20年を経過したあたりから検討され始めるケースが多く見られます。

この時期は、建物の老朽化が目立ち始め、入居者ニーズに合わなくなることで空室リスクも高まるためです。

また、建物の構造によってもリノベーションの向き・不向きがあります。

RC造(鉄筋コンクリート造)のように建築寿命が長い構造は、リノベ後も長期的に収益を見込めるため、投資効果が得やすい傾向があります。

一方で、木造など建築寿命が短い構造の場合は、費用回収期間に余裕がないため、よりシビアなコスト管理と投資判断が求められます。


【間取りの変更と不人気設備を人気設備に替えて家賃UP 】

リノベーションを行う理由のひとつに、時代に合わなくなった間取りや設備の見直しがあります。

 ■ 間取りの歴史 

【過去】 

昭和から平成初期(1970年代〜1990年代)に建てられた物件では、 20㎡未満の狭いワンルームや、3点ユニットバス付きの部屋、2K・2DK・3DKといった間取りが一般的でした。 

【現在】 

一方で、平成の後半以降は、30㎡前後の広めの1Kや、1LDK・2LDK・3LDKといった間取りが主流になっています。


【リノベーション利回りの効果が低いケースとは? 】

・間取りタイプで見た場合

間取りのタイプによっては、費用対効果の見合うリノベーションが難しいケースがあります。 

特にシングルタイプ(1Rや1K)の物件は、リノベーションによる家賃の上昇幅が小さいため、投資額を回収できず、残存運用期間内に利益を出すのが難しい傾向があります。 

そのため、木造のシングルタイプ物件では、家賃アップを狙った大規模リノベーションよりも、 「家賃下落の抑制」「空室期間の長期化を防ぐ」ための対策がより効果的とされています。


【リノベーション利回りの効果が高いケース】

一方で、費用対効果が出やすいのがRC造のファミリー向け物件です。

 施工費は高くなりますが、たとえば「2DKを1LDKに」「3DKを2LDKに」するようなリノベーションでは、家賃の上昇幅も大きく見込めるうえ、施工直後から長期入居が期待できるというメリットがあります。 

・注意点 

ただしRC造であっても、専有部の給排水管が老朽化していて交換が必要なケースでは、工事コストがかさみ、利回りが下がる可能性があるため注意が必要です。


【設備に関するニーズ】

単身・ファミリー物件ともに「インターネット無料」「オートロック」「宅配ボックス」などの利便性や防犯性に優れた設備は、家賃が高くても入居者から選ばれる傾向があります。

一方で、「エアコン」「室内洗濯機置き場」「TVモニター付きインターホン」などは、最低限備わっていないと契約の決め手にならない必須設備として共通しています。

特にファミリー物件では、「追いだき機能」や「独立洗面台」など生活の質を高める設備のニーズが高く、家族構成やライフスタイルに配慮した設備が重視されています。


2.リノベーションをするタイミング3選

① 減価償却して節税対策 

建物完成から15年を過ぎる頃は、税金が上がるタイミング

賃貸経営においては、建物や設備の耐用年数に応じて減価償却を行うことで、必要経費として計上し節税が可能です。 

しかし、耐用年数が経過し、減価償却できる経費がなくなると帳簿上の利益が増加し、その分課税所得が増えて税負担が重くなるリスクがあります。 

そのため、築15年を目安に設備のリフォームやリニューアルを計画することが、節税の観点からも有効とされています。 

築15年が過ぎたら… リフォーム・リニューアルのタイミングです。


② 退去後の原状回復費用が高額になるリスク

長期間(15年以上)入居者が住んでいた部屋や、築20年以上で床や水回りの設備を交換していない物件では、退去後に原状回復すべき箇所が多く、修繕費用が高額になりやすい傾向があります。

★ 事前に準備しておくべきこと

・竣工時から将来のリフォーム・リニューアルに備えた予算を確保しておく

・入居者ニーズに合う間取りや設備の見直しを早めに検討し、不動産会社と相談する


③ 間取りを変更することで空室期間が短縮され、家賃も高く設定できるエリアがある

間取りを現代のニーズに合わせて変更することで、空室対策になり、より高い家賃設定が可能な物件に変えることができます。

■ 具体的な間取り変更の例:

