不動産投資
キャッシュフローと利回りの違いとは?不動産投資で失敗しない見極め方
不動産投資の世界では、物件紹介パンフレットやウェブ広告で、利回り8%・利回り10%といった数値を目にすることが多くあります。「利回りとは何か」「キャッシュフローとは何か」を整理し、その両者の関係性、利回りだけで判断してしまうリスク、利回りが高くても要注意な物件の特徴、そしてキャッシュフローを改善するための実践的な方法までを解説します。
2025.11.20不動産投資
2026.01.12
満室の窓口
「この物件、利回り10%超で超優良ですよ」 不動産投資を検討する際、こんな甘い言葉に惹かれたことはありませんか?
確かに「利回り」は、不動産投資の成否を分ける重要な指標です。
しかし、表面上の利回りだけを鵜呑みにすると、空室リスクや修繕費、出口戦略の失敗など、思わぬ落とし穴にハマる可能性も高まります。
この記事では、「不動産投資の利回りとはそもそも何か?」という基本から、「何%が理想か?」「高利回りに潜むリスク」「安全に利益を出すための見極めポイント」までを徹底解説します。
不動産投資で失敗しない判断軸を身につけたい方は、ぜひ最後までご覧ください。


不動産投資における利回りは、投資対象の収益性を示す非常に重要な指標です。
物件を購入する際、多くの投資家がこの利回りをもとに投資判断を行います。
しかし、利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、それぞれの計算方法や意味合いが異なるため、正確に理解することが求められます。
見た目の数字だけで判断してしまうと、後々「こんなはずじゃなかった…」ということになりかねません。
ここでは、それぞれの利回りの違いや、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
表面利回り(グロス) 表面利回りとは、年間家賃収入を物件の購入価格で割ったもので、広告や販売図面などに頻繁に記載されている数字です。
計算式:年間家賃収入 ÷ 購入価格 × 100
この数値は一見わかりやすく、投資対象の魅力をシンプルに伝える目的で使われますが、注意が必要です。
表面利回りには物件の運用にかかるコスト(管理費・修繕費・空室など)やリスクが含まれていないため、実際の手取り収益とはかけ離れていることが多いのです。
たとえば、表面利回りが8%と表示されていても、空室率が高かったり管理費が重くのしかかったりすると、実際の手残りはそれよりはるかに少なくなります。
表面利回りだけで判断するのではなく、次に紹介する実質利回りも必ず確認しましょう。
実質利回りは、実際に手元に残る収益をもとに計算される、より現実に即した利回りです。
計算式:(年間家賃収入 − 年間経費)÷(購入価格+取得費)× 100
ここで言う「年間経費」には、さまざまなコストが含まれます。
具体的には以下のような費用です。
・管理費・修繕積立金
・固定資産税・都市計画税
・火災・地震保険料
・共用部の維持費や清掃費
・空室による家賃損失(空室損)
・入居者募集時の広告費
・原状回復や修繕にかかる費用
・融資を受けた場合の手数料や金利
これらを正確に把握し、実質利回りを算出することで、より現実的な投資判断が可能になります。
特に、購入前に見込まれる支出を事前に試算しておくことがリスク回避に繋がります。

不動産投資を始める際に、「結局、利回りって何%あれば成功なの?」という疑問を持つ方は多いはずです。
利回りの理想値に一律の正解はありません。
物件の種類や立地、築年数、さらには投資家自身の運営力や資金計画によって、最適な利回りは大きく異なるからです。
表面的な数字だけを見て判断するのではなく、物件ごとの特性やリスク許容度に応じた「自分にとっての理想利回り」を見極めることが重要です。
⚫︎理想利回りは「物件タイプ×エリア×築年数×運営力」で変わる
利回りは、単純に高ければ良いというものではありません。
物件の立地や築年数、タイプによって、期待できる利回りには傾向があります。
