税金対策
不動産取得時に経費計上できる費用とは【節税対策】
不動産を取得するとき、多くの諸費用が発生します。しかし、すべての費用が経費になるわけではありません。 この記事では、不動産を購入・取得した際に経費計上できる費用とできない費用について、分かりやすく解説します。
2022.08.25税金対策
2026.02.09
満室の窓口
不動産投資で利益を最大化するには、「節税」が重要なポイントになります。
なかでも、確定申告で経費として計上できる項目を理解しておくことは、税負担を大きく減らす鍵です。
しかし実際には「これは経費になるの?」「これはどのように申告すればいい?」と悩む方も多いはず。
この記事では、不動産オーナーが確定申告で経費として認められる代表的な項目をわかりやすく解説します。
初心者にもわかりやすく、役立つ内容にしていますのでぜひご参照ください。


不動産所得とは、所有している土地や建物を他人に貸し出すことで得られる収入から、必要経費を差し引いた金額のことを指します。
この所得は、サラリーマンの給与所得やフリーランスの事業所得などとは別に扱われ、確定申告書では専用の「不動産所得」欄に記載します。
具体的には以下のような収入が対象となります:
入居者から得られる家賃収入
駐車場の貸付収入
マンションの共益費や管理費の一部
契約時に受け取る礼金や更新料
これらの総収入から、「不動産を運営するためにかかった費用(=必要経費)」を差し引いた残りが不動産所得です。
たとえば、家賃収入が年間300万円で、管理費や修繕費など経費が100万円かかった場合、200万円が不動産所得として計上されます。
この経費をどれだけ正確に・漏れなく計上できるかが、節税の成否を左右すると言っても過言ではありません。
不動産投資の利益を最大化するには、まずこの「不動産所得」の仕組みと考え方をしっかりと理解しておくことが大切です。


不動産投資において「経費」とは、賃貸収入などの不動産所得を得るために必要な支出を指します。
つまり、物件の維持・管理・運営を行う上で、実際にかかった費用を税務上で差し引くことができる仕組みです。
この「経費」を確定申告で正しく計上することで、課税対象となる所得が減り、その分、所得税や住民税の負担を軽減することが可能になります。
▶︎経費として認められるための3つの条件
経費であれば何でも認められるわけではなく、税務上は以下のような明確なルールがあります。
1.不動産所得を得るための支出であること
例:入居者対応のための修繕費、物件管理のための交通費など
2.実際に支出が発生していることを証明できること
→ 領収書、請求書、振込明細などが必要です。口頭の説明だけでは認められません。
3.家事(プライベート)関連の支出との区分ができていること
→ プライベートとの兼用支出がある場合、「業務に使った割合(=按分)」を明確にしておく必要があります。
🔍 按分の具体例
例えば、自宅兼事務所で使用しているインターネット回線の料金を経費計上する場合、全額を経費にするのではなく、不動産業務で使用した割合(例:全体の30%)を算出し、その分だけを経費に含めます。
同様に、移動のために使った自家用車のガソリン代や高速代も、物件の内見や管理訪問などの業務に関連した使用分だけが経費となります。
経費を過大に申告してしまうと、税務署からの指摘や修正申告が必要になるケースもあります。
一方で、経費を正しく・漏れなく計上できれば、納税額を合法的に抑えられる強力な節税対策となります。
「これは経費になるのか?」と迷う支出がある場合は、無理に自己判断せず、税理士に相談するのが安心です。
ここからは、確定申告で経費として計上できる代表的な支出をひとつひとつ解説していきます。
賃貸管理代行手数料とは、管理会社に支払う「管理業務の委託費用」です。
不動産を所有していても、実際の運営は入居者募集や契約手続き、家賃の集金、督促、クレーム対応、退去時の精算・原状回復手配など、日常的に多くの業務が発生します。
これらを管理会社に任せる場合、その対価として発生するのが賃貸管理代行手数料です。
この費用は、不動産所得を得るために必要な運営コストにあたるため、確定申告では原則として必要経費に計上できます。
毎月家賃の一定割合(例:家賃の○%)として支払うケースが一般的ですが、内容によっては定額型や、更新・退去など特定のタイミングで別途費用が発生する場合もあります。
いずれも「賃貸経営のための支出」であることが明確であれば、経費として整理しやすい項目です。
マンションなどの区分所有物件では、管理組合や管理会社へ支払う管理費も、賃貸経営に必要な支出として必要経費に計上できます。
管理費は、建物全体の維持管理(共用部分の清掃、点検、設備の保守、管理人業務など)を行うための費用で、物件の価値や居住環境を保つために欠かせません。入居者募集や入居継続にも影響するため、賃貸運営と直接関係するコストといえます。
なお「管理費」という言葉は幅広く使われますが、確定申告での整理としては、管理組合(または管理会社)から請求され、毎月支払う管理費を指すイメージです。
