税金対策
暦年贈与活用のポイント
本記事では、暦年贈与を利用した財産移転のポイントを、基礎控除の枠内で計画的に行う方法、基礎控除を超えた場合の累進課税への対応、そして実際の贈与金額による節税効果を比較検討します。
2024.07.18税金対策
2023.05.23
満室の窓口
不動産の賃貸経営において、「法人化」を検討するタイミングについて解説します。
個人事業主の方が、どのタイミングで「法人化」を検討するべきか悩まれた事があるのではないでしょうか。
そんな、個人事業主の皆さんの悩み、個人事業主・法人の、メリット・デメリットをお伝えし、「法人化」のタイミングを税金面から解説します!
個人事業の所得に課税されるのは所得税、法人の所得に課税されるのは法人税になります。
個人事業主の方が、法人化を検討する理由のひとつが所得税です。
それぞれの課税について見てみましょう。
個人事業の所得に課税されるのは所得税です。
所得税は累進課税という方法で、所得が増えれば増えるほど税率が高くなります。
個人事業主の所得=収入-経費です。収入が増えると当然所得は増えます。
したがって、事業がうまくいき収入が増えるほど、所得税は高くなってしまいます。
その結果、確定申告時に所得税の課税額を見て驚くことになってしまいます。
法人の所得に課税されるのは法人税です。
法人の場合は、800万円までは一律となります。
800万円を超えたところに対して23.4%(開始事業年度がH30/4/1以降は、23.2%)税率が課税されます。
所得税と法人税の観点から見た法人化のタイミングは800万円という結果になります。
個人事業主の方は、所得が800万円を超える場合、法人化を検討しましょう。
仮に課税所得が900万円超とした場合、個人では所得税の税率は33%を上回りますが、法人税では最大で23.2%にとどめられます。
一方、個人の所得税率は最大45%で、いくら法人税や地方税、法人事業税が加わっても、その差は歴然です。
よって、法人化するタイミングは、所得が増えて、所得税率が法人税の23.2%を上回る23.3%を超えたら、法人化を検討するとよいと言えます。
累進課税では、課税所得金額が695万円を超えて900万円以下で税率が23%、900万円を超えて1,800万円以下で33%となります。
つまり、課税所得金額で言えば、
・700万円を超えるタイミングで検討を始め
・800万円を超えるタイミングで準備を始め
・900万円を超えるタイミングが法人化をする
という形が1つの目安と言えるでしょう。
▶︎参考資料「満室の窓口:法人化のタイミングは?」より
■業績によって控除額を選択できる。
青色申告特別控除と言う青色申告では、帳簿を複式簿記で管理していれば65万円、簡易簿記で管理していれば10万円を課税所得から控除が可能です。
■赤字は3年繰り越すことができる。
その年の赤字を申告する(損失申告)ことで、3年にわたって所得の相殺(利益との相殺)ができ、納税額を抑えることができます。
■事業所得と給与所得などを合算できる。
確定申告の際、給与所得、雑所得など他の所得があれば、それらと事業所得を合算して申告ができます。
仮に事業所得が赤字だったとしても、他の所得との合算で税金還付が多く受けることが可能です。
このメリットは、サラリーマンの副業も該当しますので、そちらもポイントです。
■各種の節税効果がある。
上記にもあった通り、法人化することで節税の効果が得られるのは大きいです。
法人の所得に関する税率は、法人事業税や法人住民税などを合計した実効税率となります。
所得がある程度の水準に達した場合、法人化したほうが節税効果は高くなります。
■信用度が上がる。
個人事業主と法人とでは、対外的な信用度が大きく異なります。
企業によっては、取引相手を法人限定としているところもあり、金融機関の融資にしても、個人事業主ではなかなか借り入れができないことも少なくありません。
法人化によって、取引先との契約も資金調達も、スムーズになるでしょう。
■税務署に申請が必要になる。
青色申告で確定申告をする場合、最初に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に届け出る必要があります。
■複式簿記絵での記帳が必要になる。
青色申告では、損益計算書と賃借対照表の両方を作成し、決算書として毎年3月15日までに提出しなければなりません。
■失業保険が出ない。
個人事業主は自ら事業を行っているため、失業保険の給付がありません。
■確定申告が毎年必要になる。
「個人事業の開業届出」を提出すると、年間所得が20万円未満の場合でも毎年確定申告が必要になります。
■赤字でも法人住民税の均等割は支払い義務がある。
法人の場合、事業の収支が赤字の場合でも法人住民税の均等割は支払い義務があるので、年間7万円の支払いが必要になります。
■事務的な負担が増える。
法人化すると、会計や税務関係の事務作業のコストがかかります。
法人税申告書などの作成などを税理士に頼むことで金銭的なコストも発生します。
■法人設立時、法人登記費用が必要になる。
法人化するには、会社を設立する必要があります。
株式会社であれば20~25万円、合同会社であれば10万円程度必要になります。
個人事業主と法人について解説させていただきました。
税金の観点から見た、個人事業主が法人化する目安は課税所得が800万円を超えたタイミングとなりますが、上記の通り税金の面以外でも法人化の際は、メリット・デメリットがあります。
自分にとって、法人化することが最終的に良い効果が出るかどうかをしっかりと検討し、司法書士などの専門家に相談しながら、法人化することをおすすめいたします。
また、法人成に関しては司法書士など専門家に相談しながら進めることをオススメします。
↓関連動画はこちらから
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