都心・駅近・築浅物件:利回りは3〜5%と低めですが、空室リスクが少なく、安定した賃料収入が見込めます。
資産価値も落ちにくいため、長期保有に向いています。
地方・築古物件:利回りは8〜12%以上と高めに設定されていることが多いですが、空室リスクや修繕コストの発生頻度が高く、収益の安定性には注意が必要です。
このように、同じ「利回り」でも背景にあるリスクとリターンのバランスは全く異なるため、数字だけで優劣をつけることはできません。
⚫︎理想を決めるのは利回りより「手残り」と「安全性」
本当に大切なのは、利回りそのものではなく、毎月どれだけのキャッシュフローが残るか、そしてリスクにどれだけ耐えられるかという点です。
表面利回りが高くても、修繕費や空室によって毎月赤字になってしまえば意味がありません。
一方で、利回りが低くても安定収入が続き、融資返済後にしっかり手残りが出る物件であれば、長期的に見て優良投資と言えるでしょう。
重要なのは、「損益分岐入居率」の把握です。
これは「家賃収入がどの程度あればトントンか」を示す指標で、これを下回ると赤字になります。
このラインを理解し、「万が一の空室や家賃下落があっても耐えられるか」をシミュレーションすることで、収益の安全性が格段に高まります。

「利回り10%超!」など、魅力的に見える高利回り物件。しかし、その数字の裏には思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。
高利回りを実現するには、何らかの理由があるものです。
その理由を見抜けずに購入すると、想定外の出費やリスクに直面し、収支が大きく狂う可能性があります。
ここでは、高利回り物件でよく見られる7つの落とし穴について解説します。
⚫︎家賃が相場より高く、下落前提
一見、高利回りに見える物件の中には、「現在の家賃が地域相場よりも明らかに高い」場合があります。
このような物件は、入居者が退去した後に家賃を下げざるを得ず、収益性が急落する可能性が高いです。
現時点の家賃収入だけでなく、相場との乖離にも目を向けることが大切です。
⚫︎空室率が高いエリア
地方や郊外の築古物件に多いパターンで、賃貸需要が少なく、空室が長期間続く可能性があるエリアでは、表面上の利回りが高くても実際の手取り収入は安定しません。
駅からの距離、周辺人口、大学や企業などの集客要因を事前にチェックしましょう。
⚫︎修繕費・設備交換が読めていない
築年数の古い物件は、購入価格が安く利回りが高く見える一方で、突発的な修繕費用がかかりやすいというデメリットがあります。
給排水管や屋上防水、外壁塗装など、大規模修繕が必要になるタイミングを見誤ると、収支が一気に悪化するリスクがあります。
⚫︎管理状態が悪い
利回りが高くても、共用部が汚れている、ポストが壊れている、草が生い茂っているなど、物件の管理状態が悪ければ、入居者の印象も悪くなり、空室が埋まりにくくなります。
現地確認で「物件の第一印象」に違和感を覚えたら要注意です。
⚫︎売却が難しい
高利回りの物件は、流動性が低い傾向があります。
エリアや築年数によっては、売却しようと思っても買い手がつかず、出口戦略が詰まるリスクがあります。
「いずれ売る前提」で購入する場合は、将来的な需要や市場価値も見据えておく必要があります。
⚫︎融資条件が厳しい
高利回り物件は金融機関からの評価が低く、融資条件が厳しくなる傾向があります。
金利が高くなったり、自己資金を多く求められたりするため、思ったほどキャッシュフローが残らないこともあります。
返済比率(DSCR)をシミュレーションし、「月々の支払いに余裕があるか」を必ず確認しましょう。

高利回り=危険という印象を持たれがちですが、すべての高利回り物件がNGとは限りません。
重要なのは、「その利回りに裏付けがあるかどうか」、そして「リスクを把握したうえで安定運用できるか」です。
以下のチェックリストを使って、高利回り物件でも安心して購入できるかどうかを見極めましょう。
①需要チェック(まずは“空室にならない条件”)
いくら高利回りでも、空室が続いてしまえば意味がありません。