・2K・2DK ⇒ 1LDKへ

・2K(LDKが8帖未満の場合)

 → 脱衣室・独立洗面台付きの広めワンルーム(カウンターキッチン付き)へ

 → 脱衣室・独立洗面台付きの1DKへ

・3K・3DK ⇒ 脱衣室・独立洗面台付きの2LDKへ


【間取り変更と一緒に必ず見直したい設備】

★★★ 3点ユニットバス → お風呂とトイレ別に

★★ 室外洗濯機置き場 → 室内洗濯機置き場に

★ 脱衣室・独立洗面台が設置できるスペースを確保


▼本記事の内容は、以下のYouTube動画でもわかりやすくご紹介しております。



3.リノベーション時の優先順位

令和の時代にまだ残っている昔懐かしい設備を取り替える

1.室外洗濯機置き場から室内設置へ切り替え

室外に洗濯機を置くメリット・デメリット

メリット
・洗濯後すぐに干せるため家事動線がスムーズ
・室内スペースを有効活用できる

デメリット
・天候や気温の影響を受けやすく、洗濯が大変になる
・精密な洗濯機が屋外にあることで故障のリスクが高まる
・汚れやホコリが付きやすく、衛生面で不安がある
・盗難やいたずらの心配がある

室内に洗濯機を置くことのメリット・デメリット

メリット
・天候に左右されず、年中快適な環境で洗濯ができる
・洗濯機が汚れにくく、長持ちしやすい
・高性能な機種でも安心して使える

デメリット
・設置工事にはスペースや配管の条件が必要
・室内のスペースがやや狭くなる

2.3点ユニットバスからバス・トイレ別

昔ながらの設備:3点ユニットバスとは?

メリット
・掃除が一気にできて手間が少ない
・水まわりがコンパクトにまとまっていて、省スペース

デメリット
・お風呂に入ると、トイレや洗面台まで水や湿気でびしょ濡れ
・清潔を保つにはまめな掃除が必須
・洗面台が狭く、身支度しづらい

3.バランス釜から現代仕様の給湯器+浴槽へ

昔ながらのバランス釜とは?

メリット
・追い焚きができるので、いつでも温かいお風呂に入れる

デメリット
・毎回お湯を使うたびに点火作業が必要で手間がかかる
・故障した場合の本体交換に高額な費用と納品までの時間がかかる
・浴槽のスペースが小さく、窮屈に感じる

現代の主流「給湯器と浴槽を分離する」スタイルへ

メリット
・交換費用はバランス釜とほぼ同等の予算で可能
・工事期間が短く、入居者への負担が少ない
・次回以降のメンテナンスは「給湯器のみ」で済むため将来的にラク

注意点
・給湯器が屋外に設置できるかどうか、事前確認が必要
・大規模工事の場合は追い焚き機能がなくなることもあるので、入居中工事時は要チェック


4.劇的!リノベ物件のビフォーアフター

賃貸経営を成功させるためには、大きく分けて次の3つの視点をバランスよく理解し、戦略を立てることが重要です。

  1. 1.顧客・エリアの理解
    どのような入居者層(単身者、ファミリー、学生など)が、そのエリアに多く住んでいるのかを把握することが第一歩です。顧客のニーズを知らずに戦略を立てることはできません。

  2. 2.自社物件の分析
    物件そのものの強み・弱みを客観的に評価することが必要です。立地・間取り・設備・築年数・デザイン・外観といった各要素について、どこが魅力でどこが改善点かを把握します。

