築17年の1LDKをデザインで再生!野々市市扇が丘で「天井クロス×ダウンライト」の魔法をかけ、退去前に家賃4,000円アップを達成したピンポイント投資戦略
【物件概要】
①構造
| 軽量鉄骨造 | ④間取り/世帯数
| 1LDK/8世帯
|
①築年数
| 2009年1月 | ⑤㎡数
| 35.76㎡
|
③階数
| 2階建て
| ⑥入居率
| 100% |
【課題】 2007〜2009年竣工の1LDK激戦区。設備はまだ使えるものの、無難な内装が仇となり築浅物件に埋没し、家賃下落のリスク。
【施策】 壁一面のグレーアクセントを生かし、天井の濃色クロス、ダウンライトへの変更を断行。
【結果】 投資コストを最小限に抑えつつ、前入居者の「退去前(空き予定)」の段階で家賃4,000円アップ(51,000円→55,000円)での成約を達成。







【課題】築17年、1LDK激戦区で「無難な白壁」が招く埋没の罠
今回対象となった2009年竣工の1LDK物件が抱えていたのは、「壊れてはいないが、ときめきがない」という築古一歩手前の特有の課題でした。
キッチンや浴室などの水回り設備は、清掃さえすれば十分に機能する状態です。
しかし、内装が当時のままの「白い壁・白い天井」では、ネットで物件を検索している入居検討者から見て「どこにでもある、築年数相応の普通の部屋」という印象を拭えません。
これまでの賃料は「51,000円」。
周辺に毎年のように新築や築浅の1LDKが供給される野々市エリアにおいて、この「普通」という状態は非常に危険です。
退去後にそのままの状態で募集を出せば、家賃を4万円台に引き下げるか、あるいは数ヶ月におよぶ長期空室を覚悟しなければならない局面でした。
オーナー様の悩みは、「家賃下落は防ぎたいが、築17年の物件に100万円以上の大がかりなリフォーム費用を投じるのは費用対効果(ROI)が見合わない」という、投資費用の回収期間に対するリアルな不安でした。
BEFORE①:LDK