まずは、エリアの賃貸需要を冷静に分析しましょう。
・駅からの距離:徒歩10分以内が理想。バス便物件はリスク高。
・雇用環境:近隣に大企業や病院、大学などがあるか。
・人口動態:今後人口が増加傾向か、減少傾向か。
・競合物件の供給量:築年数・間取りが近い物件の数。
実際の成約事例や、募集から成約までにかかる日数(リーシング期間)も重要な判断材料です。
過去数年の家賃推移の傾向を見て、家賃が安定しているか、下落傾向かも把握しておきましょう。
これらのデータが「空室になりにくい理由」として裏付けられるなら、その物件は購入候補となり得ます。
②収支チェック(実質利回り+キャッシュフロー)
次に確認すべきは、高利回りの数字が“見せかけ”ではなく、実際の手取りに繋がるかという点です。
収支試算の際は、以下のように保守的なシナリオで計算するのが基本です。
・空室率は最低でも10〜20%で見積もる
家賃は相場より1割程度下げた前提で試算 修繕費は年平均で見積もる(例:年間家賃収入の10〜15%)
・突発的な支出(給湯器交換、エアコン故障など)も想定
月々のキャッシュフローが黒字で、かつ一定の余裕があるかも確認してください。
見かけの利回りが高くても、返済比率が高すぎたり、将来的な修繕が見込まれていないと、収支はすぐに破綻します。
実質利回りとキャッシュフローの両面から、長期的に安定運用できるかを必ず精査しましょう。
③建物チェック(管理状態が“利回り”を左右する)
物件の収益性は、家賃や立地だけでなく、建物の状態と管理の質にも大きく左右されます。
特に中古物件や築古物件では、管理状況の見極めが極めて重要です。
共用部の清掃状況や、ポスト・階段・照明の破損の有無、外壁のひび割れや汚れ、屋上防水の劣化状況 給排水管や電気設備の老朽化なども必ず確認しましょう。
マンションタイプであれば長期修繕計画の有無や、過去に実施された工事履歴(外壁塗装・防水工事など)をチェックします。
これが無いと、将来的に突発的な修繕費が発生し、想定外のコストに悩まされるリスクがあります。
④契約・リスクチェック(落とし穴を潰す)
高利回り物件には、「契約条件の罠」が潜んでいることも多く、内容をよく確認しなければ思わぬ収益悪化につながる恐れがあります。
・サブリース契約の条件(保証家賃の見直し頻度、途中解約の可否)
・免責条項(収益の保証が実質ない内容になっていないか)
・入居者募集時の広告費負担の有無(1ヶ月以上の広告費を要求されるケースも)
また、退去時の原状回復義務がどちらにあるか、修繕が必要になった場合の意思決定フロー(オーナー決裁 or 管理会社一任)も事前に確認しておくと安心です。契約の曖昧さが、のちのトラブルや損失に直結することもあります。
⑤出口チェック(売れる条件・売れない条件)
購入時の利回りだけでなく、「その物件が将来的に売却しやすいかどうか」も非常に重要です。
特に投資用物件は、出口戦略が立てられないと資金がロックされてしまうリスクがあります。
将来の想定売却価格レンジをシミュレーションしておきましょう。
立地・構造・築年数・規模など、再販売時に評価されやすいかも確認します。
鉄筋コンクリート(RC造)・築浅・駅近などは金融機関からの評価も付きやすく、次の買い手が見つかりやすい傾向にあります。
特に築年数が古く、建物の残存年数が少ない場合は、銀行融資が付きにくくなる=買い手が限られるという問題があります。将
来的な資産価値を見込める物件かどうか、購入前から出口を想定した見極めが欠かせません。

不動産投資において、「利回りを高くしたい」と考えるのは当然のことです。
しかし、数字を無理に吊り上げるよりも、実質の収益性=実質利回りやキャッシュフローを改善する工夫が、安定した経営への近道です。
ここでは、すぐに取り組める実務的な改善ポイントを4つご紹介します。
家賃を上げる:リフォームの費用対効果を見極める
空室対策や家賃アップのためにリフォームを検討する際は、「どこにいくら投資し、どれくらい家賃を上げられるか」という投資回収の視点が重要です。
