築23年の2LDKアパート、水回りリノベで家賃6,000円アップ!利回り16.7%を叩き出した空室対策の全貌
【物件概要】
| ①構造 | 鉄骨造 | ④間取り/世帯数 | 2LDK/14戸 |
| ②築年数 | 築23年 | ⑤㎡数 | 57.3㎡ |
| ③階数 | 2階建 | ⑥入居率 | 100% |
【課題】:築23年で水回りの古さが目立ち、2部屋同時解約により家賃の引き下げを迫られていた 。
【施策】:ターゲットであるカップル・夫婦層に絞り、浴室とキッチンのリノベーションをピンポイントで施工 。
【結果】:工事費430,980円に対し、家賃を6,000円アップ(利回り16.7%)させて満室を達成 。
賃貸物件を所有・経営されているオーナー様にとって、「築年数の経過による水回りの古さ」と「家賃の下落」は避けて通れない大きな課題です。
特に、都市部に比べて賃貸需要があまり多くないエリアや、競合物件との差別化が難しい地域では、空室期間が長引くことを恐れるあまり、管理会社から「家賃を下げましょう」という提案をされ、安易に受け入れてしまいがちです。
しかし、本当に「家賃を下げる」しか空室を埋める方法はないのでしょうか?
今回は水回りのリノベーションによって家賃アップ・高利回りを実現した事例を詳しく解説していきます。








【浴室】
Before

After

【キッチン】
Before

After

1.【改善前の問題点】家賃引き下げのプレッシャーと相場下落の危機
こちらの物件では、すでに室内全体にデザインリフォームを施工済みでした。
そのため、クロスや床などの内装は非常におしゃれで、一見すると築年数を感じさせない高いクオリティを保っていました。
しかし、以下の2つの深刻な問題が重なり、客付け(募集)に大苦戦を強いられていたのです。
① 水回りの築古感による「内見時失恋」の多発
築20年を超えているため、どれだけ壁紙や床を美しくモダンに仕上げていても、肝心の「お風呂」や「キッチン」に平成初期のレトロな雰囲気や使用感が残ってしまっていました。
ネットの写真を見て「おしゃれな部屋だな」と期待して内見に来られたお客様が、実際に現場で水回りを見た瞬間にトーンダウンしてしまう。「間取りや部屋の雰囲気はすごくいいけれど、毎日使うお風呂とキッチンがちょっと古くて気になる……」と敬遠され、成約に至らないケースが目立っていました。
② 反響の少なさと相場の下落(家賃引き下げのプレッシャー)
さらに追い打ちをかけたのが、エリア特有の需要の少なさです。もともと賃貸需要があまり多くない地域ということもあり、ポータルサイトなどに物件を掲載してもネット上の反響が非常に乏しい状態でした。
これまでの家賃を維持して募集を続けても反響すら獲得できない可能性が高く、このままでは「家賃の引き直し(値下げ)」をせざるを得ないという、オーナー様にとっても非常に厳しい状況に追い込まれていました。
2. 実際を行った改善提案:水回りに特化した「選択と集中」
家賃を下げることは、誰にでもできる最も簡単な空室対策です。しかし、一度下げてしまった家賃を再び元に戻すことは、日本の賃貸市場において極めて困難です。家賃の値下げは、月々のキャッシュフローを悪化させるだけでなく、物件の資産価値そのものを長期的に引き下げてしまう「劇薬」に他なりません。
そこで弊社は、相場に合わせて家賃を下げるのではなく、物件の価値を高めて現状以上の賃料を狙うため、オーナー様に「水回りのピンポイントリノベーション」をご提案しました。
メインターゲットのインサイトに響く「バスリノ・キチリノ」
物件の間取りは、広々とした2LDK(57.3㎡)。この広さと間取りを必要としているのは、単身者ではなく「可処分所得に少し余裕がある、または共働きのカップル(新婚・同棲)層」です。
このターゲット層が部屋選びにおいて最もシビアにチェックし、妥協しないポイントが「キッチン」と「浴室」でした。ここに焦点を絞り、以下のメニューをピンポイントで施工しました。
① キチリノ(キッチンリノベーション)
毎日料理を作る、あるいは二人で並んで立つこともあるキッチン。古い扉を、現代のトレンドにマッチしたモダンでスタイリッシュな仕様へと一新しました。見た目の清潔感を大幅に向上させることで、内見時のインパクトを強化しました。
② バスリノ(浴室リノベーション)
一日の疲れを癒やすお風呂は、特に女性入居者が重視するポイントです。
従来の古さを感じさせるパネルや浴槽を、まるで分譲マンションやホテルのような、清潔感と高いデザイン性を兼ね備えた最新の空間へとチェンジしました。
大掛かりな工事を排除し、コストを限界まで抑制
間取りの変更(壁の解体や新設、配管の大幅な移設など)を行うと、工事費は簡単に100万円を超えてしまいます。
今回はあえて「目に見える設備交換(水回り表面の刷新)」だけに投資を徹底的に集中させました。これにより、余計なコストを削ぎ落としつつ、メインターゲットに最大の視覚効果を生み出す戦略をとったのです。
【改善後の結果】想定を上回る「家賃6,000円アップ」と「高利回り16.75%」
ターゲットを明確にしたピンポイント投資は、狙い通りの(そして期待以上の)結果をもたらしました。
退去が発生するたびに次の入居者が決まるまで数ヶ月以上の長い時間がかかっていました。周辺のライバル物件との家賃引き下げ合戦に巻き込まれ、ネット反響すら落ち込んでいたからです。
しかし、今回「バスリノ・キチリノ」を施工したお部屋は、ネット上の写真映え(映え度)が劇的に向上したことでアクセスが増え、内見に来られたお客様が水回りを見た瞬間の第一印象も180度変わりました。
以前の内見で必ず言われていた「水回りが古くてちょっと……」というネガティブな感想は完全に消え去り、メインターゲットであった若いカップルのお客様から「お風呂もキッチンもすごく綺麗で使いやすそう!」と大好評をいただき、迷うことなくその場でご成約いただくことができました。
わずか6年で投資を全額回収できる健全経営へ
今回の実際の総投資コストは430,980円です。これに対して家賃が月額6,000円(年間72,000円)アップしたため、投資利回りは16.7%という非常に高い数字をマークしました。
これは、投資した修繕費用をおちょそ6年という短期間で完全に回収できることを意味します。
もし、反響が少ないからと相場に合わせて家賃を下げていたら、オーナー様の損失は膨らむ一方でした。
安易に家賃を下げるのではなく、適切な価値を足すことで、実質的な手残りが最も多くなり、長期的に物件価値を維持できる「健全な満室経営」へのシフトに成功したのです。
【総括】需要が少ないエリアこそ「家賃を下げるな、価値を上げろ」
賃貸需要が少ないエリアであればあるほど、限られた入居者様の一人ひとりの目線は厳しくなります。
だからこそ、
「うちの物件も、ネットの反響が悪いから家賃を下げるしかないのかな……」 そう諦めてただ闇雲に家賃を下げて物件のグレードを落とすのではなく、「入居者がどこに決定的な不満を抱いているか(今回の場合は水回り)」をデータと現場の声から正確に見抜き、そこへピンポイントで費用対効果の高い投資を行うことが極めて重要です。
管理会社の仕事は、反響が少ないからと機械的に家賃値下げの提案をオーナー様に送ることではありません。物件のポテンシャルを最大限に引き出し、周辺相場に勝てる「価値」を創り出し、オーナー様の生涯収益(キャッシュフロー)を最大化することです。
今回の事例が様々なオーナーの皆様の一助となれば幸いです。