視点を変えて9,000円アップ!外国籍需要を捉えた戦略!
| ①構造 | 鉄骨造 | ④間取り/世帯数 | 2LDK、3LDK/7戸 |
| ②築年数 | 築25年 | ⑤㎡数 | 124.65㎡ |
| ③階数 | 3階建 | ⑥入居率 | 100% |
【課題】
【施策】
地域データから外国人住民の増加を捉えた、近隣工場の派遣社員(法人契約)向けへのターゲット転換
供給数の少ない「外国籍OK+複数名ルームシェア」への条件変更
法人担当者とのモラル遵守・クレーム対応の取り決めおよび契約書面へのリスク対策盛り込み
【結果】
賃貸物件のオーナー様にとって、「退去予告」の連絡は常に頭を悩ませる種です。特に、地方都市における広めのファミリー向け間取り(3LDKなど)は、一度空室になると次の入居者が決まるまでに時間がかかったり、周辺のライバル物件との家賃引き下げ競争に巻き込まれたりするリスクを孕んでいます。
「以前と同じ条件で募集を出しても、なかなか反響が無い」
「周辺相場に合わせて値下げするしかないのだろうか」
もしそのようにお考えであれば、一度募集ターゲットの視点をガラリと変えてみる必要があるかもしれません。
今回は、石川県小松市にある3LDK物件において、地域の最新データと現場の需要変化を捉えた「ターゲット転換」を実施し、周辺相場を上回る9,000円の賃料アップを達成、さらに解約からわずか2週間で成約に至った実践的な空室対策事例をご紹介します。











1. 事例物件の概要と直面していた課題
小松市内の賃貸市場においては、単身者(1K・1DK)やカップル・新婚世帯(1LDK・2LDK)からの需要が全体の多くを占めています。一方で、3LDKのような広めのファミリー向け物件をお探しのお客様(実需ファミリー)の絶対数は決して多くありません。
供給数自体も少ないため「需要が完全にゼロで不人気」というわけではありませんが、一般的なファミリー層だけをターゲットにして従来通り募集を行った場合、以下のような懸念がありました。
「通常通りの募集条件では、無難な相場賃料での勝負となり、空室期間が長引くリスクがある」――そう判断し、単なるポータルサイトへの掲載作業に入る前に、地域の最新市場データと現場のリアルな反響の分析を開始しました。
2. 市場分析:小松市で急増する「外国籍住民」と「ルームシェア需要」
競合と差別化を図るヒントは、小松市全体の人口データと、日常的に現場で受ける問い合わせの変化の中に隠されていました。
データが示す「外国人住民人口」の右肩上がり
小松市が発表している「外国人住民人口推移(各年12月末)」のデータを見ると、地域社会の構造変化が顕著に表れています。
長期的な増加トレンド:かつて平成25年(2013年)頃には約1,200〜1,300人規模で推移していた外国人住民数が、近年の令和に入り急激な伸びを見せています。
直近の急増:令和3年(2021年)以降、その勢いは加速し、令和5年(2023年)には3,000人を突破。令和7年(2025年)末のデータでは3,436人に達しており、過去最高水準を更新し続けています。
国籍の多様化と就労需要:国籍別で見ると、かつて主流だったブラジルや中国に加え、近年ではベトナム、インドネシア、フィリピンといった東南アジア圏からの住民が急増しています。
この背景には、小松市内および近隣エリアにある製造業・建設業・加工業などの工場群において、人手不足を背景とした外国籍派遣社員や技能実習生、特定技能人材の受け入れが活発化している実情があります。
現場で起きていた「需要と供給のミスマッチ」
賃貸現場のやり取りにおいても、このデータと合致する大きな変化が起きていました。
現場の仲介窓口には、近隣工場に人材を派遣・手配する法人企業の担当者様から、次のような問い合わせが頻繁に寄せられるようになっていたのです。
「派遣社員として来日するスタッフ数名で、一緒に入居できる広めの物件を探している」
「1室に1名ずつ住めるような3LDKで、法人契約・ルームシェア(複数名入居)ができる部屋はないか?」
しかし、一般的な賃貸市場においては以下の現実がありました。
ここに、競合物件を回避し、高い収益性を確保するためのブルーオーシャン(競合不在の市場)が存在していたのです。
3. 実践した空室対策:ターゲット変更と「強気」の条件設定
市場の歪み(需要>>供給)を捉えた当社は、「外国籍・法人契約・ルームシェア対応物件」へのターゲット転換をオーナー様へ提案いたしました。
対策の骨子
募集対象の明確化:近隣工場で働く外国籍スタッフを受け入れる「法人様」を主要ターゲットに設定。
利用形態の柔軟化:単身者複数名による「ルームシェア(複数名入居)」を解禁。
賃料設定の最適化:競合が極めて少ない「希少価値」を背景に、強気の強気価格設定を実施。
なぜ「家賃9,000円アップ」が可能だったのか?