たとえば、20万円の内装リフォームで月額家賃が3,000円上がるなら、回収期間は約67か月(5年半)。
この回収期間が5年以内なら投資効果が高いとされることが多いです。逆に、回収に10年以上かかる場合は、別の施策を優先すべきです。
空室を減らす:募集条件・設備・写真/導線の見直し
家賃を下げずに空室を埋めるには「内見前の勝負」がカギです。
・初期費用を抑えた募集条件(礼金ゼロ、フリーレント)
・人気設備(ネット無料、TVモニター付きインターホン)
・魅力的な写真と導線設計(昼間に明るい部屋で撮影、収納の広さを強調)
また、管理会社まかせにせず、自分でもポータルサイトの掲載内容を定期的にチェックし、修正の提案を行うことで反響率が改善するケースも多くあります。
経費を最適化:管理委託内容・修繕フローの可視化
収益の改善は、収入を増やすだけでなく、無駄な支出を減らすことでも実現できます。
・管理会社の業務範囲と報酬の見直し(不要なオプション契約がないか)
・修繕フローの可視化(見積もりの妥当性、複数社比較の実施)
・共用部清掃や定期点検の委託費の内訳確認
これらを定期的に見直すことで、年間数万円〜数十万円規模のコスト削減が可能になることもあります。
税金・保険・融資:見直しで手残りを改善
固定費の中でも意外と見落とされがちなのが、税金・保険・融資の見直しです。
・火災・地震保険は、補償内容と保険料のバランスを再確認
・借入金の金利交渉や借り換えによって返済額を抑える
・固定資産税評価の適正化や節税対策(青色申告、減価償却の活用)
これらは、収益の数字には表れにくいものの、実際の「手残り」に大きく影響するため、定期的なチェックを怠らないようにしましょう。
Q:表面利回りだけで比較していいの?
A:NGです。
表面利回りは、物件の購入価格と年間家賃収入だけで計算されており、管理費・修繕費・空室などのリスクが反映されていません。そのため、実際の手残りを知るには、「実質利回り」を必ず確認しましょう。特に長期的な収支を考えるなら、実質利回りでの比較が不可欠です。
Q:利回りが低い都心物件はやめるべき?
A:NOです。
都心・駅近・築浅などの物件は、利回りこそ低めでも、空室リスクが少なく、賃貸需要が安定しているため、堅実な投資先になり得ます。また、将来の売却時にも流動性が高く、買い手が見つかりやすいという大きなメリットがあります。
Q:高利回りの地方築古、初心者は避けるべき?
A:YES傾向です。
高利回りの地方築古物件は、空室リスクや修繕リスク、賃貸経営の難易度が高い傾向にあります。経験豊富な投資家であれば対応可能ですが、初心者の場合は、まず管理がしやすく、収支が安定しやすい物件から始めるのがおすすめです。
Q:実質利回りの「経費」、何%で見積もる?
A:家賃収入の15〜25%が目安です。
物件のタイプや築年数にもよりますが、固定資産税・保険料・管理費・修繕費・空室損失などを含めると、年間家賃収入の15〜25%程度が一般的な範囲となります。保守的に見積もることで、より現実的な実質利回りを算出できます。
不動産投資において利回りは、物件の収益性を測るための重要な指標です。
しかし、単に数値が高いか低いかだけで判断してしまうと、思わぬリスクに直面する可能性があります。
表面利回りと実質利回りの違いを理解し、経費や空室リスクを含めた現実的な収支シミュレーションを行うことが、堅実な投資への第一歩です。
また、利回りの理想値は物件タイプやエリア、築年数、運営力によって大きく異なります。
大切なのは「数字」ではなく、「手残り」や「運営の安定性」といった実質的な成果です。
高利回り物件には多くの落とし穴が存在しますが、適切なチェックと現地調査、契約内容の確認、そして出口戦略まで含めたプランニングができれば、投資対象として十分に成り立つこともあります。
本記事で紹介したチェックリストや改善ポイントを活用しながら、利回りの見た目に惑わされず、堅実でリスク管理された不動産投資を目指しましょう。
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