不動産投資
賃貸併用住宅のメリットとデメリット
本記事では、賃貸併用住宅のメリット・デメリットを整理し、後悔しないためのポイントを解説します。 賃貸併用住宅に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
2024.11.14不動産投資
2018.05.31
満室の窓口
多様化するニーズに応える賃貸住宅へ
土地の有効活用を図る代表的かつ古典的な手法として、賃貸住宅を建設し、アパートやマンションを経営することが挙げられます。住環境は誰にとっても欠かせないものであり、生活の基盤ですから安定したニーズが存在するほか、不動産は所有者にとって確かな資産となりますから、長期的な視野に立って行う投資としても魅力があるでしょう。税制面でのメリットも見込めます。
しかし、ただ建設して貸せば借り手があり、安定した家賃収入が不労所得として得られるというわけではありません。ポイントを押さえた賢い経営と運用が必要です。かつては最寄り駅からの距離や生活利便施設の存在など、立地条件に恵まれているところで建設すれば、ほぼリスクの少ない土地活用ができるともされました。
ですが今日、少子高齢化や人口の減少、ライフスタイルの多様化などが進み、こうしたかつての単純な戦略、勝ちパターンが通用しないケースも増えています。空室リスクを減らし、経営を成功へと導くには、新たな付加価値が求められる時代となっているのです。そこで今回は、賃貸住宅とデザインについて考えます。
すでに保有している土地の場合はもちろん、新たに取得する場合でも、どんなにバランスの良い立地条件を望んでも、理想通りに全てを満たすことはできないでしょう。予算上の制約も当然あります。もっと利便性の高い駅に近ければ、商業施設が豊富にあれば、家賃を高く設定することもでき、競合物件にも勝れるのにと思われるかもしれません。
しかし、良いと思われる条件も、想定する入居者の対象を変えれば変化することがしばしばあります。例えばファミリー層であれば、少し駅や繁華街から距離があっても、緑と触れ合える環境や治安の良さなど、子育てを考えた住環境の良さが重視されますし、文化・教育施設や学校の存在もポイントになるでしょう。通りから少し入った立地も、閑静な環境やおしゃれな雰囲気、こだわりをもつ入居者には魅力となるかもしれません。
このように、立地条件から考えられる想定入居者を明確にし、その上で対象層のニーズを踏まえながら、デザイン性を高めた住宅とすれば、ベースの条件に関わらず、大きな付加価値によって差別化を図れる物件、選ばれる物件となれる可能性が十分にあるのです。
万人受けから明確なコンセプトの物件へ!
シニア世代の利用が高頻度に想定されるエリアで、ポップな流行や使いこなせない可能性が高い必要以上の最先端設備をとり入れプレミアム化を図っても、引きは見込めません。暮らしやすいサポートを提供できるデザインや、趣味の時間を充実させられるスペースを確保し、落ち着いたテイストに仕上げる方が良いでしょう。大切なのは見込まれるニーズとのマッチングです。
デザインを付加価値とする際に、陥りやすい失敗を避けるため、最も注意すべきポイントがあります。それは対象とする層を幅広くし、より多くの入居希望者を取りたいからといって、万人受けのデザイナーズ賃貸にしてしまうことです。周囲の環境やニーズに合わせることは大切ですが、万人受けの平均的な仕上がりはそれ以上でもそれ以下でもないもの、つまり没個性的な付加価値のないものとなってしまいます。
デザインで価値を創出するならば、どこかにとがった部分をもたせ、他の物件との差別化を図ること、見比べて検討している人に「どうしてもここがいい!」と選んでもらえる物件にすることを目指すべきです。そのためには、見定めたコンセプトを明確に打ち出し、目を引く特徴をもった仕上がりになるよう、計画段階からしっかり意識しておくことが重要となります。
とはいえ、ニーズは時代によって変化する可能性もあります。長期にわたって資産性・収益性を維持させるには、メンテナンスも必要になるでしょう。デザインにこだわるあまり、将来のリフォームや間取り変更がきわめて困難な住宅となってしまうケースもあります。これでは一時的に人気となっても、長期的にはマイナスとなりかねません。
デザインに重点を置いた仕上がりでも、躯体はリフォームしやすい作りであり、手に入りやすい建材・部材の組み合わせで製作されていること、これも大きなポイントです。この点に注意しておけば、極力コストを抑えてデザインリフォーム、デザインリノベーションを重ねていくことも可能です。そうすれば、長く人気物件としてアピールしていくことができるでしょう。
デザインをかたちにする建材・部材が、手に入りやすいものであれば、初期のコストも比較的リーズナブルに抑えやすくなります。貴重な付加価値となり、入居希望者への強力なアピールポイントを創出できる一方で、デザイナーズ賃貸住宅は、通常よりも建設費用が高くなってしまう傾向にあるため、収益性とのバランスを見極めた予算設定が、経営の成功に大きく関わってきます。
建設時点も将来も、コストを抑えて快適な住環境を維持しやすく、コンセプトに合った印象的な仕上がりを提案できる、そうした建築家を探すことが大切です。自分自身でも勉強を重ねながら、信頼できる専門家をパートナーに経営を行っていくことを考えましょう。
いかがでしたか。今回はデザインにスポットを当てましたが、もちろんセキュリティなど、基本的な住宅設備が整っていることも大切です。質の高さを求めればきりがありませんが、高品質で個性あるデザインという価値をもった物件を安く作り、長く価値を保ちやすい工夫を施しておくこと、こうすれば、長期にわたって高い家賃設定も可能で空室が発生しにくい、高い収益性の賃貸住宅を運用していくことが可能になります。他との差異化を図り、選ばれる物件づくりを目指しましょう。
(画像は写真素材 足成より)
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