一般的に、退去後の募集で9,000円も賃料を上げることは容易ではありません。しかし、今回のターゲット転換においては「価格決定権」がオーナー様側にありました。
法人側の視点:企業側にとっては、スタッフ3名を別々のワンルームマンション(例えば家賃4万円×3戸=12万円)に住まわせるよりも、1戸の3LDK(例:8万円〜9万円)にルームシェアでまとめて住まわせる方が、全体としての居住コストや光熱費・管理の手間を大幅に削減できます。
オーナー側の視点:相場より高い賃料(+9,000円)に設定したとしても、借り手側(企業)から見れば「希少な条件に合う物件であり、かつトータルコストが抑えられる」ため、十分に魅力的な条件となるのです。
実施結果
オーナー様のご理解と素早いご決断のもと、新条件にて募集を開始した結果、狙い通り近隣の法人様より即座に申し込みが入りました。
相場並みでダラダラと募集を続け空室期間が数ヶ月に及ぶリスクを回避し、収益性を向上させながら超スピード成約を実現することができました。
4. リスク管理:外国籍・ルームシェア契約で押さえるべき重要ポイント
「家賃が上がって早く決まるのは魅力的だが、入居後のトラブルが心配だ」と感じるオーナー様も多いはずです。確かに、生活習慣の違いによるゴミ出しルール違反や、夜間の騒音問題、連絡が取れなくなるリスクなどを懸念されるのは当然のことです。
今回の事例において、トラブルゼロで円滑な運用を実現できた鍵は、契約時における徹底したリスク対策と法人との連携にあります。
① 「個人契約」ではなく「法人契約」を基本とする
外国籍スタッフの入居にあたっては、入居者個人との直接契約ではなく、受け入れ先となる「法人(企業)」との法人契約を軸とします。これにより、家賃支払いの滞納リスクを極めて低く抑えることができます。
② 契約法人の「担当者」との事前面談・役割の明確化
契約締結時には、契約法人様の総務・人事担当者様と直接膝を突き合わせた話し合いを行いました。
③ 特約事項および契約書面への明記
口頭での約束にとどめず、賃貸借契約書の特約事項に以下のリスク管理項目を厳記しました。
企業側としても「自社の社員が地域でトラブルを起こして企業の社会的信用を失いたくない」という意識が働くため、事前の取り決めをしっかり行うことで、非常に協力的な管理体制を敷いていただくことが可能になります。
5. まとめ:他の物件・他地域でも応用できる「ターゲット再設定」の視点
今回の事例は、決して小松市の特定の3LDK物件だけに使える特殊なケースではありません。
賃貸経営において空室を埋めるアプローチには、大きく分けて2つあります。
多くの物件が1のアプローチに終始し、リフォーム費用をかけたり賃料を下げたりして利益率を低下させています。しかし、地域の人口動態や産業構造の変化(今回のケースでは「外国人住民の急増」と「企業の受け入れ需要」)を正しく読み解けば、設備投資をかけずに条件変更だけで賃料アップと即時成約を実現することが可能です。
このようにお悩みのオーナー様は、ぜひ一度ご自身の物件周辺にある「潜在的な需要」に目を向け、募集ターゲットの見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
当社では、単なるポータルサイトへの掲載にとどまらず、地域データに基づいた市場分析と、リスクを最小限に抑えた提案で、オーナー様の収益最大化をサポートしております。空室や賃料設定でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。