支払った管理費は、管理会社の運営費や人件費、共用部の保険料・事務費などに充当されることが多く、賃貸経営の“固定費”として継続的に発生します。
月ごとの支払いがある分、漏れなく計上できると節税効果も積み上がりやすい項目です。
修繕積立金は、マンションなどの区分所有物件で、将来の大規模修繕や設備更新に備えるために、管理組合へ毎月(または定期的に)支払う積立金です。
外壁や屋上防水、給排水管、エレベーターなど、築年数の経過とともに避けられない修繕・改修に備え、計画的に資金を確保する目的があります。
賃貸に供している区分マンションであれば、修繕積立金は賃貸経営を継続するための維持コストにあたるため、一定の前提(管理規約が適正で、原則として返還義務がない等)を満たす場合、支払った年分の必要経費に算入して差し支えないと整理されています。
また注意点として、「売却等で精算・返金があるなら経費にできない」というより、実務上は次の整理が安全です。
・支払った年:必要経費として計上(上記の前提を満たす場合)
・もし返金・精算で戻ってきた年:戻ってきた金額は、原則としてその年の不動産収入(雑収入等)として扱い、収入側で調整するイメージです(=「経費にできない」のではなく「戻ったら収入にする」)。
対象不動産にかけた火災保険や地震保険などの保険料は、万一の損害に備えるための必要な支出であり、賃貸経営に直接関係するものは必要経費として計上できます。
反対に、事業と関係のない自宅分の保険料を経費に入れることはできません(自宅兼用の場合は、使用実態に応じた按分が必要です)。
なお、複数年契約の保険料を一括で支払った場合は、支払った年に全額を経費にするのではなく、契約期間に応じて年(または月)で按分し、当年分のみを必要経費にして、翌年以降分は前払費用(長期前払費用)として繰り延べるのが一般的な処理です。
(例:3年契約で一括払い→「今年分だけ経費」「残りは前払」にしていくイメージ)
不動産の建物や設備(建物附属設備・備品など)は、年数の経過とともに価値が減っていきます。
減価償却費とは、その価値の減少分を“毎年少しずつ費用化していく”考え方で、賃貸経営に用いている資産については、不動産所得の計算上、必要経費として計上できます。
ポイントは、物件購入時に支払った金額を一度に経費にするのではなく、主に「建物部分」や「設備部分」を耐用年数に応じて年ごとに配分して、毎年の経費にしていくという点です。
たとえば、建物の構造(木造・鉄骨造など)や用途によって耐用年数が異なり、それに沿って償却していきます(耐用年数表に基づく)。
また、減価償却費は実際の現金支出がその年に発生しなくても計上できるため、キャッシュフローを維持しながら課税所得を圧縮できることがあり、不動産投資が「節税につながりやすい」と言われる理由の一つです。
ただし、減価償却で“いつか消える税金”ではなく、売却時の譲渡所得計算に影響するなど、長期で見ると別の形で調整が起きるケースもあるため、全体設計で考えるのが安全です。
※注意:土地は基本的に減価償却できないため、購入価格は「土地」と「建物」に按分して、償却対象を明確にします。
不動産に関連する税金のうち、賃貸経営(不動産所得)に直接関係するものは、必要経費として計上できるものがあります。
国税庁の整理では、不動産所得の必要経費の例として固定資産税や損害保険料、減価償却費などが挙げられています。
具体例として、業務(賃貸)に用いる資産にかかる租税は、一定の範囲で必要経費に算入できます。
固定資産税・都市計画税:保有している不動産に毎年かかる税金で、賃貸用であれば経費計上の対象になりやすい
不動産取得税:取得時にかかる税金で、賃貸用として取得した場合は必要経費に算入できる整理が示されています
登録免許税:登記にかかる税金で、必要経費に算入できる整理が示されています
印紙税:不動産売買契約書など“課税文書”に貼付する印紙にかかる税金で、賃貸用の取得に伴うものは経費として扱われることがあります(印紙税の取扱い自体は契約金額等で決まります)
一方で、所得税(および住民税)そのものは「経費」にはできません。
所得税は「利益に対して課される税金」なので、経費を差し引いて所得を計算した“あと”に発生するもの、という位置づけです(ここを混同しやすいので注意)。
※補足:購入時に売主へ支払う「固定資産税・都市計画税の清算金」は、ケースによってはその年の経費ではなく、取得価額(取得費)に算入する扱いになる旨が示されています。
賃貸借契約が終了し、入居者が退去した後は、次の入居募集に向けて部屋を整える必要があります。その際に発生するのが、原状回復のための修繕費です。
たとえば、壁紙(クロス)の張り替え、床の部分補修、建具の調整、ハウスクリーニング、設備の軽微な修理など、「通常の使用によって生じた傷みを直し、元の状態に近づける」ための支出は、賃貸経営に必要な費用として必要経費に計上できます。
一方で注意したいのが、同じ工事でも内容によって扱いが変わる点です。
不動産の価値を高める改良(グレードアップ)や、耐久性を大きく向上させる工事、リノベーション等は“修繕費”ではなく資本的支出(固定資産)となり、原則として一括で経費にするのではなく、耐用年数に応じて減価償却で費用化していきます。
