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不動産投資

2018.06.21

満室の窓口

【pickupニュース】2030年度の新設住宅着工は60万戸、大工減少はさらなる深刻化見込み

日々のニュースの中で不動産投資や賃貸経営、資産運用など暮らしに関わるニュースをピックアップしてます。

今回ピックアップするニュースはこちら!


野村総合研究所が2030年を見据えた市場予測を発表

株式会社野村総合研究所は13日、日本国内における2018~2030年度の新設住宅着工戸数、2018~2030年のリフォーム市場規模、2018~2033年の空き家発生状況、2018~2030年の大工人数を予測、関連市場の推移見通しを示す参考資料を公開しました。


・新設住宅着工戸数の見通し

2017年度:95万戸

2020年度:77万戸

2025年度:69万戸

2030年度:60万戸


新設住宅着工戸数は、2017年度で95万戸を記録、消費税増税に伴う駆け込み需要で一時減少傾向がごく緩やかとなり、80万台後半を続けるものの、2020年度には77万戸となり、以降は中長期的に減少を続け、2025年度で70万台を割り込む69万戸に、2030年度には60万戸にまで減少すると見込まれました。


・利用関係別新設住宅着工戸数見通し

【2017年度】

持家:28万戸

分譲住宅:25万戸

貸家:42万戸


【2020年度】

持家:24万戸

分譲住宅:22万戸

貸家:31万戸


【2025年度】

持家:23万戸

分譲住宅:18万戸

貸家:28万戸


【2030年度】

持家:20万戸

分譲住宅:14万戸

貸家:26万戸


利用関係別に住宅着工の内訳予測をみると、相続税対策で伸びていた貸家の減少傾向が最も激しく、2017年度の42万戸から2030年度には26万戸にまで減少する見通しになっています。持家や分譲住宅も緩やかに減少していくとみられ、それぞれ28万戸から20万戸へ、25万戸から14万戸へと減っていくとされました。


・リフォーム市場規模見通し

【広義】

2017年:6.8兆円

2020年:6.3兆円

2025年:7.0兆円

2030年:6.9兆円


【狭義】

2017年:5.6兆円

2020年:5.3兆円

2025年:5.9兆円

2030年:5.9兆円


住宅着工統計の新設住宅に計上される増築・改築工事と設備などの修繕維持費を合わせたものを狭義のリフォーム市場、これにエアコンや家具などリフォーム関連の耐久消費財やインテリア商品などの購入額を含めたものを広義のリフォーム市場とそれぞれ定義し、2030年までの見通しを立てた結果では、2020年頃まで一時低下傾向になり、その後上昇へと転じるものの、大きく伸びることはなく、ほぼ横ばいの傾向を続ける予測になりました。


広義の市場規模が6~7兆円、狭義の市場規模は、それよりおよそ1兆円少ない5~6兆円で推移するとみられます。

空き家は増加、建設現場の人手不足がより深刻に

・空き家の発生状況

2013年:820万戸(13.5%)

2018年:1,026万戸(16.1%)

2023年:1,293万戸(19.4%)

2028年:1,608万戸(23.2%)

2033年:1,955万戸(27.3%)


今後の空き家発生を予測すると、すでに実績データのある2013年は空き家数が約820万戸、総住宅数に対する空き家の割合が13.5%となっていますが、2018年には1,000万戸を突破し、割合も16.1%に、2023年で20%を目前とする1,293万戸、19.4%に増加して、2033年には2,000万戸近い1,955万戸、全住宅に対する割合が27.3%にまで伸びると算定されました。


既存住宅の適切な除却や、住宅用途以外への有効活用の活性化など、十分な対策が機能しない限り、空き家問題はますます身近で深刻なものになると考えられます。


・大工人数の推移見通し

【大工総数】

2015年:35万人

2020年:30万人

2025年:25万人

2030年:21万人


【大工1人あたりの住宅着工戸数】

2010年:2.0戸

2015年:2.6戸

2020年:2.6戸

2025年:2.8戸

2030年:2.9戸


その他の労働現場と同じく、人手不足が進行している建設現場ですが、大工の不足は中でも注目されています。大工人数は2015年に35万人を数えたものの、2020年で30万人に減少、それ以降も高齢化や産業間の人材獲得競争の激化などを受けて減少を続けるとみられ、2030年には21万人にまで減少すると見込まれました。


日本国内では長年、大工1人あたりの新設住宅着工戸数は、年間約2戸前後で推移してきており、2010年にはその水準にありましたが、2015年ですでに1人あたり2.6戸の水準まで増加してきています。2030年には1人あたり2.9戸となる見通しで、現場における労働生産性を約1.4倍引き上げなければ、減少した約60万戸のニーズも満たせない状況と報告されました。


ピックアップニュースは以上になります。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!


(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

株式会社野村総合研究所 ニュースリリース(プレスリリース)

https://www.nri.com/2018/180613_1.pdf

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