AFTER①:LDK

AFTER②:LDK

【野々市市扇が丘エリア】単身・カップル市場
この物件がある石川県野々市市扇が丘エリアは、金沢工業大学周辺の活気ある学生街であると同時に、社会人の単身者や新婚・カップル層が非常に多い、賃貸市場の超激戦区です。
このエリアで1LDKを探す若年層は、スマートフォンのアプリで何十件もの物件画像を瞬時にスワイプしながら品定めをします。
そこで彼らの指が止まるのは、「家賃が極端に安い部屋」か「ひと目でインテリアのイメージが湧くお洒落な部屋」のどちらかです。
「白壁にシーリングライト」という無難な仕様は、写真で見ても他の物件との違いが全く伝わらず、詳細画面を開いてすらもらえません。
つまり、高い設備費用をかけずとも、「写真一枚で相手の心を奪う圧倒的なビジュアルの個性」さえ作ることができれば、築浅物件に家賃レースで勝つことができる市場特性を持っています。
【戦略的対策】天井のカラーランディング
私たちが提案したのは、高額な設備交換には一切手をつけず、部屋の印象を決定づける「面(天井)」と「光(照明)」だけに予算を絞り込んだ、超効率的なリノベーション手法の導入です。
一部屋ごとに明確なコンセプトを設定し、その世界観に沿って天井・床まで一貫してプロデュースしました。
① グレーのアクセントクロスを生かす空間デザイン
部屋全体のトーンを落ち着かせるため、元から入っていたリビングの壁一面に上品なグレーのアクセントクロスはそのままに。
この一面があるだけで、部屋の中に奥行きが生まれ、モダンなデザイナーズマンションのような骨組みが完成します。
② 天井に「濃いめの色」を配色する大胆なデザイン
今回のプロジェクトの最大の鍵であり、競合物件に決定的な差をつけたのが「天井クロスの刷新」です。
通常、部屋を広く見せるために天井は白系を選ぶのがセオリーですが、今回はあえて「天井にあまりない濃いめの色」をセレクトしました。
これにより、床から壁、そして天井へと繋がる空間に圧倒的なお洒落さと、隠れ家Barのようなお忍び感を演出。
一歩足を踏み入れた瞬間に、他の1LDKとは明らかに違う「非日常の特別感」を与えることに成功しました。
③ シーリングライトから「ダウンライト」への変更
中央にぽつんと配置された古いシーリングライトを撤去し、天井をフラットに見せる埋め込み型のダウンライトへ変更しました。
濃いめの天井クロスから放たれる柔らかな光の陰影が、グレーのアクセント壁を美しく照らし、空間全体のラグジュアリーな雰囲気を極限まで高めます。
【結果】「空き予定」で家賃4,000円アップ成約という、リスクゼロの勝利
「空き予定」で家賃4,000円アップ成約という、リスクゼロの勝利部分的なクロスと照明の刷新に投資を集中させた結果、
オーナー様にとっても理想的すぎる驚異的な成果をもたらしました。
成約賃料: 55,000円(元の家賃51,000円から+4,000円のアップ)
家賃上昇率: 旧賃料比 108%
成約スピード: 前入居者がまだ居住している「空き予定(退去前)」の段階で申込獲得
空室期間を1日も作らない、賃貸経営の最高到達点通常のリフォームであれば、退去後に工事を行い、完成してから募集を開始するため、
どうしても1〜2ヶ月の「家賃収入ゼロの期間(空室損)」が発生します。
しかし今回の事例では、明確なデザインコンセプトを武器に退去前から募集を開始。
天井の濃色配色という強烈なアイキャッチがWEB上で大きな反響を呼び、
なんと入居者が中にいる(内見ができない)状態であるにもかかわらず、次の入居者が家賃4,000円アップの55,000円で即決したのです。
これにより、前入居者の退去後、リフォーム工事期間を経て、1日のタイムロスもなく新賃料での運用がスタート。
賃貸経営において最も恐れるべき「空室期間」を実質ゼロにしながら、毎月4,000円(年間48,000円)のキャッシュフローを上乗せすることに成功しました。
【分析】なぜ、天井の濃色デザインが退去前の即決を生んだのか?
今回のプロジェクトの勝因は、「無難な部屋」を脱却し、入居者に「日常の中に特別なひとときをもたらす空間」を提供した点にあります。
このお部屋のベースとなったコンセプトは、心を解きほぐす穏やかな空間で、心地よいリラックスと洗練された雰囲気の双方を楽しむことです。
全体的にグレーでまとめられた落ち着いた印象の中に、天井の濃いめの配色が美しいアクセントとなり、日常の喧騒から一歩離れた大人の贅沢を演出します。
ダウンライトの柔らかな光に包まれたリビングは、住む人にとって「一服の安らぎを、この上質な空間とともに」
じっくりと味わうための、至高のプライベートスポットとなります。
WEBで部屋を探していた入居検討者は、この天井と照明が織りなす「洗練されたリラックス空間」の写真(パース)を見た瞬間に、まだ見ぬ新生活への妄想を膨らませました。
「この部屋なら、仕事終わりに最高の晩酌ができそう」「友達に自慢したくなるお洒落な暮らしができる」という、情緒的な価値(ワクワク感)が、内見をせずとも「他の人に取られる前に申し込みたい」という強い動機を生み出し、
退去前成約という最高の結果を導き出したのです。
【結論】コストをかけずに価値を上げる「知略」の賃貸経営
「家賃を上げるには、水回りを全部変えなきゃダメだろう」
「築15年を過ぎたら、家賃は下がる一方だ」
それは、ただの思い込みに過ぎません。
2009年竣工という、競合が最も激しい世代の1LDKであっても、市場のニーズを正確に見極め、天井・床まで一貫したコンセプトでリノベーションする手法を用いれば、低コストで家賃を引き上げ、
さらに空室期間をゼロにすることさえ可能です。
今回の成功事例は、多額の予算を溶かして設備のスペック競争に挑むのではなく、「どこを直せば入居者の心に刺さるか」を見極める戦略眼がいかに重要かを証明しました。
今の時代、入居者が求めているのは「安くて無難な普通の部屋」ではなく、「自分のライフスタイルを格上げしてくれる、ワクワクする空間」です。