「原状回復=修繕費」「価値向上=減価償却」という大枠を押さえつつ、実際は工事内容・金額・目的で判断されるため、見積書や工事内容の内訳を残しておくと申告時に整理しやすくなります。
不動産購入時に借入(ローン)を利用している場合、毎月の返済額のうち利息部分は、賃貸収入を得るための資金調達コストとして必要経費に計上できます。
ここで重要なのは、返済額のすべてが経費になるわけではない点です。
返済額には「元金」と「利息」が含まれますが、経費にできるのは利息部分のみで、元金返済は借入金を減らしているだけなので経費にはなりません。
年末の残高証明書だけでなく、金融機関の返済予定表や利息明細があると、利息分の集計がスムーズです。
税理士に確定申告の作成・提出を依頼したり、帳簿の整備や税務相談(節税策の検討、消費税・インボイス対応、法人化の検討など)の助言を受けたりした場合、その報酬は不動産所得を適切に申告するための必要な支出として、必要経費に計上できます。
特に不動産投資は、減価償却や修繕費の判断、按分(自宅兼用や家事関連費)など、論点が増えやすい分野です。
専門家に依頼することで、計算ミスや申告漏れを防ぎ、結果として税務リスクを下げられる点もメリットになります。
領収書(請求書)と契約内容が分かる資料は、他の経費と同様に保管しておきましょう。
物件の下見や現地確認、管理会社・仲介会社との打ち合わせ、修繕の立ち会い、契約手続き(重要事項説明・調印など)のために移動した際の交通費は、賃貸経営に直接必要な支出として、必要経費に計上できます。
電車・バス代はもちろん、必要に応じたタクシー代、高速料金・駐車場代なども、「不動産所得を得るための業務目的」であれば対象となります。
ただし、プライベートな外出と混ざりやすい項目でもあるため、経費にする場合は「いつ・どこへ・何の目的で」移動したかが説明できる形で記録しておくのが安心です。
(例:訪問先、用件、日付、交通手段、金額。領収書が出にくい交通機関でも、メモがあると整理がスムーズです)
その他の経費としては、以下のようなものが考えられます。
・セミナー参加費:不動産関連のセミナーなどの参加した際の参加費は経費となります。
・新聞図書費:事務所で閲覧用の新聞や、業務にまつわる図書の費用は経費となります。
・通信費不動産に関連する電話やインターネット通信にかかる費用です。
・広告費: 不動産の募集や販売のために広告を行った場合の費用です。例えば、新聞広告やインターネット広告などの費用が含まれます。
・電気・ガス・水道料金: 不動産の運営に必要な光熱費や水道料金が経費として計上される場合があります。
・営業費: 不動産の販売や賃貸に関連する営業活動にかかる費用です。例えば、営業マテリアルや営業担当者の交通費などが含まれます。
・コンサルティング費用: 不動産投資において専門家からのコンサルティングを受けた場合の費用です。例えば、法律や税務のアドバイスを受けるための費用が含まれます。
最後に大事な考え方として、これらはすべて 「不動産に関して実際に使った分」だけが経費対象です。
生活費と混ざるもの(携帯代・自宅のネット代・自家用車のガソリン代など)は、全額を経費にするのではなく、業務で使った割合(按分)で計上するのが基本になります。
たとえば、携帯料金を通信費として計上する場合でも、私用分が含まれるなら「不動産の連絡に使った割合」を説明できる範囲で計上する、という整理が安全です。社会通念上、妥当といえる範囲で処理することがポイントになります。
正確に経費を申告するには、いくつかのポイントを意識しましょう。
・領収書・記録を適切に保管する
確定申告では、支出を証明するための領収書・請求書・振込記録が必要です。
電子データとしての保存も可能なので、紛失防止のためクラウド保存もおすすめです。
・家事按分の考え方を正しく理解する
共有スペースや複数用途の支出は「業務に係る割合」で按分します。
按分の根拠を明確にしておくことで税務調査時のリスクを低減できます。
・税務調査に備える
税務署からの問い合わせに備え、以下を整理しておくと安心です。
・支出の目的説明
・領収書の保存
・按分計算の根拠
税務調査はどのオーナーにも起こりうるため、日頃から資料整理を心がけましょう。
経費扱いに出来る項目は意外と多くあります。
必要経費を漏れなく計上することで、多くの資金を手元に残すことが出来ます。
お金をかけず確実に効果のある節税対策となります。
今回挙げた経費項目は一般的な経費の例ですが、不動産投資の状況や地域によって異なる場合があります。
経費として計上できるかどうかは、所得税法や地方自治体の条例などの規定に基づいて判断する必要があります。
専門家や税理士と相談することをおすすめします。
また今回は個人オーナー様向けの経費に計上出来る項目を説明致しましたが、法人であれば個人では経費計上出来ない項目が経費計上出来るというものもあります。
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