  3. 3.ライバル物件の把握
    近隣エリアにある競合物件の条件や強みを理解することで、自社物件が選ばれるためにはどんな差別化が必要かが見えてきます。

これら3つの要素を押さえたうえで、「顧客に合わせた対策」と「ライバルとの差別化」を進めていくことが、空室対策や収益アップの鍵になります。

物件の魅力を高めるためには、まず「現状の見える化」が重要です。

具体的には、6つの評価ポイント(立地・間取り・設備機能・部屋年齢・デザイン・外壁外観)を使って、物件を多角的に分析します。


【事例1】

S造、築27年、入居期間が20年以上のお部屋が退去。

全体的に水回りや設備の劣化、床·壁の劣化が目立った為、次回募集するだけでも原状回復工事が100万円以上掛かる見込みです。

家賃5.8万円のお部屋ですが、リノベーションすることで7万円にUPする見込みです。

原状回復のみでかかる工事費が100万円、リノベーションを含めた総工事費が250万円だとすると、 リノベーションにかかる実質的な費用は150万円(250万円-100万円)となります。

《目次1》で説明した計算式に当てまめますと以下の通りとなります。

劇的!リニューアル物件 BEFORE⇒AFTER

《リノベーション後のお部屋(After)》

水回りを分離し、シャワールーム・トイレを独立配置 快適性がアップし、女性や単身層にも支持されやすい設計にしました。

収納スペース(Shelf)を新設し、機能性を向上し、床材・天井には木目をふんだんに使い、統一感のある温もりある空間と生まれ変わりました。

デザインコンセプト「SLOW LIFE - TYPE GRAY」を導入

 → シンプルかつ上質で時間をゆったり楽しみたい人に向けた内装設計にしました。


完成後12週間で無事に成約し、賃料7万円で無事に決まりました。

「間取りの最適化」+「デザインの一新」によって、物件の競争力は大きく高まります。

単なる改装ではなく、「誰に届けたいか」という明確なターゲット設定と、世界観のある空間づくりが、選ばれる物件への第一歩です。


【事例2】

S造、築27年、入居期間が10年以上のお部屋が退去。

竣工以降設備の交換は無く、全体的に水回りや設備の劣化、特に脱衣室が無く洗濯機置き場が室外です。

1DKよりワンルームの需要があるエリア。

次回募集するだけでも原状回復工事が100万円以上掛かる見込みです。

家賃7.6万円のお部屋ですが、リノベーションすることで9.7万円にUPする見込みです。

原状回復のみでかかる工事費が100万円、リノベーションを含めた総工事費が350万円だとすると、 リノベーションにかかる実質的な費用は250万円(350万円-100万円)となります。

同様に、《目次1》で説明した計算式に当てまめますと以下の通りとなります。


劇的!リニューアル物件 BEFORE⇒AFTER

《リノベーション後のお部屋(After)》

・2DKをRoom 9.8帖の広々ワンルームに変更

・キッチンを壁付けから対面に変更

・お風呂場を独立


完成後2週間で無事に成約し、賃料9.7万円で無事に決まりました。

このリノベーションは、機能性の向上に加えて、デザイン性を追求しています。

単なる古い部屋の改修ではなく、「暮らしを豊かにする価値提案」として空間を再構成しています。


お部屋の改修には、原状回復からフルリノベーションまで、さまざまな選択肢があります。

しかし、「どの方法が最も効果的か」は、物件の状態や立地、築年数、設備の充実度など、複数の要素によって大きく変わります。

原状回復も含めた複数の選択肢を「見える化」することで、の改修プランが最も費用対効果が高いかを客観的に判断することが可能になります。

その結果、多くの場合で「原状回復」という選択肢はなくなり、収益性を高めるリノベーションこそが最適であることが見えてきます。


5.まとめ

賃貸経営において、リノベーションは計画的に進めることで多くのメリットを得られます。

例えば、
・建物の価値が上がる(売買価格の上昇)
・資産を引き継ぐ側が喜び、節税にもつながる

一方で、「資金がない」「手間がかかる」といった理由でリニューアルを行わずにいると…

・収益が増えて課税額が増加(超過累進課税)
・修繕箇所が多くなり、維持コストがかさむ
・結果として建物価値が下がり、賃料収入も減少

短期的にはお金を節約できても、設備の老朽化が進めば、いずれ大きな支出に。
つまり、「やらない選択」はデメリットが大きいということが見えてきます。

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