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不動産投資

2018.05.29

満室の窓口

【pickupニュース】不動産業界、流通業の業況指数が改善も9期連続マイナス水準

日々のニュースの中で不動産投資や賃貸経営、資産運用など暮らしに関わるニュースをピックアップしてます。

今回ピックアップするニュースはこちら!


土地総合研究所が定例の業況調査結果を公開

一般財団法人土地総合研究所は24日、毎年1月・4月・7月・10月の四半期ごとで実施している「不動産業業況等調査」に関し、2018年4月分の結果をとりまとめて公開しました。不動産流通(仲介)業者の動向をみることで、より不動産市場の需給動向を的確に把握することができます。


調査は三大都市圏および全国の地方主要都市で不動産業を営む企業を対象に、住宅・宅地分譲業、不動産流通業(住宅地)、ビル賃貸業の3業種、大手/中小の事業規模を考慮して149社を選定、郵送または電子メールでのアンケート方式で実施されています。今回の全体における有効回答回収率は82.6%でした。


・不動産業業況指数

【現在の経営状況】

住宅・宅地分譲業:20.3ポイント(前回比+2.7ポイント)

不動産流通業:-3.1ポイント(前回比+6.9ポイント)

ビル賃貸業:16.0ポイント(前回比+8.0ポイント)


【3カ月後の経営見通し】

住宅・宅地分譲業:6.3ポイント

不動産流通業:-7.8ポイント

ビル賃貸業:-4.0ポイント


+100から-100までの指数で示す業況指数は、現在の経営状況が住宅・宅地分譲業で、前回2018年1月1日調査時点より2.7ポイント改善し、20.3ポイントとなっています。不動産流通業は6.9ポイントの改善になったものの、依然マイナス水準にある-3.1ポイントと、9期連続で判断の分かれ目となる中間値の0を下回りました。ビル賃貸業は8.0ポイントの改善で、16.0ポイントにまで上昇しています。


続けて3カ月後の経営見通しについて尋ねた結果では、住宅・宅地分譲業は6.3ポイント、不動産流通業は-7.8ポイント、ビル賃貸業は-4.0ポイントとなりました。今回好調だったビル賃貸業が、反動もあってかマイナス水準になっています。


・住宅・宅地分譲業の詳細動向指数

用地取得件数:-3.3ポイント(前回比+17.9ポイント)

モデルルーム来場者数:-16.1ポイント(前回比-9.8ポイント)

成約件数:6.3ポイント(前回比+21.8ポイント)

在庫件数:18.8ポイント(前回比-16.1ポイント)

販売価格動向:21.2ポイント(前回比-15.9ポイント)


住宅・宅地分譲業で詳細な業況を調査すると、用地取得件数の指数は前回より17.9ポイントと大幅に改善しましたが、-3.3ポイントと依然マイナス水準で、10期連続の低下傾向という見方になっています。


モデルルーム来場者数は、前回から9.8ポイント悪化し、-16.1ポイントになりました。足を運ぶ人の減少が実感されています。一方、成約件数は21.8ポイントと大きく改善、6.3ポイントと8期ぶりにプラスを記録しました。


在庫戸数は18.8ポイントで、前回より16.1ポイントの低下、2009年4月調査以降、37期連続という長期にわたり、減少傾向にあるとの見方が続いています。販売価格の動向については、前回より15.9ポイント悪化、21.2ポイントに下落しました。上昇とする回答が下落とする回答を上回ったのは、これで24期連続のことになります。

マイナスが続く不動産流通業、売却依頼件数がとくに低迷

・不動産流通業の詳細動向指数

【既存マンション等】

売却依頼件数:-23.3ポイント(前回比-11.8ポイント)

購入依頼件数:3.3ポイント(前回比+16.4ポイント)

成約件数:-8.5ポイント(前回比+7.9ポイント)

取引価格:6.8ポイント(前回比-2.2ポイント)


【既存戸建て住宅等】

売却依頼件数:-27.7ポイント(前回比-16.9ポイント)

購入依頼件数:-6.2ポイント(前回比+9.4ポイント)

成約件数:-20.3ポイント(前回比+3.1ポイント)

取引価格:6.3ポイント(前回比+3.2ポイント)


【土地】

売却依頼件数:-20.0ポイント(前回比-15.4ポイント)

購入依頼件数:13.8ポイント(前回比+4.4ポイント)

成約件数:-7.7ポイント(前回比+1.5ポイント)

取引価格:13.8ポイント(前回比横ばい)


不動産流通業(住宅地)の2018年4月における詳細調査動向指数は、「既存マンション等」で売却依頼件数が前回よりさらに11.8ポイント悪化、-23.3ポイントになりました。取引価格もやや落ち6.8ポイントになっています。一方、購入依頼件数は16.4ポイントと大幅に改善し、プラス水準を取り戻す3.3ポイントでした。増加傾向の見方が多くなったのは8期ぶりです。成約件数は7.9ポイントの上昇で-8.5ポイントでした。


「既存戸建て住宅等」では、やはり売却依頼件数が前回よりさらに悪化、16.9ポイントの大幅下落で-27.7ポイントにまで落ち込みました。それ以外の項目は前回より改善し、ポイントを伸ばしましたが、購入依頼件数、成約件数とも依然マイナス水準にあります。中でも成約件数は-20.3ポイントにとどまっていることから、他の物件種別より低迷しているでしょう。取引価格は6.3ポイントで、21期連続のプラス傾向です。


「土地」においても売却依頼件数は15.4ポイントの悪化で-20.0ポイントを記録、よって全物件種別が-20以下の指数水準であったことになります。購入価格と成約件数は前回よりやや改善し、それぞれ13.8ポイント、-7.7ポイントになりました。取引価格は13.8ポイントで前回と同値になり、21期連続で上昇とする見方が多い状態を続けています。


・ビル賃貸業の詳細動向指数

空室状況:39.4ポイント(前回比+10.0ポイント)

成約賃料動向:18.2ポイント(前回比-3.5ポイント)


ビル賃貸業での詳細指数は、空室状況に関するものが前回より10.0ポイント上昇して39.4ポイントにまでアップ、需給の引き締まった空室の少ない状況が広く実感されています。プラス水準は19期連続となりました。


一方、成約賃料動向は、前回より3.5ポイント低下し、18.2ポイントになっています。依然上昇傾向を感じる向きが多いものの、空室状況に比べ、やや成約賃料には、その天井感から減少傾向との回答も増えてきているようです。


ピックアップニュースは以上になります。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!


(画像は土地総合研究所「不動産業業況等調査結果 2018年4月」公開資料より)



▼外部リンク


一般財団法人土地総合研究所「不動産業業況等調査結果 2018年4月」公開資料

http://www.lij.jp/search/gyoukyou/g30-04.pdf

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